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      財産分与の対象にならないものとは?注意したいポイントも解説

      2026 5/27
      夫婦問題(男女問題)
      2026年5月27日
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      離婚の際は財産分与が行われますが、すべての財産が対象になるわけではなく、対象にならないものも少なくありません。スムーズな財産分与を行うためには、対象にならないものを具体的に把握しておく必要があります。

      本記事では、財産分与の対象にならないものの事例や、財産分与の手続き、注意したいポイントを解説します。

      この記事でわかること

      ●財産分与の対象にならないものや判断が難しいもの

      ●離婚時に行う財産分与の手続きの流れ

      ●財産分与で注意したいポイント

      本記事の監修者

      弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所(東京弁護士会所属)
      2009年の事務所開設以来、女性側の離婚・男女問題の解決に注力しています。年間700件以上、累計5000件以上の相談実績があり、多様な離婚のノウハウを蓄積。

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      経験豊富な男女20名の弁護士が所属し、新聞・テレビ・雑誌・Webなど多くのメディアからの取材も受けています。

      目次

      財産分与とは

      財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚の際に公平に分ける制度のことです。大きく分けて、以下の3つに分けられます。

      • 清算的財産分与
      • 扶養的財産分与
      • 慰謝料的財産分与

      一般的に行われるのが、清算的財産分与です。預貯金や不動産、車、保険の解約返戻金など、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を公平に分配します。

      扶養的財産分与は、離婚後に一方の生活が著しく困難になる場合に、経済的自立を支援する目的で行われる財産分与です。

      慰謝料的財産分与とは、離婚の原因が不貞行為や暴力など一方の有責行為にある場合に、その精神的損害への補償として財産分与に上乗せして支払われるものです。本来は慰謝料として別途請求される内容ですが、財産分与の中に含めて解決することもあります。

      財産分与の対象にならないもの

      財産分与では、すべての財産が対象になるわけではありません。夫婦の協力とは関係なく取得した財産は「特有財産」とされ、財産分与の対象にならないのが一般的です。特有財産とは、夫婦の共有財産に属さず、各自が単独で所有する財産をいいます(民法第762条1項にいう「夫婦の一方が婚姻前から有する財産」「婚姻中自己の名で得た財産」にあたる)。

      ここでは、対象外となる代表的な財産をみていきましょう。

      参考:e-Gov法令検索「民法」

      結婚前から持っていた財産

      結婚する前から各自が所有していた財産は「特有財産」であり、原則として財産分与の対象にはなりません。たとえば、結婚前に貯めていた預貯金や購入済みの不動産、個人で所有していた車などが該当します。

      これらは婚姻期間中の夫婦の協力によって形成されたものではないため、共有財産とは区別されます。ただし、結婚後にその財産を使って得た利益や、夫婦の協力によって価値が増加した場合には、その増加分が一部対象と判断されることもあります。

      なお、不動産については、売買契約が婚姻前であっても、住宅ローンの支払いが婚姻後に行われた場合、その住宅ローンに対応する部分は共有財産となるため注意が必要です。

      相続や贈与で取得した財産

      相続や親族・第三者からの贈与によって取得した財産も、原則として財産分与の対象外となります。これは、夫婦の共同生活によって形成された財産ではなく、受け取った個人の固有財産とみなされるためです。

      たとえば、次のものが該当します。

      • 親から相続した土地
      • 個人的に受け取った現金・不動産

      ただし、実務上、相続や贈与で取得した財産が財産分与の対象として認められるケースはほとんどありません。判断には専門家への相談が必要です。

      夫婦のいずれか一方しか使わないもの

      衣類や趣味用品、仕事用の道具など、夫婦のどちらか一方のみが専用で使用する財産は、原則として財産分与の対象外となります。これらは日常生活や職業活動において個人に帰属する性質が強く、夫婦共有の財産とはみなされません。

      たとえば、次のものが該当します。

      • 夫のスーツや妻の衣類
      • 個人で使っているパソコンや専門機器

      高額なブランド品や資産価値の高いものについては、共有財産と判断される可能性もあるため、状況に応じて判断が必要です。

      第三者名義の財産

      親族や知人など第三者の名義になっている財産は、原則として財産分与の対象外です。

      例として、次のものが挙げられます。

      • 親名義の不動産
      • 子ども名義の預金

      名義が第三者であっても、実質的に夫婦の資金で購入・管理されている場合には、実態に基づいて財産分与の対象と判断されることもあります。

      そのため、名義だけでなく、資金の出どころや管理状況なども重要な判断材料となります。

      夫婦間の合意で除外したもの

      夫婦の話し合いによって、あらかじめ財産分与の対象から除外することに合意した財産も対象になりません。特定の預金や資産について「分与の対象としない」と取り決めているような場合です。

      このような合意が有効と認められるためには、内容が明確であり、公序良俗に反しないことが前提となります。また、一方に著しく不利な内容の場合には無効と判断される可能性もあります。合意内容は、後々のトラブルを防ぐためにも書面で残しておくことが重要です。

      借金などの個人的債務

      住宅ローンなど共同生活に関係する債務を除き、個人的な借金は原則として財産分与の対象外です。

      主に、浪費やギャンブル、個人的な趣味や投資によって生じた借金などが該当します。これらは夫婦の共同生活のために負った負債ではないため、分与の対象となる「共有の負債」とは区別されます。

      住宅ローンや生活費のために負担した借金など、夫婦の生活と密接に関係している場合には、共有の負債と判断されることもあります。債務の性質によって扱いが異なる点には、注意が必要です。

      財産分与の対象になるか判断が難しいもの

      財産の中には、名義や形式だけでは共有財産か特有財産かの判断が難しいケースもあります。

      例として、以下のようなものが挙げられます。

      • 退職金・企業年金
      • 保険契約
      • 住宅ローン残債のある不動産
      • 事業用財産
      • 年金分割対象

      退職金・企業年金などは、婚姻期間中に積み上げられた部分だけが財産分与の対象になり、婚姻前・別居期間中に相当する分は対象外です。

      保険契約は、内容によって分与対象になるかどうかが変わります。解約返戻金がある生命保険は財産的価値があるため、基準時(別居時または離婚時)の解約返戻金額をもとに財産分与の対象となるのが一般的です。

      一方、解約返戻金がない掛け捨て型の保険は、原則として財産分与の対象にはなりません。

      住宅ローンが残っている不動産は、評価額からローン残債を差し引いた実質的な価値に応じて、財産分与の対象となるかが判断されます。

      事業に使用している財産は、夫婦の協力によって形成・維持されたといえるかなどの事情を踏まえて、財産分与の対象となるかが判断するのが一般的です。

      年金分割は財産分与とは別の手続のため、財産分与の一部とはなりません。年金分割の対象となる厚生年金の保険料納付記録は、別途、年金分割の制度によって分割されます。

      離婚時における財産分与の手続き

      離婚時における財産分与の手続きは、次のような流れで進められます。

      1. 財産分与の対象となる資産を特定する
      2. 各財産の評価額を算定する
      3. 分与の方法について協議する
      4. 調停・訴訟・審判などの法的手続きを通じて分与内容を確定する
      5. 財産の移転や名義変更の手続きを行う

      まず夫婦間で共有財産の内容や金額を確認し、どのように分けるかを話し合うことから始まります。預貯金や不動産などの財産を整理し、双方が納得したうえでの合意を目指すという流れです。

      協議によって合意に至らない場合は、家庭裁判所に調停を申し立て、調停委員など第三者を交えて解決を図ります。

      それでも話し合いがまとまらない場合には審判手続きに移行し、裁判所が事情を踏まえて分与内容を判断します。

      手続きを円滑に進めるためには、弁護士への相談がおすすめです。費用が気になるときは、法テラスの民事法律扶助制度を利用する方法もあります。収入や資産の条件を満たす場合に、弁護士費用の立替えを受けられる制度です。

      弁護士に相談する

      財産分与で注意したいポイント

      財産分与を円滑に進めるためには、事前に押さえておくべき注意点があります。トラブルを防ぐためにも、事前の準備が大切です。

      財産分与の際、特に注意すべきポイントを解説します。


      裁判になった場合の判断基準を確認しておく

      財産分与は基本的には夫婦の話し合いで決めますが、合意できない場合は家庭裁判所の判断を仰ぐことになります。相手との交渉を有利に進めるため、裁判になった場合にどのような基準で判断されるのかを事前に理解しておくとよいでしょう。

      家庭裁判所では、財産の形成経緯や夫婦それぞれの貢献度などを基準に判断されます。名義だけでなく実質的な取得状況が重視されるため、どのような財産が共有財産に該当するのかを把握しておきましょう。

      これらの判断基準は専門的な知識も必要になるため、状況に応じて弁護士に相談しておくと、適切な対応につながります。

      弁護士に相談する

      財産の隠匿を防ぐため証拠を確保しておく

      財産分与の場面では、相手が預貯金や資産を隠すケースも考えられるため、証拠の確保が重要です。通帳のコピーや給与明細、不動産の登記情報、保険証券など、財産状況がわかる資料は早めに収集しておく必要があります。

      特に、離婚を切り出す前後は資産が移動される可能性もあるため、日頃から記録を残しておくことがトラブル防止に役立ちます。

      合意内容を書面化する

      財産分与の内容について夫婦間で合意ができた場合でも、口頭だけで済ませるのではなく、必ず書面に残すことが大切です。

      合意書や離婚協議書として明文化することで、後日の「言った・言わない」といったトラブルを防止できます。

      さらに、公正証書にしておけば強制執行力を持たせることができ、未払いなどのリスクを軽減できるでしょう。

      財産分与の対象に関するよくある質問(Q&A)

      Q1. .別居後に取得した財産は財産分与の対象になる?

      夫婦関係が実質的に破綻したあとに取得した財産は、分与の対象にならないと判断されることが一般的で、別居がその判断の目安となります。

      ただし、別居していても生活費を共有していた場合など、夫婦の協力関係が継続していると認められるときは、別居中に取得した財産も分与の対象となることがあります。

      Q2. .配偶者に財産を使われた場合はどう対応する?

      配偶者が勝手に財産を使ってしまった場合、浪費や不正な使い込みの場合は、不当利得として返還を請求できる可能性があります(民法703条・704条)。ただし、民法第703条と民法第704条では、受益者が利益を受ける理由がないことを知らなかった場合(善意)か、知っていた場合(悪意)かによって、返還する範囲が異なる点に注意が必要です。

      また、使い込まれた金額を踏まえて、残りの財産の分与方法を調整することも考えられます。

      いずれの場合も、使い込みの事実を示す証拠を確保したうえで、法的根拠に基づいて対応することが重要であり、早めに弁護士へ相談するとよいでしょう。

      参考:e-Gov法令検索「民法」

      Q3. .取得時期が不明な財産は財産分与の対象になる?

      取得時期が不明な財産は、原則として婚姻期間中に形成された可能性が高いと判断され、財産分与の対象となることがあります。

      特に、預貯金や証券などは、明確な証明がない限り共有財産と推定される傾向があります。そのため、どの時点で取得・蓄積されたかを示す資料や記録の有無が重要な判断材料となるでしょう。

      Q4..結婚前の預金・口座が混ざっている場合はどうなる?

      結婚前の預金と婚姻後の収入が同一口座に混在している場合、結婚前の資金部分が明確に特定できないと、実務上は全体が共有財産として扱われることがあります。

      特有財産として除外を主張するためには、通帳・取引履歴を金融機関から取り寄せて、婚姻前の残高を証拠化するなどの対応が必要です。

      Q5..財産分与をしなくていいケースはある?

      必ずしもすべての離婚で財産分与が行われるわけではありません。たとえば、夫婦の共有財産がほとんどない場合や、夫婦間で「財産分与を行わない」と合意した場合には、分与を行わないケースもあります。

      ただし、一方的に不利益となる合意は、無効とされる可能性が高いでしょう。

      財産分与の対象を把握しておこう

      財産分与の対象にならない財産には、結婚前から所有していた資産や相続・贈与によって得た財産、個人的に使用するものなど、一定の明確な基準があります。

      しかし、実際には資金の混在や名義の問題などにより、対象かどうかの判断が難しいケースも少なくありません。そのため、日頃から財産の管理状況を把握し、通帳や契約書などの証拠を整理しておくことが大切です。また、夫婦間での合意内容は必ず書面に残し、将来のトラブルを防ぐ工夫も必要です。

      状況によって判断が分かれる場合もあるため、不安があるときは弁護士など専門家に相談することが、適切かつ公平な解決につながるでしょう。

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