会話やメッセージのやり取りといった夫婦間でのコミュニケーションが激減すると、「妻の愛情が冷めたサイン」ではと離婚の危機を心配しがちです。そこで夫に愛情がない妻の行動10選を紹介します。愛情を取り戻した体験談や気持ちが離れた妻への対処法も説明します。
離婚の危機?妻の気持ちが離れたサインとは?
妻が自分を避けているように感じて、妻の愛情がなくなってしまったのではと不安になることはありませんか。夫から気持ちが離れてしまった妻の多くは、特徴的なサインを発しています。
そこで、夫への愛情がない妻に共通する行動10選を紹介するとともに、そういった行動をとる妻への対処法も説明します。妻から冷たい対応をとられ、突然離婚を切り出されるのではないかと悩んでいる人は参考にしてください。
夫に愛情がない妻の行動10選
夫に愛情がない妻の行動としてよくみられるものを10選にして紹介します。最近、妻の気持ちが離れているのではないかと不安に思う人は、妻の行動に似たものがないか確認してみましょう。
スキンシップを拒否する
夫に愛情がない妻は、まず夫からのスキンシップを嫌がる傾向があります。結婚後数年もたつと、新婚当初のようにお互い積極的にスキンシップをとることは減ってきますが、誘っても拒否される回数が増えているなら要注意。夫に愛情がないことを示す妻からのサインかもしれません。
さらに、肩に手を置くなど軽いスキンシップまで拒むようなら、夫に嫌悪感があり、触られるのが気持ち悪いと感じている可能性があります。
目を合わさない・そらす
会話中に目をそらすしぐさは、相手と関わりたくないという心理の現れと言われており、夫に愛情がない妻も同様の行動をとりがちです。こうした妻は、夫に直接不満を伝えることはほとんどせず、愛情がないにも関わらず夫に対する態度は以前と変わらないのが特徴です。
このため、夫は妻の気持ちの変化に気付きにくく、すでに夫婦関係は修復不可能なほど悪化しているケースも少なくありません。目をそらすしぐさは妻も無意識で行っている場合があり、夫への嫌悪感を無言で示していると考えられます。
笑わなくなる
最近、妻の笑った顔を見ていないなら、妻の気持ちが夫から離れている可能性があります。好きな相手といると自然と笑顔になる一方、嫌いな相手や関心のない相手には、無表情で接してしまうものです。
夫が話しているときに、つまらなそうな表情で最低限の返事しかしないようなら、妻は夫に愛情がないと考えてよいでしょう。好きな相手の話なら、たとえくだらない冗談であっても笑って聞いてあげられますが、愛情がない相手にそのような行動をとることはありません。
会話をしたがらない
夫が妻に話しかけても「今忙しいから」「これから出かけるから」などと言って会話をしたがらない場合、妻の気持ちが夫から離れていることが原因かもしれません。本当に忙しくて時間がなかったり、会話もつらいほど疲れていたりすることもありますが、子供や親とは楽しそうに会話をするのに、夫との会話だけは避けようとするなら、夫婦関係の悪化が疑われます。
妻が夫と会話をしたくない理由は、会話をしてもつまらない、会話をするうちにイライラするなどさまざまです。中には、夫への不満が蓄積した結果、夫と同じ空間にいること自体が苦痛で会話をしたがらない妻もいます。
一緒にいてもスマホばかり見る
目の前にいる相手を無視してスマホばかり見るのは、相手に対して関心がない場合によくとられる行動です。妻のこういった行動が常態化しているなら、妻は夫と過ごすよりも、スマホを見ている方が楽しいと感じているのでしょう。
また、スマホに夢中になるふりをして、わざと夫が話しかけられにくい雰囲気を出しているケースもあります。この場合、妻は夫に愛情がないばかりか、コミュニケーションをとりたくないとまで考えているはずです。
一緒に過ごすことを避ける
妻の気持ちが夫から離れてしまうと、夫と一緒に食事をしなくなったり、休日は別行動をしたりするようになります。夫婦それぞれが自分の時間を大切にするのは悪いことではありませんが、夫への愛情がない妻は、夫と過ごすのを避けるためにこういった行動をとりがちです。
中には、夫に話せない悩みや隠し事があって夫を避ける妻もいます。ただし、夫を避ける妻に対して無理に理由を聞き出そうとすると、妻の気持ちがさらに離れてしまう危険があるので、注意深く見守ることが重要です。
夫に関わる家事だけしない
使ったコップや脱いだ洗濯物を決められた場所に片づけず、そのまま放置するような夫に対して、妻が愛情を持ち続けるのは困難です。最初は「仕方ないな」という気持ちで、コップや洗濯物を片づけていた妻も、同じことが繰り返されると馬鹿馬鹿しくなって、片づけるのをやめてしまうでしょう。
何度注意してもこのような夫のだらしなさが直らないと、やがて夫の服だけ洗濯しないなど、夫に関わる家事をやめてしまうかもしれません。そうなってしまったら、妻は夫への愛情がないだけでなく、夫に対する不満が限度に達した状態です。
嫌味や不満を言う
妻がチクチクと嫌味や不満を言うのは、夫に対する愛情がないことの表れかもしれません。「うちは収入が少ないからやりくりが大変」「家事をしない人は休日に休めるからいいよね」などとよく言われる場合は注意しましょう。愛情があるなら同じ内容でも、夫を傷つけないような言葉を選ぶはずです。
収入や外見といった夫自身も気にしていることをしつこく指摘したり、一方的に不満をぶつけたりする妻は、愛情がないだけでなく、もともとモラハラ気質の可能性があります。妻から嫌味や不満を言われてつらいと感じることが多いなら、一度話し合って夫婦関係を見直しましょう。
体調不良でも心配しない
大切な人が体調を崩したら、心配してあれこれ世話をしたくなるのが普通ですが、そうではないなら、相手に対してほとんど関心がないと考えてよいでしょう。体調不良であることを夫が妻に伝えても「薬飲めば?」といった最低限の返事しかせず、体調を気遣う素振りも見せないのなら、妻は夫への愛情がないのかもしれません。
連絡の頻度を減らす
夫から気持ちが離れてしまった妻は、夫と連絡を取り合うのが億劫になりがちです。以前は夫婦で頻繁に連絡を取っていたのに、その頻度が減ったり、妻からの返信が素気なくなったりしているなら、妻の愛情が冷めたことが原因だと考えられます。
仕事や育児などのために夫婦で生活リズムのすれ違いが続くとき、時間を気にせずやり取りできるメッセージアプリなどは、夫婦がコミュニケーションをとるための便利なツールです。しかし、夫とコミュニケーションをとるのが面倒な妻からは、最低限の連絡しか送られてきません。
夫への愛情が冷めたら戻らない?
夫に対する気持ちが冷めてしまった妻が、以前のような愛情を取り戻すことはあるのでしょうか。愛情が戻った場合と戻らなかった場合の体験談を紹介します。
夫への愛情が戻った妻の体験談
夫への愛情が冷めた妻は、夫に対して不満を抱いている場合がほとんどです。そのような妻から愚痴や文句を言われるのは、しんどいかもしれません。しかし、辛抱強く話を聞き、妻の不安や悩みに寄り添うことで、少しずつ妻が夫への愛情を取り戻したケースもあります。
子供が生まれると、家事と育児に追われて自分の時間がほとんどなくなり、ついイライラして夫に不満や文句をぶつけてしまいます。また、ホルモンバランスの変化からか、夫が近くにいるだけで気持ち悪く感じるようになりました。
近所に住む義母が心配して、ときどき子供の面倒をみにきてくれることがあり、ついでに愚痴も聞いてもらうと、気分が少しすっきりしました。
同じように、夫にも相談できることはしようと思い、不安や悩みを伝えたところ、しっかり聞いてくれて、これからどうすればよいか前向きに話し合うことができました。
夫への愛情が戻らなかった妻の体験談
多くの妻は夫に多少の不満があっても「夫には仕事があるから」などと考えて、最初は我慢しています。しかし、夫がいつまでも妻の不満に気づかず、態度を改めずにいると、しだいに妻の愛情も薄れていく可能性もあります。最後は夫に何かを期待することもやめてしまうでしょう。
夫は家事も育児もほとんどせず、休日も1人で自由に過ごしていましたが、当時の私は仕事をしていなかったので仕方ないと1人でがんばってきました。ただ、育児で精一杯で、夫への愛情が薄れていったのもこの時期です。
私が仕事に復帰したこともあって、夫も家事や育児に参加することになりましたが、常に受け身で私が「やって」と言わない限り何もしません。そのことを指摘すると「やってあげてるのに文句を言うな」と上から目線な夫といつも夫婦喧嘩になってしまいます。
今では夫が家事をすることを期待していません。夫への愛情はなくなり会話もほとんどしなくなりました。
夫への愛情が戻る鍵は夫婦の対話
妻が夫への愛情を失った理由はさまざまで事情も複雑です。夫が妻のために何かしてあげたからといって、すぐに愛情を取り戻せるわけではありません。時間はかかりますが、まずは夫婦の対話を通して根本的な原因を探りましょう。
妻からのモラハラなど、原因は夫だけにあるわけではない可能性もあります。夫に関心のない妻は、話し合いに応じないかもしれませんが、夫はいつでも聞く姿勢であることをアピールし続けると、妻も少しずつ心を開いてくれるはずです。
夫に愛情がない妻にしてはいけないこと
夫に愛情がない妻と暮らしていると心が休まらず、とりあえず何か対策をしたくなるでしょう。しかし、妻の気持ちは夫の予想以上に複雑で、よかれと思ってとった行動が裏目に出てしまうことも少なくありません。ここでは、夫に愛情がない妻に対して、夫がとるべきではない行動を紹介します。
急に話し合おうとする
夫婦の問題解決には話し合いが大切だからといって、いきなり妻に話し合いを持ち掛けても、相手にされない場合がほとんどです。実は、夫への愛情がない妻の中には、過去に妻のほうから何度も夫と話し合おうとした人が多くいます。
しかし、せっかく相談しても、夫が真剣に聞いてくれないことが続き、失望して夫への気持ちが離れてしまったのです。こうした妻はすでに夫と話し合う気力がないだけでなく、今さら話し合いを求めてくる夫に対して、自分勝手な人だと軽蔑している可能性があります。
プレゼントや言葉でカバーしようとする
妻からの愛情を取り戻そうとして、記念日でもないのに高価なプレゼントを贈ったり、優しい言葉をかけたりして妻の機嫌をとろうとする夫がいます。しかし、不自然なプレゼントは妻を物で釣ろうとしていると思われるだけで、残念ながら逆効果です。
また、このような安易な作戦で夫への評価が一変するほど妻の気持ちは単純ではありません。結果として、夫婦関係の問題に対する認識の温度差にショックを受けた妻は、何も分かっていない夫に幻滅してしまうはずです。
家庭の外に癒しを求める
夫に関心がないように見えても、妻は夫の不審な行動には敏感で、浮気や不倫を察知してしまうものです。妻が自分に愛情を持っていないからといって、浮気や不倫が許される理由にはなりません。妻から愛情が得られない寂しさを埋めるための一時的な不倫・浮気だったとしても、妻にとっては裏切り行為。離婚のきっかけとして十分です。
さらに、夫の浮気や不倫の証拠をつかみ、有利な条件で離婚するために、夫の様子に気付かないふりをする妻もいます。浮気や不倫の事実に対して多額の慰謝料が請求されるケースもあり、ちょっとした出来心のつもりの浮気や不倫は夫に大きな損害を与える結果になってしまいます。
加藤 惇
安易に不貞をした結果、何百万円ものお金を支払うことになってしまった人は珍しくありません。バレないと思っていても、意外なところから証拠をつかまれてしまうものです。安易に不貞をするようなことだけは控えた方が良いでしょう。
夫に愛情がない妻への対処法
妻の気持ちを取り戻すためには、夫婦で話し合う前に妻の状況を理解することが大切です。夫に愛情がない妻への対処法を5個紹介しますので、夫婦の状態に合わせて参考にできるものがないかチェックしてみてください。
妻が一人で休める時間を作る
夫婦の気持ちを確認し合うために話し合いは重要な手段です。しかし、有益な話し合いをするには、夫婦がお互いの状況を冷静に判断できる状態でいなくてはなりません。家事や育児、仕事などで疲れ切った妻は、精神的にも疲弊しており、きちんと話し合いができない可能性があります。
そこで、普段は妻が行っている家事や育児を一時的に夫が担当したり、家事代行サービスなどを利用したりして、まずは妻が一人で休む時間を作りましょう。可能であれば、妻が一人でしばらく実家に帰り、夫と距離を置いてゆっくり過ごしてもらうのも有効な対策になるはずです。
妻の負担を減らせるよう家事・育児に取り組む
家事や育児など家庭内での妻の負担が大きすぎると、妻は精神的に余裕が持てなくなってしまう傾向があります。すると、夫のちょっとした行動がいちいち気になって、家事分担の不公平さなど不満や愚痴をぶつけてしまいがちになり、やがて夫への愛情も失われてしまいます。
そこで、夫が家事や育児に取り組んで、妻の負担を減らすことが、妻の愛情を取り戻すのに役立つと考えられます。仕事で疲れているのに、普段は妻が行っている家事や育児までこなすのは大変かもしれません。しかし、家事や育児の一部でも負担することで、夫婦で助け合う気持ちが生まれ、夫婦関係の改善も期待できます。
妻に感謝を伝える
夫への愛情がない妻は、夫と会話をしたがりません。無視されているようで寂しい思いをしている夫も多いでしょう。しかし、そこでめげずに夫から妻へ積極的にあいさつをしたり、感謝の言葉を伝えたりしていれば、妻も心を開くかもしれません。
今さら感謝の気持ちを伝えるのは照れくさい、自分は外で仕事をしているのだから妻が家事をするのは当然で、感謝することではないといった考えもあるでしょう。しかし、感謝の気持ちは言葉にして伝えることで、初めて妻に届くものです。
また、たとえ妻が家事をするのが当然であっても、夫や家族のためにしてくれたことに対して、純粋に感謝を伝えるのはおかしいことではありません。夫からねぎらいの言葉をかけられると、妻も夫のありがたさに気付き、夫への愛情を取り戻す可能性があります。
妻の気持ちに共感する
夫への愛情が薄れた妻の気持ちを取り戻すには、妻の話をきちんと聞いて共感を示すことが大切です。妻の話が愚痴ばかりであったとしても、途中で席を立たずに最後まで話を聞きましょう。
その際に、聞かれてもいないのに勝手にアドバイスを始めたり、妻の考えを頭から否定するような意見を言ったりするのはNGです。「あなたに何が分かるのよ」と妻の怒りは夫に向いてしまいます。
それよりも「腹が立った」「つらかった」といった妻の気持ちをそのまま受け止め「それはつらいよね」といった言葉をかけると、妻も夫の共感が得られたことに満足するはずです。夫に愚痴を話してすっきりできた妻は、夫との会話の大切さに気付き、やがて愚痴以外の話題の会話も弾むことでしょう。
一緒に過ごす時間を増やす
妻と自然な会話ができるようになったら、徐々に妻と一緒に過ごす時間を増やしてみましょう。休みの日は自分の趣味に没頭したいという人もいるかもしれませんが、妻の気持ちを取り戻したいなら、妻と過ごす時間を優先させるべきです。ただ、妻が嫌がるようなら無理せずそっとしておいてください。
一緒に過ごすといっても無理にデートに誘う必要はなく、一緒に料理をしたり近所に買い物に行ったりするだけで十分です。最初は沈黙する時間が多いかもしれません。しかし、さまざまなシチュエーションで会話を重ねることにより、お互いの理解が進み、妻も夫に再び関心を向けるようになるはずです。
妻の愛情を取り戻したいなら妻の気持ちに寄り添って
夫への不満が蓄積するなどして夫から気持ちが離れてしまった妻は、夫とのコミュニケーションを避ける傾向があります。そのような場合でも、妻の気持ちに共感しつつ、徐々に夫婦一緒に過ごす時間を増やしていくと、自然な話し合いにつなげられるでしょう。
夫が努力しても妻が心を開かない場合は、夫婦関係の問題に詳しいカウンセラーに相談してみるのも対処法の1つです。専門家ならではの視点から、夫婦が抱える問題の原因が明らかになるかもしれません。
加藤 惇/CSP法律会計事務所(第一東京弁護士会所属)
弁護士として、婚姻費用・財産分与・養育費・慰謝料・不貞・親権・面会交流など、離婚にかかわる事件を特に重点的に取り扱う。依頼者の意向を丁寧にくみ取り、常に依頼者の利益を最大化することを目標に活動している。離婚事件のほか、いじめなどの学校事件も多く扱っており、子供に関する問題にも詳しい。CSP法律会計事務所所属。