旦那が怖くて話せない…これって自分のせい?
夫から暴力や暴言を受けているわけではないのに「旦那が怖い」と感じることはありませんか。自分のせいで夫が不機嫌になるのを恐れて、夫と話すだけで緊張する人もいるかもしれません。
しかし、夫を怒らせないよう気を遣う状態が続くと、妻は精神的に疲弊してしまいます。そこで、怖いと感じる言動の特徴とともに、「旦那が怖い」という気持ちを克服するための対処法を紹介します。
夫の言動がストレスで妻が体調を崩す状態は「夫源病」と呼ばれ、最近メディアなどでも注目されています。「旦那が怖い」と感じる妻と類似するケースも多いので、下記の記事も参考にしてください。
旦那が怖い時の特徴は?
「旦那が怖い」と妻が感じるときによくみられる夫の行動を紹介します。夫といるとなぜか気疲れしてしまうのなら、夫の行動や口癖に次のような特徴があるのかもしれません。
・すぐキレる
・怒るポイントが分からない
・言い方がきつい
・理詰めで責める
すぐキレる
ちょっとしたことで激昂する「すぐキレる」夫は、常に妻を怖がらせます。「何回言わせるんだ!」などと言って妻の小さなミスに対して必要以上に叱りつける夫に、妻は萎縮してしまいます。さらに妻に原因がないことまで大声で怒鳴ったり物に当たったりすることもあり、妻は「旦那が怖い」と感じて家庭内でも心が休まりません。
自分の思い通りにならないとすぐキレる旦那。「私も気を付けるからキレるのを控えてほしい」と伝えても「お前がキレさせるようなことするからだ」と言って話し合いになりません。
子供のために離婚はしたくないのに旦那とどう付き合ってよいか分からなくなります。
怒るポイントが分からない
長年一緒に暮らしていると、夫の機嫌が悪くなる前触れなどが分かってくるものです。それなのに、予測しないタイミングで激昂する夫がいると妻は「旦那が怖い」と感じてしまいます。
怒りのポイントはさまざまで、世間話の中の一言だったり、出されたおかずが気に入らなかったりとささいなことも含まれます。「旦那を理解したい」と妻が努力しても、怒りだすきっかけが分からないと妻もどう対処してよいか困惑してしまいます。
お皿の片隅に少しだけ残してしばらく手をつけていなかったので「もう片づけていい?」とたずねたら「まだ食べてるだろ」とキレられました。
勝手に片づけたら悪いと思ってきいただけなのに、そんなに怒るとは思ってもみませんでした。
言い方がきつい
「旦那が怖い」と感じている妻は、普段から夫のきつい言い方に傷ついていることが多いようです。「そんなこともできないの」などと冷たい言葉を何度も聞かされると、妻は常に夫の機嫌を気にして疲弊してしまいます。言いたいことがあっても、威圧的な言い方や態度をとる夫に逆らえず、妻はストレスが溜まる一方です。
私に直してほしいことがあるとき、旦那はいつもきつい言い方で注意してきます。謝っても攻め立てるような口調は変わらず、わざときつい言い方をして、私でストレス発散しているのかと思ってしまいます。
理詰めで責める
妻の都合や感情を無視して、正論めいた理屈で妻を黙らせようとする夫も「旦那が怖い」と妻が感じる特徴の一つです。たとえば、妻の家事に対して効率的でないと夫が口出しするケースがあります。
小さな子供がいる場合などは、予想外のトラブルがあって思った通りに家事ができないこともあるはずです。それなのに、こうした夫は理詰めで妻を責め立てます。夫に対して反論できない妻は、不満を抱えたまま黙っていることしかできません。
旦那は頭がいいし言うことはいつも正しいです。旦那にとって私の意見は感情的な愚痴でしかなくまともに聞いてくれません。
「今日は疲れた」などつい言ってしまった一言にも正論で叱られるのでいつもビクビクしてしまいます。
旦那が怖いのはモラハラを受けているから?
以前は自然に接していたのに、いつの間にか旦那が怖いと感じるようになったのなら、モラハラが原因かもしれません。モラハラの中には、面と向かって暴言を吐かず、そっけない態度などで相手を精神的に追い詰めるサイレントモラハラという行為もあります。
出典: リコ活MEDIA
直接的な暴力のないモラハラは、周囲も当事者夫婦も気付きにくく、被害者が一人で悩みを抱えているケースも少なくありません。そこで、夫の言動がモラハラなのかどうかを確認できるチェックリストを紹介します。下記にあてはまる項目が一つでもあれば、モラハラの疑いがあります。
・「誰のお陰で生活できていると思っているんだ」と言う
・言い訳、反論をされると「俺がそうするようにしたお前が悪い」となんでも人のせいにしてくる
・妻の前でため息や舌打ち、支配的な態度に出る
・日常的な会話の無視をしてくる
・出された食事が気に入らないと、それを食べずに手をつけない
・「こんなことも分からないのか?」といった上から目線の発言をする
・小さなミスをしつこく指摘してくる
・人前で馬鹿にしたり、非難をしてくる
・生活費を入れない
・子どもや経済力を盾にして脅してくる
旦那が怖い時の克服方法は?
旦那が怖いと感じてうまく自分の気持ちを伝えられなかったり、常に緊張してしまったりすると、ストレスで体調を崩す可能性もあります。威圧感を与える夫への対処方法を、具体的な対策とともに4点紹介します。自分の心身の状態や夫の言動に応じて、実践できるものがないか検討してみてください。
受け流す
「旦那が怖い」という気持ちさえ克服できれば、夫とうまく付き合えそうな場合、少しの工夫で解決できるかもしれません。威圧感のある夫の言動には冷静に対応し、うまく受け流すことも大切です。そうすれば、平常心を維持しながら夫に対応できるでしょう。夫が急に怒り始めたら、次のような対策をとると、恐怖心を軽減できる可能性があります。
・怖いと感じたら深呼吸する
・互いに冷静になってから話し合う
・一人で気分転換できる時間をもつ
「旦那が怖い」と感じると体が緊張して何も考えられなくなるかもしれません。そのようなときは、気持ちを落ち着かせることで、恐怖心によるストレスを軽減できます。
また、激昂した夫は何を言っても聞く耳を持たないケースが多く、ある程度受け流して、相手が落ち着くのを待ってからのほうが、互いに有益な話し合いができます。また、夫の言動でストレスが溜まっていると感じたら、夫と物理的に距離を置いて、気分転換できる時間を持つことも大切です。
強気に対抗する
「旦那が怖いから」といつも黙って怒りを受け止め続けていると、ストレスが蓄積してしまいます。時には次のように強気で対抗することも必要です。妻は夫への不満を解消できますし、夫も妻の気持ちを理解しようと考えるかもしれません。
・言い返す
・無視をしない
・家出をする
きつい言葉をかければ、いつもは黙ってしまう妻から言い返されると、夫は驚いて怒りを鎮めるかもしれません。また、言い合いによって夫婦喧嘩になっても、互いに本音をぶつけ合うことでストレス解消できるケースもあるでしょう。
何を言われても無視をするという抵抗手段もありますが、夫の怒りを増長させることがあるので、避けたほうがよいでしょう。夫も伝えたいことがあって妻に怒りを向けているので、無視されると妻への攻撃がヒートアップする可能性があります。
「怖い旦那にはどうしても抵抗できない」という場合、思い切って家出をすると、焦って妻への態度を改める夫もいます。そのような夫は自分の感情を受け止めてくれる妻に甘えていることがあります。妻と離れて、そのことを自覚してくれるかもしれません。
第三者に相談する
「旦那が怖い」というストレスから心身に不調を感じるなら、一人で悩まず第三者に相談すべきです。すぐに怒りを爆発させてしまう夫は、心理的な問題を抱えている場合があり、カウンセラーによる専門的な対処が有効かもしれません。夫が育った家庭環境などに原因があるケースもあります。
離婚も検討する
怖い旦那との結婚生活に耐えられないと感じたら、離婚を検討することも必要かもしれません。しかし、妻が離婚を決意しても、夫が合意しなければすぐには離婚できず、離婚調停や裁判で解決することになります。離婚裁判によって、民法で定められた離婚事由があり、夫婦関係が破綻していると認められれば、妻側に責任がない限り夫婦の合意なしに離婚できます。
「旦那が怖い」という場合、モラハラやDVなどがあり、離婚事由の「婚姻を継続しがたい重大な理由」に当たると立証しなければなりません。夫の言い方がきついという程度では離婚事由とまでは認められにくいため、継続してモラハラやDVが行われていることを客観的に証明できる証拠を示す必要があります。
「旦那が怖い」と感じたときの夫の言動や日時を記した日記や、夫が激昂したときの会話の録音、暴言のメールやLINEなどは有効な証拠になります。夫の言動がストレスで心療内科などの医療機関を受診した場合は診断書を発行してもらいましょう。精神的な苦痛を受けたことを立証しやすく、裁判で有利に働く可能性があります。
「旦那が怖い」と悩んだら専門家のアドバイスを
妻にとって怖いと感じる夫の言動は「突然キレる」「言い方がきつい」など、夫自身の身勝手によるものがほとんどです。目の前で夫が激昂しても正面から向き合わず、まずは深呼吸などで自分を落ち着かせて「旦那が怖い」という気持ちを和らげるのがよいでしょう。夫の怒りをある程度受け流してからのほうが、お互い冷静に話し合いができるはずです。
しかし、「旦那が怖い」という気持ちに常に悩まされており、話し合いでも解決しない場合は、専門的な対応が必要かもしれません。一人で悩まず、早めにカウンセラーや弁護士といった専門家に相談しましょう。
塚本 亜里沙/東京山手法律事務所(第一東京弁護士会所属)
20年以上の経験を持つ弁護士。
弁護士が行うリーガルカウンセリングもカウンセリングの一種であり、カウンセリング能力の向上は不可欠であると考え、日本メンタルヘルス協会基礎心理カウンセラー・(一財)日本能力開発推進協会家族療法カウンセラー・アンガーコントロールスペシャリスト取得。
夫婦関係・離婚のお悩みに真摯に向き合い、幸せな離婚に向けた解決をモットーに全力を尽くしている。