「旦那が低収入でお金がない」と悩む妻がいます。妻が節約に励んでいるのに、浪費をする夫もいて妻のイライラは募るばかり。結婚を後悔して、みじめな気持ちになる妻もいるでしょう。「旦那が低収入」とイライラしたときの対処法や、お金がない夫と離婚できるのかを解説します。
低収入でお金がない旦那にイライラ…
日本の平均年収は過去30年間ほぼ変わらないと言われます。多くの家庭では、子供が生まれ、成長するにつれて毎月の生活費も増えていくはずで、年収が増えなければ生活は苦しくなっていきます。また、非正規雇用の労働者も増えて、収入が低く抑えられたままの人も少なくありません。「旦那が低収入でお金がない」と悩んでいる妻も多いことでしょう。
結婚3年目ですが、生活が毎月カツカツで苦しく、旦那と結婚した事を
少し後悔し始めています…。
旦那も私も働いていますが、
世帯年収は300万丁度くらいです。
毎月毎月カツカツで、子作りどころではありません。
私は結婚前、整形外科医の元カレと付き合っていました。
プロポーズされましたが、プライドが高く、女を容姿でしか見ない元カレに愛情が冷めていたため断りました。
その後、同じ職場だった今の旦那の人柄に惚れ、付き合い、結婚しました。
旦那は収入は低いですが、とても優しく、貧しい両親のために少ない給料から仕送りをしたり、本当に性格が良いのです。
そこに魅力を感じ結婚しましたが、
今更後悔し始めています。
やはりお金がないと辛い。
きつい。
毎日泣いてしまいます。
旦那の給料が少なく、正直結婚した事を後悔しています。できちゃった婚ではなく、好きで結婚したのですが。
今は結婚2年目で一才の息子が1人います。タバコもギャンブルも女関係も一切なく良き旦那、良き父親です。
傍から見たら幸せな家庭だと思います。
でも一言で言うと義両親、旦那共に甲斐性なしです。
お金が全てではないのはわかっていますし、旦那にはお金で買えない良い所がたくさんあるのも充分わかっています。
ただ、お金があれば、ケンカにならない事や、解決する事があるのは事実です。
最近、このままでは息子の将来の学費や結婚する時に必要なお金(先の話ですが)、夢のマイホーム、二人目を産み育てる事は厳しいのではないかと毎日が不安です。
恋人時代や新婚の頃は「少しくらいお金がなくたって」と思っていても、しだいにお金がないつらさや不安、生活の苦しさなどを実感していくものです。「旦那が低収入でお金がない」とイライラしたときの対処法や、低収入でお金がないことを理由に離婚できるのかを解説します。
低収入でお金がない旦那にイライラする理由
「旦那が低収入でお金がない」とイライラしている妻も、結婚当初から夫の収入が低いことはある程度予想していたのではないでしょうか。「高収入に引かれて結婚したのに、転職や独立でいきなり低収入になった」というケースもありますが、それほど多くはないでしょう。
ある程度、低収入は予測していたはずなのに、なぜ後からイライラしてしまうのでしょうか。妻が夫の収入にイライラしてしまう理由や心理を紹介します。
好きなものが買えない
収入が低いことはある程度覚悟していても、実際に生活してみると、気兼ねなく買い物できないことにもどかしさを感じてしまうものです。せっかく買い物に出かけても値段を気にして何も買えなかったり、SNSで話題の商品を見つけたのに、高くて手が出せなかったりといったことが続くと、つい、「お金があれば好きな物が買えるのに」と思ってしまいます。
独身時代には自由に使えるお金があって、値段を気にせず自分の好きな物を買えた女性などは、いつまでも続く節約生活に不満がたまり、イライラしてしまうこともあるでしょう。
旅行やレジャーができない
子供ができると、家族で旅行やレジャーに出かけ、子供の喜ぶ顔を見たくなるものです。もちろん、妻も息抜きができ、ストレス解消にもなります。しかし、お金がなければ、遠出をしたり、人気のテーマパークを訪れたりすることがなかなかできません。
子供の友達やママ友から旅行の話を聞いて、うらやましく思うこともあるでしょう。「たまには旅行をして家族の思い出を作りたい」という気持ちから、夫の低収入をうらめしく思うことがあります。
子供の学費や塾代を払えない
最近は、国や自治体の子育て支援策も増えてきましたが、まだまだ子育てにはお金がかかります。子育て支援策によって、ますます塾や習い事にお金をかけられるようになる家庭もあり、子供の学費を支払うのがやっとの家庭は「うちの子にも、もっとお金をかけられたら」と思うこともあるでしょう。
2人目、3人目の子供がほしくても、教育費を考えてあきらめなくてはならないことがあり、妻は「旦那にもっと稼いでくれたら」と恨めしく思ってしまいます。
貯金ができない
夫が低収入だと、節約しても毎月の生活がギリギリで貯金もできないことがあります。毎月、収支トントンだったり、赤字になったりといった生活では、いざというときの蓄えがなく、家電が壊れたり、家族の誰かがけがをしたりすると、お金の捻出に頭を悩ませることになってしまいます。
「もし、思いがけない出費があれば」という不安があると、どうしても気分は沈みがちでストレスもたまります。それなのに、あまり家計のことを気にしていない夫の姿を見ると、ついイライラしてしまいます。
節約することにみじめさを感じる
夫が低収入でお金がないと、日々の生活で節約を考えざるを得ません。できるだけ安い商品を選んで買い、電気代や水道代も気にする生活を続けていると、嫌気がさしてくる妻もいます。節約が苦手な人もいますし、思っていたほど節約ができずに悩んでしまう人もいます。
節約が苦手な人は、つい他人と自分を比較して、「あの人はあんなに贅沢をしているのに、自分は…」と考えてしまうことがあります。そして、他人を羨む気持ちから、節約にあれこれ頭を巡らす自分をみじめだと感じてしまう人もいます。
低収入の旦那が偉そうに振る舞う
妻が節約をしてなんとか家計を維持しているのに、外でお酒を飲んできたり、同僚におごったりと浪費をやめない夫がいます。極端なケースでは、定職に就かず、お金を稼げないにもかかわらず、家では偉そうにして、家事の手伝いさえしない夫もいます。こうした夫には、妻も「低収入なのに、何を考えているの」と憤りを覚えます。
夫にも言い分や理由があるのかもしれませんが、お金を稼げないのに、偉そうにさえれても妻は迷惑なだけです。「お金を家計に入れられないのなら、せめて家事くらいすればいいのに」と考え、「結婚するんじゃなかった」と後悔するかもしれません。こうなると、夫の顔を見るたびにイライラしてしまいます。
将来や老後に不安を感じる
若いときは、多少無理をしてなんとかお金を工面することもできますが、年を取るとそうはいかなくなります。老後のことを考えると、なんらかの形で資産を作っていかなければならないのですが、お金がないとなかなか、そうした余裕はできません。
年齢が上がるにつれて、賃金も上がっていた時代なら、あまり将来への不安を感じることもなかったのですが、最近は賃金もあまり上がりません。そのうえ、夫が退職金もない仕事に就いていれば、将来や老後への不安は募るばかり。夫に相談しても、真剣に考えてもらえないと、妻のイライラは最高潮に達してしまいます。
低収入でお金がない旦那へのイライラを解消するには?
「旦那が低収入でお金がない」と嘆いてばかりでは、イライラが募り、精神衛生上もよくありません。なんとか手を打ち、少しでも希望を見つけて不安を和らげ、イライラをなくしていきましょう。不安やイライラを解消するための対処法を紹介します。
旦那と家計や将来設計について話し合う
低収入の夫は、妻が家計のやりくりに困っているのを、どれだけ理解しているのでしょうか。夫は「妻はいつも、お金がないと大げさに言っている」くらいにしか思っていないこともあります。まずは、夫に家計の収支について話し、現状を理解してもらいましょう。そして、家計のあり方や将来設計について話し合います。
話し合いをするときは、夫を責めたり批判してはいけません。夫も夫なりに懸命に働いてくれているはずですから。感謝の気持ちはわすれないようにしましょう。話し合いをすれば、夫の考えも分かります。夫なりに対策を考えているかもしれませんので、夫の話もよく聞いてみましょう。
家計を見直し節約を楽しむ
節約ばかり考えて生活していると、気が滅入り、みじめな気持ちになる人もいます。しかし、節約は恥ずかしいことではありません。工夫を凝らしてお金をかけずに豊かな生活を送るのが節約です。節約生活を楽しみましょう。
まずは、一カ月の家計を見直して、毎月の支出を減らせないか考えてみましょう。携帯電話代などは、使っていないサービスや有料コンテンツを解約することで、費用を抑えられる可能性があります。食費や光熱費も工夫次第で、減らせるかもしれません。
日々の買い物でも、特売品を選び、いかに安くておいしい物を食卓に並べるか、妻の腕の見せどころです。そうやって、節約が習慣化していけば、いかに毎月、お金を浮かせるかゲーム感覚で楽しめるようにもなっていきます。節約すれば、少しずつ貯金も増えていくはずで、目標額を決めると、さらにやりがいが出てくるでしょう。
妻の収入を増やす
「旦那の低収入でお金がない」と嘆くだけでなく、妻も収入を増やす方法を考えてみましょう。妻が正社員やパートとして働く方法もありますが、最近はネットを使ってお金を稼ぐ方法もあります。手芸の趣味があれば、自分の作品をフリーマーケットで売ることができますし、イラストが得意なら簡単なイラストの仕事を請け負うこともできます。
在宅勤務も珍しくなりましたから、在宅でできる仕事を求人サイトで探したり、求人のマッチングサイトに登録したりしてみましょう。自分の特技を生かせる仕事が見つかるかもしれません。
低収入でお金がない旦那とは離婚した方が良い?
「低収入でお金がない旦那とは離婚したい」と考える妻もいるでしょう。いくら好きな相手が一緒でも、お金のない生活には耐えられないという人もいます。しかし、「低収入でお金がない」という理由で離婚できるのでしょうか。
低収入の夫と離婚できるケースや、離婚を検討する際、考えなければならないポイントなどについて解説します。
低収入でお金がないことを理由に離婚できる?
低収入でお金がない夫と離婚したいと思ったとき、話し合いの結果、夫も離婚に同意してくれれば離婚は可能です。夫も、お金がなくて妻が悩んでいる姿を見て、離婚も仕方がないと思っているかもしれません。このように話し合いで離婚することを協議離婚といいます。離婚で最も多いのが協議離婚で、離婚の理由を問われることもありません。
ただ、夫が「離婚はしたくない。収入はどうにかするので別れたくない」などと言った場合は、すぐには離婚できません。また、離婚には応じるものの、財産分与などの条件をめぐって話し合いがつかないこともあります。そのときは離婚を求めて話し合いを続けるか、法的な手続きに基づいて離婚を求めていくしかありません。
離婚の合意を得られないときは調停という手も
夫が離婚に反対したり、離婚には同意してもらえても条件で折り合えなかったりした場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。調停とは裁判所の調停委員を介した話し合いで、調停委員が双方の意見を聞き、言い分を整理して合意を目指します。しかし、合意できる見込みがないときは調停不調として打ち切られてしまいます。
調停が打ち切られると、再び夫との間で協議離婚を目指して話し合うか、離婚裁判を起こして裁判所に離婚を求めることになります。裁判で認められれば、相手の合意がなくても離婚が可能です。
お金がない事情によっては離婚できることも
離婚裁判を起こすには条件があり、離婚調停の後にしか起こせません。また、民法で定められた「離婚事由」がなければ、裁判を起こしても離婚は認められません。離婚事由とは、次の5つの事情です。
・配偶者が浮気や不倫(不貞行為)をした
・一方的な別居や生活費の不払いなど配偶者の悪意で遺棄された(悪意の遺棄)
・配偶者の生死が不明で3年以上経つ
・配偶者が重症の精神病で治る見込みがない
・婚姻を継続しがたい重大な事由がある
ただ、「旦那が低収入でお金がない」と言う理由は、離婚事由には含まれません。ほかに浮気やDV、生活費を全く家に入れないなどの理由がなければ、多くの場合、離婚事由があるとは認められないでしょう。
しかし、正当な理由がないのに転職を繰り返したり、会社でも問題行動が原因で解雇されたりして収入が低い場合や、解雇自体はやむを得ないことであるとしても、その後、正当な理由なく求職活動をしない場合、自身の浪費や浪費やギャンブルなどの借金があって、収入を家計に回せないといった場合は「悪意の遺棄」や「婚姻を継続しがたい重大な事由がある」に当てはまる可能性があります。それによって夫婦仲が修復困難だと判断されれば離婚が認められるかもしれません。
低収入でお金がない旦那と離婚したほうが幸せ?
収入が低くお金がない理由や、夫婦間のトラブルの内容によっては、夫の合意がなくても裁判で離婚できることもあります。しかし、「収入がないから」と夫と離婚しても、自分の生活が良くなるとは限りません。離婚したところで、収入が増える見込みはないのですから、離婚すべきかどうか、よく考えることが大切です。
低収入で、お金もないのですから、財産分与はあまり期待できませんし、たとえ慰謝料や養育費が認められても、払ってもらえるかどうか疑問です。結局、自分が働かなければならないのなら、離婚をしてもしなくても同じかもしれません。夫の収入が今後増えていく望みがあるのなら、結婚生活を続けたほうが得策という考え方もあるでしょう。
低収入でお金がない旦那に悩んだら専門家に相談を
夫が低収入でお金がないと、生活の苦しさから離婚を考えてしまうこともあります。しかし、夫に問題行動があったり、定職もなくふらふらしていたりしているのではなければ、離婚は思い留まったほうがよいのではないでしょうか。2人で力を合わせれば、苦しい時期を乗り越えられる可能性があります。
どうしても悪い方向にしか物事を考えられないときは、心が疲れているのかもしれません。夫婦関係に詳しいカウンセラーに解決法を相談すると、前向きになれるアドバイスを受けらえる可能性があります。激しく気分が落ち込んでいるときは、専門医の診察を受けることも大切です。本当に離婚を考えたときは、離婚は可能なのか、弁護士に相談するといいでしょう。
塚本 亜里沙/東京山手法律事務所(第一東京弁護士会所属)
20年以上の経験を持つ弁護士。
弁護士が行うリーガルカウンセリングもカウンセリングの一種であり、カウンセリング能力の向上は不可欠であると考え、日本メンタルヘルス協会基礎心理カウンセラー・(一財)日本能力開発推進協会家族療法カウンセラー・アンガーコントロールスペシャリスト取得。
夫婦関係・離婚のお悩みに真摯に向き合い、幸せな離婚に向けた解決をモットーに全力を尽くしている。