体調不良時に夫が冷たい態度を取ることで悩む妻は少なくありません。高熱で寝込んでいても「大丈夫?」の一言もなく、普段通り家事を求められる。中には不機嫌になったり「大げさ」と言い放つモラハラ夫もいます。「こんな思いやりのない相手なら離婚したほうがマシ」と感じる女性もいるほど、体調悪い時の夫の対応は夫婦関係に深刻な影響を与えています。
この記事では、なぜ男性が妻の病気を心配しないのかという心理と、つらい状況を改善する対処法をお伝えします。

この記事でわかること
・体調不良時に妻を心配しない男性特有の心理的背景
・夫婦間のコミュニケーション不足や価値観の違いが体調不良時の対応に与える影響
・冷たい夫への段階的なアプローチ方法
体調不良時に夫の対応が冷たくてつらい…
妻が風邪などの病気で体調不良のとき、妻を心配して看病する優しい夫がいる一方で、妻の体調にはまるで無関心な夫がいます。中には不機嫌な表情で、「俺の飯はどうするんだ」などと自分の食事の用意のことしか頭にない夫もいて、妻は「そんなことしか言えないの」と悲しくなる方もいるかもしれません。体調不良の際に夫の対応が冷たかったという女性の体験談をご紹介します。

共働きで育児もしているのに、高熱で寝込んだ時も旦那さんは「大丈夫?」の一言もなし。家事も看病も全て私任せで、自分は普段通りテレビを見ているだけ。思いやりのかけらもない態度に、夫婦関係に不安を感じています。こんな時こそお互いをフォローし合うのが夫婦なのに…。
(30代・共働き)



風邪で体調が悪い時、主人から「ご飯はどうするの?」と言われてショックでした。洗濯や料理も当たり前のように求められ、具合が悪いことを大げさだと言われました。実家の母に相談したら「それはモラハラじゃない?」と心配されています。
(40代・専業主婦)



コロナに感染して体調不良の時、夫は機嫌が悪くなり「(俺の)仕事に迷惑がかかる」とストレスをぶつけてきました。看病どころか買い物も頼めず、一人で大変な思いをしました。結婚前は優しかったのに、普通の夫婦はこんなものなのでしょうか。気持ちが分からない相手との生活に悩んでいます。
(20代・結婚4年目)


体調不良時に冷たい夫の対応とは
「体調不良なのに夫の対応が冷たい」と言っても、いくつかのタイプに分かれます。冷たい夫のよくある対応について紹介します。


妻が頼まないと何もしない
妻に「体調が悪い」と言われても、妻のつらさに共感できず、「じゃあ、寝ていれば」などと言って特に関心を示さない夫がいます。妻が何をしてほしいか、どうしたら妻がゆっくり休めるのかなどを考えることもなく、妻を黙って見ているだけです。中には心配してそばにいるどころか、「俺がいても役に立たないから」と出かけてしまう夫までいます。
こうした夫は「病院に連れて行って」「今日の食事は自分で用意して」などと頼めば、やってくれますが、言われた以上のことはしません。自分で用意してと言われ、豪華なお弁当を買ってきたものの、妻の分はないということもよくあります。自分への気遣いが全く感じられない夫に、妻は「もう少し優しくしてくれてもいいのに」と悲しくなります。
自分の心配ばかりする
体調不良の妻を全く心配せず、自分の心配ばかりする夫もいます。体調が悪くて寝込んでいる妻に向かって「今日の弁当はないの?」「洗濯はいつごろできそう?」などと平気で聞き、「ちゃんとやってくれないと困る」と言わんばかりです。「いつ頃治りそう?」などと無神経なことを聞く夫もいます。妻も仕方なく家事をする羽目になり、ゆっくり休めません。
こうした夫は、妻が風邪を引いたときなどは途端に怒り出し「俺にうつしたらどうすんだ。仕事を休むことになったら、お前のせいだ」などと暴言を吐くこともあります。病気で気分が優れず気分が滅入っている妻は「夫の対応が冷たいのは自分が至らないからだ」と落ち込んでしまうかもしれません。
自己管理ができていないと妻を責める
妻が体調不良を訴えると、不機嫌になり「自己管理ができていない」と文句を言い出す夫もいます。こうした夫は「妻の体調不良で迷惑を掛けられた」と感じ、妻に反省してほしいと思っています。このため、なぜ体調が悪くなったのか、今後どうするのか、といったことばかり聞きます。
「夜遅くまでスマホを見ていたんじゃないか」「運動不足で体力がないんだろう」「太り過ぎだよ」などと妻の生活習慣の悪いところばかり言い募り、「大丈夫?」「今日の家事は僕がやるから、一日ゆっくりしていいよ」などといった優しい言葉は、絶対に口にしません。心無い言葉に「病気のときの冷たい夫の対応は決して忘れない」と根に持つ妻も多いようです。
なぜ妻の体調不良を心配しないの?夫の心理とは?
体調不良の妻を心配しない夫は、妻に対してどのような思いを抱いているのでしょうか。妻に冷たい夫の心理や気持ちを解説します。


男性特有の「問題解決思考」が影響している
男性は共感よりも解決策を重視する傾向があります。妻が「体調悪い」と言っても、病院に行くか薬を飲むかの解決方法を考えがちで、気持ちに寄り添う行動が不足します。旦那さんにとって体調不良は「一時的な問題」として捉えられ、看病や心配といった思いやりの表現が後回しになってしまうのです。
家事・育児は「妻の仕事」という固定観念がある
普段から家事や育児を妻に任せきりの夫は、体調不良時でも「当たり前」のように家庭のことを求めてしまいます。共働きであっても「家庭は妻の担当」という固定観念が根強く、自分がフォローする発想がありません。この態度はモラハラ的行動につながり、夫婦関係に深刻な影響を与える可能性があります。
自分も体調悪い時に我慢してきた経験がある
多くの男性は仕事を休めないストレスを抱えており、自分が風邪や高熱の時も無理して働いた経験があるようです。そのため妻の体調不良を「大げさ」と感じてしまう心理が働きます。「自分も我慢しているのに」という気持ちから、相手への思いやりが欠如し、冷たい態度を取ってしまうのです。
夫婦間のコミュニケーション不足
普段からお互いの気持ちを伝え合う習慣がない夫は、体調不良時の対応でも問題が表面化します。主人が妻の体調を心配しないのは、日常的な思いやりの表現不足が原因です。夫婦間で「大丈夫?」「ありがとう」といった基本的な言葉のやり取りができていないと、危機的状況でも相手を大切にする行動が取れません。
実家での育ち方・価値観の違い
夫の冷たい態度は、実家での両親の夫婦関係から学んだパターンの可能性があります。父親が母親の体調不良時に無関心だった家庭で育つと、それが「普通」の感覚になってしまいます。世代間で受け継がれる価値観の違いが、現在の夫婦関係に大きな影響を与えているケースは少なくありません。
体調不良時に夫の対応が冷たい場合の対処法
「体調が悪いときに、夫の対応がいつも冷たい」と感じたとき、妻はどのように対応すればいいのでしょうか。妻の対応によっては、夫の態度を改めさせることができるかもしれません。効果が期待できる対処法を紹介します。


体調不良時の希望を具体的に伝える
夫に「察してほしい」と期待せず、「心配してほしい」という気持ちを言葉で伝えることが大切です。「お願いがあるんだけど」と前置きして、「買い物を頼みたい」「家事をフォローしてほしい」など具体的にお願いしましょう。
男性は明確な指示があると行動しやすい傾向があります。曖昧な表現では伝わりにくいので、はっきりと自分の希望を言葉にすることが重要です。
自分の体調管理と無理をしない境界線作り
体調が悪い時に「大丈夫」と言ってしまう癖をやめて、素直に「つらい」「無理」と伝えることが大切です。一人で全てを抱え込まず、特に子どもがいる場合は、夫に限らず複数の支援先を確保しておくことが重要です。
夫婦カウンセリングを受ける
夫婦間の価値観の違いや思いやりの欠如は、専門のカウンセラーに相談することで解決の糸口が見つかるでしょう。モラハラ的な態度は当事者同士では改善が困難なケースが多いためです。
カウンセリングでは安全な環境でお互いの気持ちを伝え合い、夫婦関係の改善に向けた具体的なアドバイスを受けられます。第三者の客観的な視点が新しい解決策を提示してくれる可能性があります。




よくある質問(Q&A)
Q: 体調不良時だけでなく、普段から夫が家事に協力的ではありません。これも改善できますか?
A: 普段からの家事分担の見直しが重要です。体調不良時の対応は、日常的な夫婦関係の延長線上にあります。まずは小さな家事から分担を始め、お互いの負担を平等にしていくことで、緊急時にも自然とフォローし合える関係を築けるでしょう。
Q: 夫に何度言っても態度が変わりません。離婚を考えるべきでしょうか?
A: モラハラ的な態度が継続し、改善の兆しが見られない場合は、自分と子どもの幸せを最優先に考える必要があります。まずは専門のカウンセラーや信頼できる人に相談し、客観的なアドバイスを受けてから判断することをおすすめします。
Q: 実家の両親に相談したら「我慢するのが当たり前」と言われました。どうすればいいですか?
A: 世代間で夫婦関係に対する価値観は大きく異なります。両親の意見も参考にしつつ、現代の夫婦関係では思いやりと支え合いが重要であることを理解してもらいましょう。必要に応じて夫婦問題の専門家に相談することも検討してください。
Q: 共働きなのに「家事は妻の仕事」と言われます。どう説得すればいいですか?
A: 共働きの場合、家事・育児は夫婦で分担するのが当然です。具体的な時間配分や負担を数値化して見せることで、現状の不平等さを客観的に理解してもらいましょう。「協力してくれたら感謝している」という気持ちも併せて伝えることが効果的です。
Q: 夫婦カウンセリングを提案したら「そんなの必要ない」と拒否されました。
A: まずは一人でカウンセラーに相談することから始めてみてください。専門家のアドバイスを受けながら、夫との向き合い方や伝え方を学ぶことで、状況が改善する可能性があります。時間をかけて夫にもカウンセリングの必要性を理解してもらいましょう。


体調不良のとき、夫の対応が冷たいのはモラハラの可能性も
体調不良のとき、夫の態度が冷たいと「寝込んでいる私をうざいと思っているのではないか」「冷たい夫の対応が悲しく、離婚まで考えた」などという妻がいます。病気で落ち込んでいるときに、無関心な態度や不機嫌そうな表情を見せられれば、それも仕方がありません。
しかし、中には何をしたら良いのかわからないだけの夫がいますし、モラハラ気質で本当に妻に腹を立てている夫もいます。夫の真意が分からず、悩んだときは夫婦問題に詳しいリコ活のカウンセラーに相談してみましょう。きっと良いアドバイスが受けられるはずです。



