

「家庭内別居は離婚の前兆?」



「夫婦仲を修復するには?」
そう悩む方もいるでしょう。
実は、対応次第で関係改善や円満な同居が可能です。本記事では、家庭内別居が離婚に繋がる理由や防ぐ方法、選択するメリットと注意点を詳しく解説します。


高草木 陽光
これまで9,000人以上のカウンセリングを行い、夫婦問題・家族問題で悩む人を解決に導くお手伝いをする夫婦カウンセラー。
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美容師、育毛カウンセラーを経て、結婚して専業主婦となるが、夫の束縛や価値観の押し付けに違和感を覚え「結婚生活とは何か」ということを深く考え始める。書籍に「なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか」(左右社)、「心が折れそうな夫のためのモラハラ妻解決BOOK」(左右社)、メディア実績にNHK総合「あさイチ」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、テレビ朝日「羽鳥慎一 モーニュングショー」、「ABEMA Prime」などがある。


家庭内別居の定義とは?


夫婦関係が冷え切り、同居しているのに他人のように感じている方もいるのではないでしょうか。
家庭内別居には様々な背景や理由があり、一概に悪い状況とは言い切れません。ここでは、家庭内別居の意味や、そうなりやすい原因について詳しく解説していきます。
家庭内別居の基本的な定義
家庭内別居とは、同じ家に住んでいても夫婦がお互いに距離を置き、別々に生活している状態のことです。寝室を分けたり、ほとんど会話をしなかったり、食事の時間も別々になることがよくあります。一緒に暮らしているのに、まるで他人のように感じる状況です。
家庭内別居の理由はさまざまですが、多くの場合、夫婦間の関係が冷え切っていることが原因です。それでも、すぐに離婚を選ばず家庭内別居を続ける夫婦も少なくありません。
お互いに少し距離を取ることで気持ちを整理する時間を得られるという側面もあります。
家庭内別居が増加している理由
家庭内別居は以前よりも一般的になっています。その背景には、現代の生活スタイルや夫婦の考え方の変化があります。
家庭内別居が増加している理由をまとめると以下のとおりです。
- 現代のライフスタイルの変化
- 離婚を避けたい心理やお金の事情
現代のライフスタイルの変化
忙しい日々の中で、夫婦がすれ違う時間が増えています。仕事や育児に追われていると、相手と話す時間や気持ちに余裕がなくなります。また、趣味やスマホに時間を使うことで、お互いの存在が薄れてしまうこともよくあります。
こうした生活が続くと、自然と相手に対する関心が薄れ、一緒にいるのが疲れると感じるようになることがあります。これが家庭内別居につながる大きな理由の一つです。
離婚を避けたい心理やお金の事情
離婚を選ばず家庭内別居を続ける理由の一つに、夫婦がお互いの負担を減らしたいという心理があります。特に子どもがいる家庭では、家族の形を保つことを優先したいという気持ちが強い傾向があります。子どもの環境を守るために、家庭内別居という選択をする夫婦も多いです。
経済的な負担も家庭内別居を選ぶ大きな理由です。離婚後の生活費や新しい住まいの確保、さらには財産分与の問題を考えると、簡単に離婚を決断することは難しい場合があります。こうした現実的な事情が、家庭内別居を選択させる背景になっているのです。
家庭内別居が離婚につながる主な原因3選


家庭内別居が続くと、夫婦関係の問題がさらに悪化し、離婚に繋がる場合があります。
家庭内別居が離婚に繋がる原因をまとめると以下のとおりです。
- コミュニケーション不足
- 不満やストレスの蓄積
- 信頼関係の喪失
1.コミュニケーション不足
家庭内別居が続くと、会話の機会が極端に減ります。話し合いや感情の共有がないままでは、誤解が積み重なり、関係がさらに冷え込む原因になります。
日常的な会話が減ると、相手の気持ちを知ることもできなくなり、「もう分かり合えない」と感じるようになることが多いです。
2.不満やストレスの蓄積
家庭内別居の状態では、お互いに不満を抱えていても、それを解消する手段が見つからないことがあります。その結果、ストレスが溜まり、相手に対する怒りや諦めの感情が強くなるでしょう。
こうした不満が解消されないままでは、離婚という選択肢が現実味を帯びてくるのも無理はありません。
3.信頼関係の喪失
信頼は夫婦関係の基盤ですが、家庭内別居が長引くと、その信頼が薄れてしまうことがあります。
たとえば、相手の行動に対して不満があったり、浮気の心配が出てきたりすると、心の距離が離れるでしょう。信頼関係が壊れると、夫婦の修復は非常に難しくなり、離婚を考えざるを得ない状況に陥るかもしれません。
家庭内別居からの離婚率と対策


家庭内別居が離婚に繋がるケースは少なくありません。ただし、離婚に至る割合や原因を理解し、対策を知ることで、関係を修復したり、離婚を防げるかもしれません。
ここでは家庭内別居からの離婚率と対策について解説します。
家庭内別居と離婚率の関係
2021年9月21日~9月30日に実施された30歳以上の男女98名に行ったアンケートの結果が、以下のような数値を出しています。
家庭内別居を経験した夫婦のうち、最終的に離婚に至った割合は83%。特に女性の場合、その割合は91%とさらに高く、家庭内別居を継続することで夫婦関係を維持するのがいかに難しいかがわかります。
家庭内別居が続くと、時間とともにお互いの気持ちが離れやすくなり、元の関係に戻るのが難しいのです。この調査結果は、決して夫婦関係が修復できないことを意味するわけではありませんが、何か行動を起こさないと現状が悪化してしまう可能性があることを示しています。
出典元:ノマドマーケティング株式会社|家庭内別居の割合って!?「きっかけ」「期間」「男性・女性の心理」「離婚率」について徹底調査
家庭内別居を選ぶメリットとデメリット


家庭内別居は、夫婦関係が難しい状況にあるときに取られる一つの選択肢です。ただし、その選択にはメリットもデメリットあります。
ここでは、家庭内別居のメリットとデメリットを分かりやすく解説します。
家庭内別居のメリット
家庭内別居には、離婚を避けるための一時的な対策や、冷静に状況を整理する時間を持てるというメリットがあります。
具体的なメリットは以下のとおりです。
- ストレスを軽減し、冷静になれる
- 子どもへの影響を最小限に抑えられる
ストレスを軽減し、冷静になれる
関係が悪化した状態で一緒に生活を続けることは、精神的な負担が大きいです。家庭内別居をすることで、お互いに少し距離を置き、衝突を避けられます。
その結果、冷静に状況を考え直す時間を確保できるでしょう。
子どもへの影響を最小限に抑えられる
離婚が子どもに与える影響を心配する方も多いでしょう。家庭内別居を選ぶことで、表面的には家族の形を保つことができ、子どもの生活環境を大きく変えずに済みます。
子どもにとって安心できる環境を守る一つの方法として家庭内別居を考える方もいます。
家庭内別居のデメリット
家庭内別居にはデメリットもあります。早めに対策を取らなければ、関係がさらに悪化したり、経済的な負担が増えたりする可能性もあるのです。
家庭内別居のデメリットは以下のとおりです。
- 関係がさらに悪化するリスクがある
- 経済的な負担が増える
関係がさらに悪化するリスクがある
距離を置くことで関係を修復するきっかけを得られる一方で、そのまま放置してしまうとお互いの気持ちがさらに冷めてしまうこともあります。
別々に暮らしている方が楽、と感じてしまうと、修復の可能性がどんどん薄れてしまうのです。
経済的な負担が増える
家庭内別居中は、生活費が別々になることも多く、夫婦の収入や支出の管理が難しくなります。また、同じ家に住んでいても、別々の生活を維持するために費用がかさむことも少なくありません。
これが長期化すると、経済的なストレスが増してしまいます。



離婚や別居ではなく、“家庭内別居”を選択するメリットは「子供の環境を変えずに生活できる」ということと「経済的な面での負担が減る」という2つが大きなポイントだと言えます。その他「世間体」や「仕事上の都合」など理由は様々です。
またデメリットとしては、険悪な者同士同じ空間で生活することで「自分らしさを発揮できない」「笑顔になれない」など。そして、険悪な雰囲気を感じながら生活する「子どもへの悪影響」です。


家庭内別居から夫婦関係を修復するための方法


家庭内別居が続くと、夫婦関係の修復が困難に感じられるかもしれません。しかし、行動次第で関係を改善できる可能性は十分にあります。
ここでは、家庭内別居中にできる具体的な修復方法を紹介します。
家庭内別居中にできる関係修復の具体策
家庭内別居の状態にあるとき、何をしたらいいのか分からないと感じる方も多いでしょう。相手との関係が冷え切っていると、修復の一歩を踏み出すのが怖くなることもあります。しかし、少しずつでも行動を変えることで、関係修復につながるかもしれません。
今すぐできる具体的な方法は以下のとおりです。
- 適切なコミュニケーションを見つける
- 共通の目標を再確認する
適切なコミュニケーションを見つける
家庭内別居が続くと、相手と話をするのが怖くなったり、疲れてしまうこともあります。それでも、少しずつでもコミュニケーションを増やすことが大切です。
無理に深い話をする必要はありません。「お疲れさま」や「ありがとう」など、日常の中で簡単に伝えられる言葉から始めてみましょう。
共通の目標を再確認する
夫婦が一緒にいる理由を改めて考えることも大切です。たとえば、子どもの成長や家族の未来について話し合うことで、共通の目標を持てるかもしれません。目標が見つかれば、自然と協力し合うきっかけになります。
専門家への相談の重要性
夫婦間の問題が複雑で、解決の糸口が見えない場合は、専門家の力を借りることをおすすめします。心理カウンセラーは、第三者の視点から客観的に問題を見つけ、解決策を提案してくれるはずです。
専門家に相談することで、話しづらい気持ちを整理することができ、自分たちの感情を冷静に見つめ直すきっかけになります。お互いに感情的になりすぎている場合には特に効果的です。
家庭内別居中に避けるべき行動
関係を修復するためには、やってはいけないこともあります。たとえば、相手を責めたり、怒りや不満を一方的にぶつけるのは逆効果です。特に、子どもの前で夫婦の対立を見せることは避けましょう。子どもにとって安心できる環境を守ることも、夫婦関係を修復する第一歩になります。
また、感情的になりすぎず、冷静さを保つことが大切です。一度の失敗で諦めず、小さな一歩を積み重ねていくことが関係修復の鍵です。
家庭内別居を乗り越えるために今できることとは?


いかがでしょうか。
本記事のポイントをまとめると以下のとおりです。
- 家庭内別居を理解し、現状を把握する
- 夫婦間のコミュニケーションの改善を図る
- 夫婦で共通の目標を持つ
- 専門家への相談を検討する
- 家庭内別居のメリットとデメリットを理解する
夫婦関係は一夜にして修復することは難しいかもしれません。しかし、日々の中でお互いを思いやる行動を積み重ねることで、少しずつ関係を改善できるでしょう。
本記事で紹介した方法をぜひ参考に、今日からできることに取り組んでみてください。