結婚したばかりなのに、1、2年や数カ月でスピード離婚してしまう夫婦がいます。新婚旅行で相手に幻滅し、そのまま別れてしまうという意味で「成田離婚」などということもあります。どうして、そんなに早く別れてしまうのでしょうか。成田離婚の原因と対策を紹介します。
新婚旅行から帰国したら離婚?成田離婚とは
新婚旅行先で喧嘩をする夫婦は珍しくありません。初めての海外旅行だとトラブルも多く、それまで知らなかった意外な一面を見てしまうこともあります。それで「頼もしい」「意外とかわいい」などと好感度が上がればいいのですが、中には「幻滅した」「愛情が冷めた」などというケースもあり、そのまま離婚してしまう夫婦もいるようです。
このように海外旅行で不仲になり、そのまま離婚するようなスピード離婚を、国際便が中心の成田空港にかけて「成田離婚」とも言います。どうして成田離婚をしてしまうのか、その原因と、離婚を回避する対策を紹介します。
成田離婚とは
成田離婚という言葉ができたのは、1990年頃のことです。当時は国際便は「成田」、国内線は「羽田」という役割分担がされていた時代で、関西空港の開港もまだでしたから、海外旅行に行く人の多くは成田空港から出発していました。このため、新婚旅行から帰国した成田空港で離婚を決意するという意味で「成田離婚」と言われるようになりました。
当時は「成田離婚」というドラマも作られるほどの流行語でした。しかし、今は国際便が発着する空港が増えたこともあって、あまりピンとこなくなったのか、ほとんど使われなくなりました。もう少し幅広い意味で、スピード離婚と言われることのほうが多いようです。関西では同じ意味で「関空離婚」などと言うこともあります。
スピード離婚は多い?
ただ、成田離婚という言葉が使われなくなったからといって、スピード離婚が減っているわけではありません。厚生労働省は毎月、人口動態統計をまとめており、人口のほか、結婚数や離婚数についても発表しています。
離婚統計データ
年 1年未満で離婚した夫婦の数 離婚した夫婦の数 1年未満で離婚した割合 1985年 12,656 166,640 7.5% 1995年 14,893 199,016 7.5% 2005年 16,558 261,917 6.3% 2015年 13,865 226,238 6.1% 2020年 10,973 193,253 5.6% 2022年 8,971 179,096 5.0%
出典: 厚生労働省
1年間の月報をまとめた年報によると、2022年の1年間で離婚した夫婦の数は全体で17万9096組。そのうち1年未満で離婚した夫婦は8971組で、全体の5.0%でした。約40年前の1985年に比べると、件数も減少し、割合も小さくなっていますが、それでも、今も一定数の夫婦がスピード離婚していることがわかります。
成田離婚・スピード離婚になってしまう原因【体験談】
成田離婚やスピード離婚を経験した人は、どのような理由やきっかけで離婚することになったのでしょうか。よくある理由を体験談とともに紹介します。
相手の頼りなさにがっかりした
日本国内では自信に満ちあふれた顔をしているのに、海外に行った途端、言葉や環境の変化から自信を失い思うように行動できない人は少なくありません。特に男性にそうした傾向が見られます。
こうした海外に慣れていない夫と、旅行の経験が豊富な妻が海外に新婚旅行に行くと、夫の頼りなさに妻がうんざりすることがあります。また、トラブルに対してうろうろするだけの夫に「こんな人だとは思わなかった」と感じることもあるでしょう。海外に出かけると、その人の意外な本質が現れるものです。
私は結婚後に海外旅行に行きましたが、ドン引きでした。
中国に返還前の香港にいったのですが、ホテルから一歩も出ない。
夕食は自由だったのですが、香港での食事が口に合わないと文句を言い(自分で決めた国なのに)結局はマクドナルドで食事しました。買い物もすべて私が現地の方と話し。。。うんざりで後半はむすっとしていたら「楽しそうじゃない。感謝がない。旅行なんてこなければ良かったな」と言われましたね。
すぐには離婚しませんでしたが、本質というか。。。慣れない異国での立ち振る舞いが今思い起こせばすべてその後の結婚生活に出てましたね。。。
お金の価値観が合わなかった
海外旅行に行くと、食事や買い物のなかで、互いの金銭感覚の違いに気付くことがあります。お互いに我慢できる範囲ならいいのですが、中には「せっかくの旅行だからショッピングもしたいし、お土産も買いたい」「旅行とはいっても、できるだけ節約したい」と意見が分かれ、夫婦仲まで険悪になってしまうケースもあります。
金銭感覚が違うと、どうしても意見がぶつかりがちです。中には「新婚のうちから、こんなに金銭感覚が違うのなら、この先もやっていく自信がない」と離婚を決意する人もいます。
海外へハネムーンに行きました。
カードは一切使わず、二人で30万円(話し合わずとも一人15万円の予定で。)のお小遣いを持って行きました。
現地2日目の事でした。
ショッピング好きの私がお土産を買っていたのですが…
ホテルに着いたら彼が『お金、きっちり分けない?』と言い出し、その場で15万円ずつになるように折半。
その時に、私が購入した際のレシートをチェック、小銭にまで分けられました。その夜のディナー、支払いの際に『僕は小銭(日本円でいう千円札)がないから』と支払いを拒否され、
ドン引きした記憶があります。
それ以降、愛し合う気持ちにすらなれず、なにもなく、そのまま帰国しました(笑)
しかももう今となっては彼は『元旦那さん』です(笑)
相手の自分勝手な行動に幻滅した
新婚旅行は夫婦になってから初めての2人の旅行のはずです。多くのカップルは2人で協力して楽しい思い出を作ろうと考えますが、中には自分一人だけで楽しんでしまう人がいます。自分ばかりあれこれと気ままに楽しむ夫や妻の横で、自分のしたいことはさせてもらえず相手に付き合ってばかりだと、今後の結婚生活に不安を抱くこともあるでしょう。
自分の家族へのお土産選びばかりに夢中で、相手への思いやりがない配偶者に幻滅すると、旅行中に結婚への後悔の念が湧いてくるかもしれません。
新婚旅行が全く楽しくありませんでした。離婚の理由になりますか?
一体なにをしに新婚旅行に来たのかわかりません。
どこの夫婦もあることなのでしょうか?
5泊7日でハワイに新婚旅行に行きました。
結果として来なければよかったと思うほど後悔しています。
理由としては、
・ 妻がお土産を買うことばかりに気持ちがいってしまい、誰に配るか、いつ渡すのかわからない化粧品やお菓子を5万円以上購入したこと。
・ 3時間のアウトレットモールでの買い物ツアーで、2時間を甥っ子二人へのお土産用のお揃いのシャツ探しをしたこと。サイズがわからないのに探して、買う直前になってサイズを確認する為、日本へLINEをして姉の返信を30分待ったこと。おかげでそれ以外はなにも買えず。
・ 両親へのお土産に高級ブランドを買わされたこと。
・ お土産には金を惜しまないくせに、休憩にコーヒーショップはもったいないと拒否する。
・ ダイヤモンドヘッドなどの観光地に一つも行かせてもらえなかった。
・ 友達のオススメの店にしか食事に行ってくれなかった。
性の不一致に気がついた
新婚旅行では、夫婦である以上、当然セックスもするでしょう。ところが、新婚旅行中に性の不一致に気付き、セックスレスになってしまう夫婦もいます。理由はさまざまで、セックスの相性が合わない、旅行中に嫌な目に遭い相手に嫌悪感を覚えるようになった、相手のセックスに対する考え方を受け入れられないといったケースもあります。
結婚したばかりなのに、性の不一致を感じるのはつらいものです。「こんな思いを抱えて結婚生活を続けるくらいなら」と離婚を考えてしまうかもしれません。
性の不一致での離婚について
結婚して1年半、週3回ほど性行為をしてましたが、
5ヶ月前ぐらいに夫が風俗へ行っていたことが発覚、しかもソープに行っていたことを知り、身体が彼を受け付けなくなりました。
具体的に言うと濡れない、感じないです。
それでもこの5ヶ月は嫌と言っても変わらず求められ続けました。
濡れないのに入れられるのが辛いし、もう胸を触られるのも嫌と感じてしまいます。
これから一生これが続くのは辛いです
彼の横暴な態度も相まって離婚を考えていますが、私から性の不一致を理由に離婚を申し出た場合慰謝料は発生するのでしょうか。(子なしです)
相手の浮気性を知った
新婚早々、相手の浮気に気付いてしまうことがあります。また、ふとしたことから、過去の浮気を知ってしまうこともあります。結婚生活がスタートしたばかりなのに、相手の浮気性に気付かされて、結婚生活への夢や希望が打ち砕かれてしまう人もいるでしょう。
成田離婚だろうがスピード離婚だろうが、何といわれようと浮気は許しがたいものです。浮気をしていたと知った瞬間、結婚期間に関係なく離婚を決意する人もいます。
スピード離婚
入籍して3ヶ月 妊娠8ヶ月です
旦那はもとから女癖が悪いです
それ以外は性格も合い優しいので文句ありません
妊娠し結婚しましたが、
やはり女関係があり女性と連絡とり会ったりしています
慰謝料はとくにいりません
養育費もなくて大丈夫です
すぐにでも離婚したいのですが
親権だけはもらいたいです
相手にギャンブル癖があった
交際している間は気付かなかったのに、結婚した途端、相手にギャンブル癖があることがわかることもあります。新婚旅行中、カジノにばかり入り浸っていたら、要注意かもしれません。ギャンブル好きの人は、隠れて借金する人もいるので、気を付けましょう。
ギャンブルものめり込むと依存症になってしまう人もいます。依存症になると、簡単にはギャンブルから抜け出せなくなります。離婚を考えるのも当然でしょう。
夫が隠れて競馬をしていることを知りました。頻度など不明ですが直近で30〜50万程かけた事を知っています。本人はバレてないと思っているようです。借金等不明ですが、これから何をしていても競馬をしてるのか?パチンコに行っているかも、など疑い続ける生活を考えるとやっていく自信もないです。
結婚して半年程ですが、離婚を考えています。
当方アラサーです。
私はすぐには無理でも信頼できるギャンブルと無縁なパートナーを持ちたいですし、いずれ好きな人の子供を産みたいと思っています。
引越しに伴い仕事も辞めたので、これから離婚をすると、地元に戻り職探しとなります。
履歴書は結婚に伴い転居と退職をしたのに、離婚をして地元に戻ったことが明らかです。
成田離婚になってしまうと感じたら
新婚旅行中や、新婚早々の生活の中で相手に幻滅したり、「このままでは結婚生活を続けられない」などと考えてしまったりした場合、どうすればいいのでしょうか。あっさり離婚するのも一つの考えですが、なんとか2人で幸せな家庭を築いていきたいと思う人もいるでしょう。
成田離婚の危機を感じたとき、離婚を避けるにはどうすればいいのか、2人の関係を再構築するための対処法を紹介します。
夫婦間でしっかり話し合う
鉄は熱いうちに打てと言います。新婚旅行や結婚早々の生活の中で、相手に失望したり幻滅したりしたことがあれば、素直に相手に伝えることも大切です。もしかすると、相手にも言い分があるかもしれません。互いによく話し合って解決を図ることは今後の結婚生活を考えても大切なことです。
ただし、話し合いをするときは、感情的になったり、相手を責める口調になったりしないように気を付けましょう。相手が反発してけんかになり、関係が悪化してしまうかもしれません。相手の話も良く聞き、お互いが納得できるよう折り合える点を見つける姿勢を忘れてはなりません。
相手の良い点を探す
相手の欠点や短所にがっかりしてしまうと、相手の悪い所ばかり目に付くようになってしまうことがあります。すると、ますます相手の言動を批判的にとらえるようになり、一方的にいら立ちを募らせてしまいます。
こうしたときは、相手の良い所や長所を探したり、相手の行動を好意的に解釈してみましょう。「2人きりの旅行で空回りしているのかも」「新婚当初で戸惑っているのかも」などと大目に見ることも必要です。ゆっくり時間をかけて、互いを理解しながら話し合いをしていけば、成田離婚を考えたことも、いつか笑い話になるかもしれません。
自分に非はなかったか考える
相手の行動に不満に感じたとき、自分も同じようなことをしていないか、自分に悪い点はなかったかと振り返ってみましょう。誰にでも欠点はありますから、自分も相手に不快な思いをさせていて、お互い様だったということはよくあるものです。
自分だけ嫌な思いをしている、我慢をしているなどと思っていると、ますます相手のことが嫌いになっていきます。夫婦と言っても、もとは赤の他人です。相手を傷つけたり、不快にさせたりしないよう気を配ることも大切です。自分が態度を変えれば、相手の態度も変わっていくかもしれません。
成田離婚にメリットはある?
成田離婚やスピード離婚をした夫婦はどのような気持ちになるのでしょうか。中には「早く離婚できてよかった」と前向きな気持ちになる人もいるかもしれません。成田離婚やスピード離婚を前向きにとらえるため、どのようなメリットがあるのかを考えてみましょう。
早めにやり直しができる
成田離婚やスピード離婚のメリットとして「早めにやり直しができる」ことが挙げられます。「相手と信頼関係を築こうと努力したのに離婚してしまった」という結果になるくらいなら、早めに見切りをつけたほうが良いというのも、一つの考え方です。
人生は一度きり。無駄な時間を過ごすのはもったいないと割り切れるのなら、気持ちを切り替えて、新しい生活に向けて一歩を踏み出せるでしょう。
精神的な痛手が少ない
相手に不満や不信感を持ちながら、結婚生活を続けていくのはつらいものです。何年か結婚生活を続けた末、結局離婚することになってしまえば、徒労感やむなしさを味わうものです。早めに離婚したほうが精神的な痛手も少ないといえるでしょう。
ストレスや不安は心の健康にもよくありません。心身の健康を守るためにも、不本意な結婚生活は早めに終わらせたほうがいいかもしれません。
離婚協議が容易に済む
離婚する際、通常は財産分与や慰謝料、養育費などについての話し合いをしなければなりません。しかし、結婚期間が短いと子供がまだ生まれていないことも多く、財産分与の対象となる財産も少ないはずです。浮気や暴力があれば、慰謝料請求の話になるかもしれませんが、それ以外の理由なら多額の慰謝料請求に発展することはあまりないでしょう。
このように、離婚の話し合いでもめることが少ないこともメリットと言えるかもしれません。離婚をめぐり長期間争う必要がなければ、前向きな気持ちで結婚生活に区切りをつけられるはずです。
成田離婚のデメリット
成田離婚やスピード離婚を避けることができなかった場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。結婚早々に離婚してしまった場合に考えられるデメリットを紹介します。
世間体が悪い
結婚する際は、親族や友人、職場の同僚らに祝福された人が多いでしょう。盛大な結婚式を挙げて、幸せな家庭を築くことを誓った人もいるはずです。それなのに、新婚旅行の直後に離婚したり、1年も結婚生活が続かないようでは、祝福してくれた人たちに顔向けできません。
本人が恥ずかしい思いをするのはもちろんですが、両親も親類の間で肩身の狭い思いをするかもしれません。友人や会社の同僚にもあれこれ噂され、人間関係を損ねてしまう恐れがあります。
出典: リコ活MEDIA
将来設計が狂う
結婚を機に、会社を退職したり、相手の家庭の事情に合わせて転職したりする人もいます。新しい住居を購入した人もいるでしょう。こうした人は、結婚生活が長く続くことを前提に、将来設計を立てていたはずです。しかし、離婚すると将来設計が根本から狂ってしまいます。
特に結婚前に、互いの将来設計を共有していないと、互いの考えや気持ちもすれ違いがちです。結婚前から将来設計を含めて、結婚生活についてよく話し合っていれば、新婚生活で「こんな人だったとは」という思いをせずに済んだかもしれません。
後悔の念が残る
成田離婚やスピード離婚をする夫婦の中には、感情が赴くまま、勢いで結婚してしまったという人も少なくありません。相手をよく知らないまま結婚してしまい、そのために短期間で離婚することになれば、きっと後悔の念が残ります。
「どうしてあんなに軽率に結婚してしまったのだろう」「もっと慎重に行動すればよかった」などと思っても後の祭り。後悔を長く引きずる人もいます。
成田離婚の危機に陥ったら専門家に相談を
長い結婚生活で、一度も喧嘩をしたことがなく、相手に失望した経験もないという夫婦はあまりいません。多くの夫婦は、喧嘩したり相手に幻滅したりしたかと思えば、仲直りしたり相手を見直したりしながら家庭を築いていくものです。新婚旅行や新婚生活のトラブルは、長い結婚生活の中で起こる出来事の1つに過ぎません。
しかし、どうしても相手を許せず、離婚すべきかどうか悩むこともあるでしょう。そうしたときは、夫婦問題に詳しいカウンセラーに話を聞いてもらってはどうでしょうか。客観的な立場から適切なアドバイスが得られるかもしれません。