夫婦喧嘩が絶えない理由と仲直りの方法｜子供への影響は？離婚すべきなの？

結婚生活も長くなると、大きな夫婦喧嘩の一つや二つはあるものです。「雨降って地固まる」のことわざ通り、喧嘩することで互いをよく知り、円満に過ごすコツを身に付けることもあるでしょう。しかし、あまりに喧嘩の頻度が多く、仲直りもなかなかできないため、しだいに夫婦仲が悪化していく夫婦もあります。

夫婦喧嘩が絶えないと、どちらも「もう疲れた」と感じ、「離婚したほうがいいのかもしれない」と悩むようになるかもしれません。子供にこれ以上、夫婦喧嘩の姿を見せたくないと考える人もいるでしょう。

なぜ、夫婦喧嘩が絶えない夫婦がいるのでしょうか。夫婦喧嘩が絶えない理由と、互いが気持ちよく仲直りする方法をカウンセラーが紹介します。離婚を考えるべき状況についても説明しますので、離婚を考える前に、もう一度夫婦関係を見直してみましょう。

夫婦喧嘩の原因は、日常生活のルールや子供の教育、ささいな言葉の行き違いなどさまざまです。しかし、同じ出来事が起きても、喧嘩にならない夫婦と大喧嘩に発展してしまう夫婦がいるのも確かです。喧嘩になる頻度が高い夫婦は、どのような理由から、すぐに喧嘩になってしまうのでしょうか。よくある理由を紹介します。

すぐに喧嘩になってしまう夫婦は、普段から互いに不満を抱えている可能性があります。不満を感じても、すぐに相手に伝え、相手もすぐに応じてくれればいいのですが、相手に言えなかったり、言っても聞いてもらえなかったりすると、しだいに不満やストレスが溜まっていきます。

こうした不満は、何かをきっかけに一気に噴き出すことがあり、それが原因で喧嘩に発展するのです。相手が急に怒り出し「ほんのささいなことなのに、どうしてあんなに怒るのだろう」と思うときは、それまでの不満が爆発したのかもしれません。もし、互いに不満を抱えている場合は、売り言葉に買い言葉の大喧嘩になる可能性もあるでしょう。

若い新婚の頃は、相手に多少の不満があっても相手を思いやり、相手を許す余裕があります。喧嘩をしても素直に謝罪もでき、仲直りも早いでしょう。しかし、年齢が上がるにつれて仕事の責任も重くなり、子供ができると、育児や家事で毎日忙しくなっていきます。そうなると、互いに忙しく、相手を思いやる余裕がだんだん失われていきます。

時間的に余裕がなくなれば、夫婦間のコミュニケーションも希薄になり、相手の気持ちもわからなくなっていきます。忙しさでストレスも溜まっていることでしょう。こんなとき、ついつい相手を非難したり、不満をぶつけてしまったりしがちです。そして、互いのイライラに火がついて、喧嘩になってしまうのです。

喧嘩した後、どちらかが「自分が悪かった」と反省して行動を改めるなどすれば、同じことで喧嘩になることはありません。しかし、どちらも「自分に非はない」と考えている場合、また同じことで喧嘩になる可能性があります。しかも、どちらも間違っていないと思っているので、何も解決せず、ただ自分の考えや気持ちを主張するだけです。

こうした喧嘩は何度繰り返しても、事態が好転することはなく、ただ相手への不信感が募るだけです。喧嘩をするたび、感情もエスカレートしていくでしょう。喧嘩がひとまず収まっても感情的なしこりが残り、夫婦間のコミュニケーションもうまくいかなくなっていきます。

夫婦とは言っても、もともとは他人なので多少の価値観や考え方の違いがあり、それがもとで喧嘩になることがあります。しかし、価値観や考え方があまりに違い過ぎると、何かあるごとに衝突を繰り返してしまいます。こうした喧嘩も解決は難しく、夫婦喧嘩が絶えない理由となるのです。

価値観や考え方は簡単に変えられないものなので、特に相手の価値観を受け入れられない場合、相手に否定的な感情を抱きがちで、嫌悪感を覚えるようになることもあります。そうなると、本人にとっては十分、離婚して別れる理由となってしまいます。

夫婦喧嘩をしても、うまく円満に終わらせられれば、同じことで喧嘩を繰り返すこともなくなります。そうすれば、夫婦喧嘩が絶えないということもなくなるでしょう。夫婦喧嘩をしても、後を引かない上手な終わらせ方を紹介します。

喧嘩をしたときは、お互いに感情的になっています。とりあえずは互いに冷静になりましょう。冷静にならなければ、落ち着いた話し合いもできません。「少し考えさせて」などと言って、いったんその場を離れるのが一般的な方法です。距離を置くことでクールダウンできるでしょう。

もし、相手が「逃げるのか」などと言ったら、相当に興奮している状態です。そのまま、話し合っても意味がないので、とりあえずは、相手にも落ち着くよう求め、互いが冷静になる方法を考えましょう。一度座って、お茶などで一服するのも良い方法です。気持ちが落ち着いたら、ゆっくり喧嘩の原因は何だったのか、振り返ってみましょう。

夫婦喧嘩の後、仲直りするには、まずどちらからか歩み寄るしかありません。自分に非があれば心から謝罪すべきですが、そうでなければ「怒ってごめんなさい」「大声を出してごめんなさい」ととりあえず、感情的になったことだけ謝りましょう。それによって相手の態度も和らぐかもしれません。

プライドの高い人は、たとえ自分が悪いと思っていても、自分からは謝れないものです。特に自分だけが一方的に悪かったという形になるのは耐えられません。そうした相手に対しては、自分から謝ることで「互いに悪かった」という形にしてあげることも大切です。お互いに謝れば、感情的なしこりが残ることもなくなるでしょう。

喧嘩の後、互いに落ち着いて自分の非を認め合ったら、冷静に話し合いをしてみましょう。感情的なままでは一向に解決しない問題も、冷静に筋道を立てて考えれば、解決できることがあります。

話し合いをするときは、相手の話を決して否定せず、相手の考えを尊重し理解するよう努めましょう。冷静になって相手の話を聞くと、相手の言い分にも一理あることがわかります。そして、うまく折り合うにはどうすればいいのかを2人で考えます。そうすれば、解決策が見つかるだけでなく、コミュニケーション不足も解消されるでしょう。

喧嘩を長引かせたくないのなら、できるだけ早く、仲直りしたいという気持ちを相手に伝えましょう。妻であれば、夫の好きな料理を作るとか、夫であれば会社帰りに妻の好物を買って帰るといったことで十分です。もちろん、夫が「この間のお詫びに、今日は僕が君の好きな料理を作るよ」と言えば、妻は喜んでくれるでしょう。

普段から「一緒に出掛ける」など仲直りしたいときの約束事を決めておくのも、良い方法です。「今日は一緒に出掛けようか」と言えば、仲直りしたいというサインになり、スムーズにお互いの気持ちを確かめることができます。そうして、感情的に引きずらなければ、夫婦喧嘩が絶えないということもなくなります。

夫婦喧嘩が絶えない夫婦は、喧嘩をしているときにしてはいけないNG行動をしている可能性があります。喧嘩中のNG行動は、相手の感情を逆なでし、事態をこじらせてしまいます。もちろん、感情的なしこりも残って、夫婦喧嘩を繰り返す要因にもなります。そうしたNG行動を４つ紹介します。

喧嘩中は感情的になり、「もう二度と口をききたくない」とつい考えてしまいます。しかし、相手を無視するというのは、精神的な嫌がらせにつながりかねない行為で、相手を心を深く傷つけることがあります。いじめやモラハラでも「相手を無視する」という嫌がらせはよく見られます。

相手を無視すると、謝ろうと思っていた相手も気分を害してしまい、仲直りのきっかけを失ってしまうかもしれません。たとえば、喧嘩中であっても最低限の挨拶は欠かさないようにしましょう。挨拶をすることで、気持ちが和らぐこともあります。

喧嘩をしたときに、過去の話を持ち出して相手を責める人がいますが、夫婦喧嘩でこれはNGです。喧嘩で過去の話を持ち出すのは、相手の過去の失敗を責めて自分が優位に立つのが目的です。これを互いにやってしまうと、一体何の話をしていたのかわからなくなり、収拾がつかなくなります。

そもそも、相手より優位に立って問題を解決しようとするのは、相手を見下す態度です。そのような態度では、自分のプライドを保つために喧嘩をしたり、仲直りを拒んだりするようになります。相手の考えを尊重し、敬意を払う姿勢がなければ、夫婦仲を円満には保てません。

喧嘩をしたときに、相手の考えや意見に対して理詰めで反論し、相手を追い込んで自分の意見を通そうとする人がいます。しかし、それがうまくいっても、ただ相手をやりこめただけで、解決にはなりません。相手にも感情的なしこりが残るでしょう。

話し合いをするときは、相手の意見をよく聞き、聞くべき部分は取り入れるという姿勢が必要です。夫婦喧嘩は「勝った。負けた」ではありません。互いの価値観や意見の違いを確認し、互いが納得できる解決策を考える機会だととらえましょう。

喧嘩のたびに「もう別れる」「離婚したい」などと言う人がいますが、これももちろんNGです。相手に、離婚を盾に要求を突き付けていると受け止められますし、何度も「離婚だ」と繰り返されると、相手もうんざりしてきます。

「別れる」と言っているうちは、感情的になっている証拠で、話し合いをしても意味がありません。それに、何度も「離婚だ」と聞かされるうちに、相手も「離婚するしかないか」と思い始めるかもしれません。「別れる、離婚だ」と繰り返しているようでは、夫婦関係の修復も難しいでしょう。

夫婦喧嘩が絶えず、結婚生活を続けて行くのが我慢できなくなったら、離婚を考えるべきなのでしょうか。夫婦の間にはさまざまな事情があり、一概には言えませんが、離婚も検討したほうがよいと思われるケースを３つ紹介します。

夫婦喧嘩が絶えず、ほとんど口をきかなくなったり、家庭内別居の状態になっていたりする場合は、夫婦の間の信頼関係も損なわれ、修復はかなり困難な状況かもしれません。そのまま、二人で同居し続けても、不満やストレスが溜まり続けるだけです。そうした状況は、精神衛生上もよくありません。

相手が離婚に合意しない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てたり、裁判を起こしたりしても、離婚は難しい可能性があります。しかし、相手が合意さえすれば離婚できますから、一度話し合う機会も設けてみるといいでしょう。

夫婦喧嘩が絶えないと、しだいに喧嘩の内容もエスカレートし、どちらかが暴力を振るい始めることがあります。やがて暴力が日常化していくかもしれません。そうなると、一刻も早く逃げ出し、離婚したほうがいいケースもあります。

暴力を振るわれたら、病院で診断書を取るなど、証拠を残しておくことも必要です。暴力の程度や頻度によっては、相手が離婚に応じなくても、DVを理由に裁判で離婚が認められる可能性があります。離婚を考えたら、弁護士に相談しましょう。

夫婦喧嘩が絶えないため、家庭内の雰囲気が悪く、子供への悪影響が懸念される場合も、離婚を検討したほうがいいでしょう。両親が喧嘩する様子を目の当たりにするのは、子供にとってつらい経験で、心理的な虐待にもあたります。このような環境に子供を置いておくのは望ましくなく、離婚を検討することも必要でしょう。

離婚する場合は、子供の親権や養育費を巡って、争いになる可能性もあります。子供にとって一番良い選択ができるよう、弁護士にも相談しながら慎重に検討しましょう。

多少の夫婦喧嘩は避けられないものですが、お互いの気持ちを理解し、協力しあうことで喧嘩の数を減らしたり、さらに良い関係を築くきっかけにしたりできます。しかし、対応を誤ると、感情的なしこりが残り、夫婦関係の亀裂を招きます。

離婚を検討するときは、不利な条件で離婚に応じて後悔しないよう弁護士にしっかり相談してください。夫婦喧嘩が絶えないため、この先の夫婦生活が不安で、子供への悪影響も心配だというときは、夫婦関係に詳しいリコ活のカウンセラーに相談してアドバイスを受けるといいでしょう。