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      財産分与の割合は原則2分の1|対象財産や財産分与の割合が変更されるケースについて解説

      2026 3/27
      お金 離婚準備
      2026年3月27日
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      離婚後の生活を考えると、「財産分与でいくら受け取れるのか」は早めに把握しておきたいポイントです。財産分与は、預貯金や不動産だけでなく、退職金や保険、年金なども含まれるため、あらかじめ何が対象かを整理することが欠かせません。

      そこで本記事では、財産分与の基本的な考え方と例外、どのような財産が対象となるのか、手続きの流れまでをわかりやすく解説します。

      この記事でわかること
      ・財産分与の割合が原則「2分の1」とされる理由と合意で調整できるポイント
      ・財産分与の対象になる財産・ならない財産
      ・財産分与を進める手続きの流れと、専門家に相談するメリット

      本記事の監修者

      折井 純
      弁護士として25年以上にわたり、離婚・男女問題を中心に数多くの案件を解決。
      モラハラ、親権、養育費、面会交流、財産分与など離婚に関する幅広い問題に対応。

      法律の専門知識と豊富な経験を活かし、依頼者の気持ちに寄り添いながら、将来に向けた最適な解決をサポートしている。

      続きはこちら

      東京弁護士会DVプロジェクトチーム所属、東京都ひとり親家庭支援センター相談員なども務め、DV・ひとり親支援分野にも精通。
      【弁護士が選ぶベスト弁護士100(2025)】離婚・男女問題部門第7位に選出。

      目次

      産分与の割合は原則「2分の1」

      財産分与とは、婚姻中に夫婦が協力して築き上げた財産を離婚時に公平に分ける制度です。財産分与の割合は、原則「2分の1」が基準とされています。

      「相手が会社員で収入を得ていて、自分が専業主婦(主夫)だから半分ももらえないのでは?」と不安に感じる方もいますが、財産形成への貢献は収入だけでは測れません。家事・育児などの支えがあってこそ、もう一方が仕事に注力できたと評価されるため、役割分担をしている夫婦であれば、原則として寄与(貢献)は同程度と考えられやすいのです。

      2分の1はあくまで目安であって、夫婦の合意で割合を変えることも可能です。ただし、合意によって受け取る金額が社会通念上の相当範囲を大きく超える場合は、税務上財産分与ではなく贈与とみなされます。贈与税の課税対象になる可能性もあるため、注意しましょう。

      参考: 法務省|財産分与

      合意がなくても財産分与の割合変更が認められるケース

      財産分与は原則2分の1が基準とされますが、夫婦の合意がまとまらない場合でも、事情によっては割合が修正される可能性があります。家庭裁判所の調停・審判などでは、婚姻中の財産形成への関与(寄与)や離婚後の生活維持などを踏まえて個別に判断されます。

      ここでは、合意がなくても割合変更が認められやすいケースについてまとめました。

      専門的な資格または能力により財産を築いている場合

      医師・弁護士・スポーツ選手など、どちらか一方の高度な資格や能力によって高収入を得て財産が形成されたケースでは、「寄与の程度は同じなのか」が争点になりやすいです。

      ただし、専門職だからといって、直ちに財産分与が半分から変わるわけではありません。一方が専門職であっても、他方配偶者が家事・育児を担い、転勤や勤務形態に合わせて家庭を支えた事情があれば、それは財産形成への貢献として評価され得るでしょう。

      最終的には、配偶者が仕事を成立させるためにどの程度支えていたかも含め、総合的に判断されます。

      配偶者が会社経営者の場合

      配偶者が会社経営者の場合、事業の成長によって資産が増えた背景には、経営者本人の判断や能力が大きく影響していると主張されることがあります。そのため、財産分与でも「経営者の寄与が大きい」として、割合変更が争点になりやすいでしょう。

      経営者ではない配偶者側も、家事・育児の負担を引き受けることで経営者が事業に集中できた事情があるのであれば、やはり貢献として評価されます。

      ただし、会社の資産(株式・退職金見込みなど)が絡むと、そもそもどこまでが対象なのか、評価をどうするのかが難しくなるため、専門家への相談も視野に入れましょう。

      どちらか一方の浪費が激しい場合

      どちらか一方に浪費癖があり、夫婦の財産を著しく減少させたような場合は、財産分与の割合が変更される可能性があります。典型例としては、ギャンブルや過度な浪費で貯蓄が大きく目減りしたケースなどです。

      ただし、「浪費があった=必ず割合が変わる」とは限りません。どの程度の期間・金額で家計に影響が出たのか、夫婦の共有財産を実際にどれほど減らしたのかなど、具体的な事情を立証しなければなりません。

      感情面での不満とは切り分けて、客観的に説明できる証拠を用意しておくと、有利に話し合いを進められるでしょう。

      どちらか一方が専業主婦(主夫)の場合

      どちらかが専業主婦(主夫)の場合でも、原則は2分の1が前提です。

      ただし、離婚後、一方が病気や高齢などで経済的自立が困難である場合に、離婚後扶養として財産分与が認められる場合もあります。これはケースバイケースなので、離婚時にはまず財産分与の対象を整理した上で、現実的な条件を詰めていくことが必要です。

      弁護士に相談する

      財産分与の対象になる財産

      財産分与の対象になるのは、名義が夫婦どちらになっているかだけで決まるわけではありません。実際に夫婦生活の中で、どのように築いた財産なのかが重視されます。

      ここでは、財産分与の対象になる主な財産についてまとめてみました。

      現金や預貯金

      結婚生活の中で貯めた現金や預貯金は、口座名義にかかわらず共有財産とみなされるのが一般的です。夫名義の口座でも、夫婦の収入から貯めたものであれば財産分与の対象です。

      ただし、次のようなものは対象外となる可能性があります。

      • 結婚前から保有していた預貯金
      • 相続や贈与で取得したお金を入金した部分(区別して管理できている場合など)

      「どの口座に、いつ、どのお金が入ったか」が判断材料になるため、通帳や取引明細を整理しておくと安心です。

      家や土地などの不動産

      結婚生活のために購入した自宅などの不動産は、共有財産として財産分与の対象になり得ます。ただし、購入資金の出どころによっては、対象外になるため注意が必要です。

      例としては、次のような場合が挙げられます。

      • 購入資金に、夫婦のどちらかが結婚前から保有していた預貯金を使った
      • 夫婦の一方が親から援助を受けて購入した

      なお、不動産については査定価格よりローン残高のほうが多い「オーバーローン」の場合、プラスの財産として分けられず、財産分与の対象として扱いにくいことがあります。

      一定の経済的価値が認められるもの

      婚姻中に購入したもので、換金性や市場価値があるものは財産分与の対象になり得ます。
      代表例は、自動車、有価証券、家具・家電、美術品、貴金属などです。

      評価方法は、財産の種類によっても異なるため注意しましょう。有価証券の場合、別居後に離婚するケースでは別居開始時点の評価額、別居せずに離婚するケースでは離婚成立時点の評価額を基準とすることが多いです。

      保険の解約返戻金部分

      生命保険や学資保険などで、解約時に戻るお金(解約返戻金)がある場合、その解約返戻金相当額が財産分与の対象になり得ます。結婚前から加入している生命保険であれば、婚姻から財産分与の基準日までに相当する部分が対象です。

      また、学資保険であれば、子どもの将来のために使う目的が明確で、双方が合意する場合には、あえて対象から外すケースもあるでしょう。

      退職金

      退職金は、将来支払われる予定のものであっても、婚姻期間中に形成された部分に限り財産分与の対象になり得ます。

      退職金は預貯金のように「今すぐ受け取れるお金」ではないケースが多く、「退職しない限り支給されない(支給時期が確定しない)」「会社の規程上そもそも支給が保証されていない」「業績や人事制度の変更で見込み額が変動する」といった事情が絡むため、実務上は扱いが難しくなりがちです。

      年金

      年金は財産分与そのものというより、婚姻期間中の年金記録を分ける「年金分割」として扱われるのが一般的です。対象になるのは、婚姻期間中に納付実績がある分に限られます。

      分割方法は、夫婦が加入している年金制度(厚生年金・国民年金)や状況によっても異なるため、進め方がわからない場合は、年金事務所で確認しておくと安心です。

      借金やローンなど負の財産

      財産分与では、夫婦の生活や共有財産の形成・維持のために負ったローンや借金がある場合、清算の対象として考慮されることがあります。一般的には、プラスの共有財産から差し引く形で整理されるケースが多いです。

      ただし、次のようなものは対象外と判断される可能性があります。

      • 独身時代の個人的な借金
      • 個人的な趣味やギャンブルのための借金
      • 一方の個人事業のために負った負債

      借入の契約書や利用明細など、目的や経緯がわかる資料があると整理しやすいでしょう。

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      財産分与の対象にならない特有財産

      財産分与の対象にならないのが、「特有財産」です。特有財産とは、夫婦が婚姻期間中に協力して築いたとはいえない財産を指します。

      特有財産の主な例は、次のとおりです。

      • 結婚前から持っていた預貯金や現金
      • 結婚前から所有していた不動産や車などの資産
      • 相続や贈与で取得した財産
      • 自分の親族から「自分個人に」贈与されたお金や物
      • 別居後に形成した財産(別居後の収入で増えた預貯金など)

      「特有財産だから分けない」と主張するだけでは足りない点には、注意が必要です。財産分与の対象から外すためには、原則として保有している側の配偶者が、特有財産であることを資料などで立証しなければなりません。

      たとえば、結婚前の預金を婚姻後の生活費口座に混ぜて使っていた場合や、相続したお金を夫婦の共有口座に入れて運用していた場合は、特有財産として区別できるかどうかが争点になりやすく注意が必要です。スムーズに整理するためにも、通帳・取引明細・贈与契約書・遺産分割協議書など、出どころがわかる資料を用意しましょう。

      財産分与の手続きの基本的な流れ

      財産分与の手続きは、進め方を誤ると話し合いが長引くことがあります。後から「聞いていない」「そんな約束はしていない」とならないよう、基本的な流れに沿って進めましょう。

      1. 対象の財産をリストアップする
        預貯金・不動産・保険・退職金など、共有財産になり得るものを洗い出します。名義がどちらか一方でも、婚姻中に形成した財産は対象になる可能性があります。
      2. 現在の価値を確認し、分与額を計算する
        預貯金は残高、不動産は査定、車や有価証券は時価など、基準時点の価値を確認します。ローンがある場合は残債も含め、分け方を検討します。
      3. 夫婦間で話し合う
        原則2分の1をベースにしつつ、個別事情(特有財産の有無、負債の扱い、支払い方法など)を踏まえて合意を目指します。
      4. 公正証書(離婚協議書)を作成する
        合意内容は書面に残し、可能であれば公正証書にしておくと安心です。支払いの時期・方法、名義変更の手続き、清算条項(これ以上の請求をしない旨)などを明確にしておくことで、後のトラブルを防ぎやすくなります。
      5. 話し合いがまとまらない場合は、調停や裁判を行う
        協議で合意できないときは、家庭裁判所の調停を利用するのが一般的です。それでもまとまらなければ審判・訴訟へ進むこともあります。

      なお、財産分与は感情的になりやすく、相手が財産を開示しないケースもあります。早い段階で弁護士などの専門家に相談し、見通しを立てながら進めると安心です。

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      離婚時の財産分与を弁護士等に相談するメリット

      財産分与は、当事者だけで進めると行き詰まることも少なくありません。特に、離婚を検討している段階では精神的な負担も大きいため、弁護士やADR調停人など第三者に相談して、手続きの見通しを立てながら進めることが有効なケースも多いです。

      ここでは、離婚時の財産分与を弁護士等に相談する主なメリットを2つ紹介します。

      財産分与の対象を正確に把握できる

      財産分与は、夫婦の財産を正確に洗い出すことが欠かせません。しかし実際には、口座や保険、投資、勤務先の制度(退職金など)をすべて開示してもらえないケースもあります。

      弁護士に相談している場合、状況に応じて「弁護士会照会」を含む調査手段を検討でき、相手が財産を隠している可能性があるときでも、手掛かりを集めやすい点がメリットです。

      調停や裁判の際に必要なサポートが得られる

      夫婦間の話し合いがまとまらずに調停や裁判に進む場合、必要書類の準備や主張の組み立て、手続き対応などを個人で進めるのは負担が大きくなります。弁護士などの専門家に相談していれば、財産分与の考え方や見通しを踏まえた上で、調停・裁判に向けた対応をサポートしてもらえるため、負担を軽減しながら手続きを進められます。

      実際の離婚協議は、財産分与だけでなく、慰謝料・親権・養育費・面会交流など複数の議論が並行して進められるものです。これらをまとめて整理し、優先順位を付けながら交渉方針を立てられる点でも、弁護士のサポートは心強いでしょう。

      加えて、裁判所以外の選択肢としてADR(裁判外紛争解決手続)を検討できる場合もあります。ADRのゴールは、当事者の合意形成です。法律上の結論だけでなく、お互いの感情や背景事情も含めて話し合いできます。財産分与以外にも不安や争点が多いときほど、柔軟な解決を目指せる選択肢として検討する価値があるでしょう。

      美竹やさか法律事務所/折井 純

      離婚に伴う財産分与は、共有財産に当たる範囲の判断や不動産
      ・退職金などの評価方法、分与割合の考え方など、専門的な検
      討を要する場面が少なくありません。当事者同士の話し合いだ
      けで進めると、本来受け取れるはずの財産を見落としたり、不
      利な条件で合意してしまうおそれがあります。弁護士に相談す
      ることで、適正な分与額の見通しを立てたうえで交渉を進める
      ことができ、合意書の作成まで含めて将来の紛争を防ぐ形で解
      決を図ることができます。

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      よくある質問(Q&A)

      Q1.子どもがいても財産分与の割合は変わらない?

      原則として、子どもの有無だけを理由に、財産分与の割合が自動的に変わるわけではありません。財産分与は、婚姻中に夫婦が協力して形成・維持した財産を公平に分けるという考えが基本にあるため、割合は2分の1が目安とされています。

      ただし、実務上は「離婚後の生活を支える必要性」などを踏まえ、扶養的な観点が考慮されて結果的に差がつく可能性はあります(あくまで個別事情による)。 

      子どもがいる家庭では、子ども名義の預貯金・学資保険・児童手当などは、名義や原資、管理状況によって扱いが問題になる傾向です。判断に迷う場合は、早めに専門家に相談して、対象財産の区別と割合の見通しをまとめておきましょう。

      Q2.離婚と別居はどちらが得?

      離婚と別居のどちらが得かは、夫婦関係や子どもの状況、収入差、安全面、今後の見通しによっても変わるため、一概には言えません。

      別居を選ぶ場合は、夫婦である以上、収入差などに応じて生活費(婚姻費用)を分担する前提があり、別居中でも生活費を請求できる点がポイントです。

      一方で、離婚を急ぐ場合は早く区切りをつけられる反面、財産分与・養育費・面会交流などの条件が追いつかないと、後から揉めやすくなる点に注意しなければなりません。

      結局のところ、安全面(DV・モラハラ等)や子どもの生活維持を最優先にしつつ、金銭面は婚姻費用・養育費・財産分与といった制度を組み合わせるのが現実的です。迷う場合は専門家に相談し、どちらを選んでも不利になりにくい進め方を選択しましょう。

      Q3.財産分与をしなくていいケースはある?

      あります。ただし「しなくていい」というより、「結果として財産分与の対象がない」「請求しない合意をする」など、事情によっても変わります。 

      財産分与をしなくていいケースの代表例は、次のとおりです。

      • 共有財産がほとんどなく、各自の特有財産しかない場合
      • 夫婦財産契約などで、あらかじめ離婚時の財産の分け方を定めている場合
      • 当事者が合意の上で財産分与請求権を放棄する場合

      財産分与の割合に迷ったら離婚の専門家に相談しよう

      財産分与は原則として「2分の1」が目安とされる一方で、預貯金・不動産・保険・退職金・年金のように「対象になるか」「いくらと評価するか」など揉めやすい事情が重なると、夫婦だけで整理すること自体が難しくなりがちです。

      双方が納得できる形で進むには、共有財産と特有財産の区別、各財産の評価額、合意内容まで含めて、早めに専門家へ相談することが安心につながるでしょう。

      離婚や夫婦問題に関する情報と選択肢を幅広く知りたい方は、リコ活のサービスも選択肢のひとつとして検討してみてください。

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