「別居から復縁は無理なのだろうか」と悩む夫や妻がいます。別居と言っても、互いに冷静になるために距離を置くケースや、一方的に相手が出て行ってしまうケースもあり、事情はさまざまです。別居から復縁が可能なケースや、復縁するための方法などを体験談とともに紹介します。
別居から復縁はできる?
さまざまな理由から別居することになったものの「どうにかして復縁できないか」と考えている人がいます。別居してから、相手に対する態度を反省し、心を入れ替えてやり直そうと思っている人も少なくありません。
夫が突然出て行って2ヶ月。結婚8年目小さい子供が2人います。
女性の影ができてから夫婦仲は悪くなり、問い詰めたりしたところ離婚しようと言われ、それから数週間後に突然でてきいました。
不倫は認めていませんし明らかな証拠もありません。しかし、別居中一度家に来た際に女性の香水か柔軟剤の匂いがきつくせっかく会えたのにかなり気が滅入ってしまいました。
今どこにいるかも分かりませんし、電話も着信拒否されています。
お金ないので探偵も雇えません。
夫は弁護士をつけると言っていましたが、私がお金がないのでそれだけは辞めてくださいとお願いしたところ、とりさげると言っていました。
私にも反省すべきところはたくさんあります。
育児に追われイライラしがちで夫への感謝の気持ちなどが薄れていたと思います。
私は反省して変わりたい…夫とやり直したいです。子供のためにもどうしても戻ってきてほしいのです。
現在夫と別居中。1年半位になろうとしています。
生活費は何とか毎月振込されてきますが
連絡は取れません。
話がしたいと連絡しても、スルーされています。
別居期間が長いと復縁は難しいですよね?
別居から復縁することはできるのか。別居を解消して復縁が可能なケースや、仲直りするためのポイントなどを紹介します。
別居する理由とは
夫婦が別居するとき、どのような理由や事情から別居するのでしょうか。夫婦はそれぞれ事情が異なりますが、よくある理由やケースを紹介します。
相手が浮気したから
別居の理由として多いのは、夫や妻のどちらか、もしくは両方による浮気や不倫でしょう。浮気をしていた配偶者が家を出る場合や、「浮気をしていた相手とは一緒に暮らせない」と言って家を出ていくケースがあります。
浮気を理由にした別居では、浮気相手との再婚を望んでいる場合や、浮気された側が深く傷ついているケースがあり、復縁が非常に難しいことも少なくありません。別居時点で、既に修復が困難になっていることもあります。
相手と距離を置きたいから
夫婦間のすれ違いや価値観の違いから互いに不満が蓄積し、「相手と少し距離を置きたい」という理由で別居するケースもよくあります。夫婦といっても、もともとは他人なのですから、考え方や価値観などが違うのは当たり前です。しかし、そうした違いを受け入れられずに、一緒に暮らすのがつらくなることもあるでしょう。
実際に、距離を置いて2人の関係を見直すことで、復縁に成功するケースもありますが、「一人で暮らしたほうが楽」「もう結婚生活には戻りたくない」と言って、離婚を親権に考え始める人もいます。
夫婦喧嘩をした勢いで
夫婦喧嘩した勢いで、そのまま家を出てしまい、別居が始まることもあります。夫婦喧嘩の理由はさまざまですが、感情的になりやすい人ほど、衝動的に家を出てしまうことが多いようです。その一方で、我慢強い人が、不満やストレスに辛抱できなくなり、思い詰めて家を飛び出すケースもあります。
衝動的に家を飛び出した人は短期間で家に戻ることもありますが、思い詰めて家を飛び出した場合などは、そのまま家に戻らず、離婚にまで至るケースも少なくありません。子なし夫婦の場合は勢いで家を出ても、あまり問題はありませんが、子供がいる場合は子供への影響も考えて、踏みとどまったほうがいいでしょう。
DVやモラハラから逃れるため
夫や妻からのDVやモラハラがひどい場合、自分の身を守るために別居するケースもあります。DVやモラハラをする人は、自分の非を認めないことが多く、復縁の話をしようとしても、話し合いにならないことも少なくありません。一方で、相手に執着するタイプの人も多く、別居した途端、自分の非を詫びて復縁を懇願することもあります。
ただ、DVやモラハラは本人の性格が大きく関わっていて、一度反省したからといって、DVやモラハラがなくなるとは限りません。被害者も精神的なダメージを受けていることが多く、復縁には加害者、被害者双方にメンタルのケアが必要なケースもあります。
離婚するため
離婚の話がうまくいかない場合や、離婚裁判を起こしても離婚が認められそうにない場合は、離婚の準備を進めるために別居することがあります。別居期間が数年に及ぶと「結婚生活を続けるのが困難で、関係修復も難しい」として、裁判で離婚が認められる可能性があります。
時間をかけてでも離婚した場合に、別居して離婚の準備を進めるケースは少なくなく、弁護士にも離婚に向けた別居を提案されることがあります。ただし、一方的に家を出ると、「勝手に家を出て離婚の原因を作った」と相手に主張される恐れがあるので注意が必要です。
別居から復縁するきっかけ
別居状態から復縁することができた夫婦は、どのようなきっかけで復縁できたのでしょうか。夫婦によって事情はさまざまですが、よくあるきっかけを3つ紹介します。
距離を置くことで冷静になれた
しばらくの間距離を置くことで、気持ちを落ち着けて結婚生活を振り返り、互いの関係を見つめ直すことができます。その結果、「やはり、相手は自分にとって大切な存在で、復縁したい」と考えるようになるケースがあります。
別居して、一人暮らしの大変さに気付く人もいます。別居をきっかけに2人で協力することの大切さを知り、相手への感謝の念が芽生えたら、雨降って地固まるという結果になるかもしれません。
子供への影響や将来を考えた
子供がいる夫婦と子供がいない夫婦を比較すると、子なし夫婦はやはり、別居や離婚のハードルが低く、一度別居してしまうと復縁は難しい傾向があるようです。「子はかすがい」と言いますが、子供の成育への影響や将来を考えると、離婚に踏み切るには覚悟が必要です。
「子供が両親に懐いているから」「子供を好きな道に進ませるには、夫婦で協力することが必要」など子供のことを考えて、復縁する夫婦は少なくありません。しかし、中には「復縁するのは子供のためで、夫婦の愛情はない」として、子供の前だけでは仲よく振る舞うという条件で、仮面夫婦となってしまうケースもあります。
話し合いの結果やり直せるめどがついた
別居を機に互いに本音で話し合いができるようになる夫婦もいます。それまでは互いの話もよく聞かず、不満や不平があっても本気に向き合ってこなかった夫婦も、真剣に話し合えば、夫婦関係を再構築するために何が必要なのかを一緒に考えられるようになるかもしれません。
真剣に話し合った結果、離婚という結論になる場合もありますが、互いに歩み寄り、やり直せるめどがつけば仲直りして復縁も可能です。
復縁を目指すのなら、別居期間はどれくらいまで?
別居から復縁を目指すといっても、別居から何年も経ってしまうと復縁は難しくなるものです。時間が経てば経つほど復縁は難しくなると考えたほうがいいでしょう。個別の事情によりますが、一般的に、別居から3年経つと裁判で離婚が認められやすくなるとも言います。復縁を目指す際の目安となる別居期間はあるのでしょうか。
別居から1年までには復縁したい
別居といっても、夫婦にはそれぞれ事情がありますから、復縁までの別居期間もまちまちです。数カ月で家に帰る場合もあれば、数年後にやり直そうと決断することもあります。ただ、別居から2、3年経つと、事情によっては離婚裁判で離婚が認められる可能性もでてきます。復縁を目指すのなら早いほうがいいでしょう。
別居期間を互いの冷却期間と考えれば、2~3カ月でお互いに冷静になって、それから復縁に向けて話し合うというのが、理想的な形かもしれません。別居から半年から1年くらいで復縁できれば、十分な話し合いや準備もできてスムーズに再スタートを切れるのではないでしょうか。
もちろん、夫婦によって事情は異なりますから、もう少し時間がかかることもあります。大事なのは、別居期間よりも、よく話し合い、納得して結論を出すことです。多少長引いても、焦らずに話し合いを続けましょう。復縁のための話し合いが続いていれば、裁判になっても離婚が認められない可能性もあります。
加藤 惇
別居期間が3年以上になってくると、婚姻関係が破綻していると評価する裁判官が多いように思います。そうすると、たとえ自分に非がなかったとしても裁判によって離婚が認められてしまうことがあります。
協議することができる関係性にあるならば、速やかに問題点を整理して協議をするべきであるといえます。
別居から復縁する方法
別居から復縁を実現するには、具体的にどのようなことをすれば、いいのでしょうか。復縁に向けて、相手にどのような働き掛けをしていけばいいのかを解説します。
別居となった問題を解決する
別居から復縁を目指すのであれば、まずは、なぜ別居することになったのかを考えましょう。復縁しても同じことを繰り返さないよう、夫婦がうまくいかないようになった問題を解決することが大切です。問題が残されたままでは、相手も「復縁して家に戻ってみよう」という気持ちにはなりません。
別居の原因が自分の浮気なら、浮気相手とはきっぱりと別れ、「二度と浮気はしない」という誓約書を書くことも必要でしょう。自分の親と配偶者との関係に問題があったのなら、親との話し合いも欠かせません。価値観や性格が合わなかったのであれば、相手の話を良く聞き、歩み寄る態度を示し、自分の意見を押しつけたりしないと約束するといいでしょう。
冷静に話し合う
別居した当初は、感情的になり目先のことしか考えられないこともあります。互いに距離を置いて冷静になれたら、今後の生活や子供の将来、老後のことなど先のことが考えられるようになるはずです。別居を機によく話し合い、お互いの考えを擦り合わせてみてもいいでしょう。仲が悪くなる夫婦は、2人で人生設計について話し合った経験が少ないものです。
互いに同じ目標に向かって歩いて行けると感じることができれば、別居の解消に向けた明るい兆しです。今後も、2人で話し合いながら問題を解決していける夫婦を目指して、とことん話し合ってみましょう。
互いを理解し歩み寄る
別居から復縁を考えてみたものの、相手の欠点が気になり、復縁に踏み切れない場合もあります。しかし、相手の欠点ばかりを見て、「別居の責任は相手にある」と考えているようでは、復縁は実現しません。結婚生活では、相手を認め、歩み寄ることも必要です。
誰でも欠点はあります。自分にも欠点があり、相手に迷惑をかけたこともあるはずです。欠点のある同士の2人が結婚生活を続けていくには、相手の長所を認め、お互いに補いながら協力していかなければなりません。今後、2人で協力し合っていくにはどうすればいいのかを考えてみましょう。
別居から復縁できた人の【体験談】
実際に、別居から復縁できた人は、どのようなことを考えて復縁に踏み切り、どのように復縁を実現したのでしょうか。別居から復縁できた人の体験談を3つ紹介します。
話し合いの結果、夫が生活態度を改めてくれたので
別居した当初は、互いに感情的になって、ひどい言い合いをすることもありますが、数カ月も経つと互いに冷静に考えられるようになるものです。そこから、子供の成長や将来、自分たちの今後を真剣に話し合うと、それをきっかけに復縁できることがあります。
私は以前、夫の無職の大借金、それなのにかなり散財する人だったので出てってもらい、1年ほど別居した事があります。
私も、相当ひどい事を言われていましたよ。。。
今思えば、あの頃の夫はストレスの塊だったんですよね。
仕事も上手く行かず、仲間にも裏切られたり、突然解雇されたり。
実の親とも揉め事が絶えず、毎日泣いていたのは夫だったのかな、と。
そんな時に子供が生まれたので焦りもあったのでしょうね。
それでも私には仕事も稼ぎもあったので、夫は更に落ち込んだのだろうと
思います。
私たち夫婦も、別居半年ほど経ってから良く話し合いました。
その時はケンカ腰になったので、復縁は出来ませんでしたが
それから更に半年経って、またケンカ腰にはなりましたが、
その時は私が出て行って、離婚届も用意して、子供の養育費など
シリアスな話をし、夫もさすがにこれではいけないと思い、色々信頼できる友達や専門家に相談したりなどして急に豹変。
借金も返済し、家族で住める家も用意して私たちを迎えてくれて
今に至ります。
愛情はなくなったが、子供のために再構築
浮気や不倫をされると、心が傷つき、相手への愛情も失われます。浮気するほうも、既に相手への愛情を失っているのかもしれません。そうした状況でも、子供のために再構築を選ぶ夫婦もいます。失われた愛情は、簡単には元に戻らず、仮面夫婦として同居生活を続けるケースも少なくありません。
不倫が分かり、1年別居しました。
小さな子供もいました。
当時は、正常な判断が出来ずに、脳内がそちらに傾いていたのだと思います。
たまに帰宅し、子供と遊び、またどこかへ。
子供たちにとって父親は、帰るではなく、来るものだと思うような存在でした。
不倫相手のところだとわかっていましたが、証拠もなく、常に疑ったり、監視したり、警戒する日々に精神的にも限界でした。
いろいろと策を練り、居場所を突き止めた途端、それを機に帰宅しました。
と同時に思ったことは、お互いに愛情はないということ。
いない生活の方が良かったということ。
ですが、子供が形だけでも父という存在を望み、離婚は様々な環境を変えてしまうので、再構築しました。
長年が経ち、主人には家族という他、何の情もありません。
家族という形はありますが、夫婦としては拒絶感でしかないです。
子供の存在のおかげで離婚を回避
一度は離婚を決意した夫や妻も、子供を親から離すのはかわいそうだと思い、離婚を踏みとどまることもあります。また、自分の子供の成長を見届けたいと思うこともあるでしょう。子供のために復縁して、その後、夫婦の間の愛情が少しずつ戻っていくこともあります。
妊娠中に私が精神不安定になり、家を飛び出しました。旦那はその時は引き留めており、離婚もしたくないと。しかし、別居中に旦那の気持ちが変わり、もう修復は無理だと言われ、別居のまま出産しました。出産後、私は復縁を希望しましたが旦那の意思は固く、もう別れたいと。どん底の中、必死で育児をしてましたが、旦那がやはり子供と一緒にいたいので、私のことをもう一度受け入れてみると。それでだめなら次こそ離婚という話でまとまり今はうまくいっています。すぐには前のように愛せないと言われてますので、正直苦しい時もありますが、自分で蒔いた種の結果であり、子供もいるので、出来る限り明るく過ごしています。先日、同居を始めた時よりは好きだと言ってくれました。
別居から復縁した後に夫婦関係を再構築するには
別居から復縁したとしても、仲直りして夫婦関係を再構築できるとは限りません。世間体や子供のためだけに、同居するという夫婦もいます。ただ、別居を解消するだけでなく、壊れた夫婦関係を再構築するにはどうすればいいのでしょうか。夫婦関係の再構築に必要なことを紹介します。
本音で話し合う
やはり夫婦の関係を再構築するには、話し合いが欠かせません。仲の良い夫婦というのは、会話を欠かさないものです。最初はぎこちない会話しかできないかもしれませんが、できるだけ本音で話をするように心がけましょう。
本音を言い合っても喧嘩にならず、互いの言い分や考えを尊重して、双方が折り合うために話し合える関係が築ければ、大抵の問題は2人で乗り越えることができるでしょう。
隠し事をしない
夫婦関係を再構築しようと思ったら隠し事をしてはいけません。信頼関係も損なわれた状態で隠し事をしてしまうと、相手の不信感が増大し、再構築は進みません。隠し事をしないということは、やましいことをしないというだけでなく、相手を信頼してすべてを明らかにするということです。
夫婦関係の再構築には、信頼関係が欠かせません。お互いに隠し事をしないことから、信頼関係を築いていきましょう。
相手を認めて、考えを尊重する
復縁をした後も、喧嘩をしてしまうことがあるでしょう。本音で話し合う以上、意見がぶつかることもあります。しかし、以前のように夫婦関係を損ねてしまうような喧嘩をしてはいけません。
喧嘩をしても仲の良い夫婦であり続けるには、相手の言い分にも耳を傾けて、相手の意見や考えも尊重することが大切です。互いに意見を尊重し合って、妥協点を見つける努力をすれば、喧嘩をしても不満やわだかまりが残ることがなく、夫婦の絆も強まるはずです。
出典: リコ活MEDIA
別居から復縁する方法に悩んだら専門家に相談を
一度別居した夫婦が復縁するのは簡単ではありません。しかし、お互いに復縁する気持ちがあり、真剣に話し合って問題を解決すれば、決して不可能ではありません。どうやって復縁したらよいのかわからないときは、夫婦関係に詳しいカウンセラーといった専門家に相談してもいいでしょう。きっと、良いアドバイスが受けられるはずです。
加藤 惇/CSP法律会計事務所(第一東京弁護士会所属)
弁護士として、婚姻費用・財産分与・養育費・慰謝料・不貞・親権・面会交流など、離婚にかかわる事件を特に重点的に取り扱う。依頼者の意向を丁寧にくみ取り、常に依頼者の利益を最大化することを目標に活動している。離婚事件のほか、いじめなどの学校事件も多く扱っており、子供に関する問題にも詳しい。CSP法律会計事務所所属。