【座談会③】離婚?修復?見極めポイントと夫婦カウンセラーのスタンスとは
更新日: 2024年10月01日
夫婦関係がこじれてしまった場合、離婚か関係修復か、どちらを選べばよいのかわからないという方もいるでしょう。今回は、経験豊富な4名の夫婦カウンセラーから、修復可能な基準や一発アウトという離婚の基準などを聞きました。また、夫婦関係に悩む方々にとって、夫婦カウンセラーとはどのような存在なのかについてもお話しいただきます。
男性のカウンセリング依頼が増加中
――カウンセリングを依頼される方の男女比はどれくらいですか。
すみよし:カウンセラーによって異なりますが、私の場合は男性が多いです。
渡辺:最近は男性が増えたと思います。男性からのお申込みで夫婦ペアカウンセリングを行うことも増えました。
――男性からの相談が増えたというのは、社会的な変化も関係しているのでしょうか。
高草木:それはあると思います。女性側のモラハラも多くなってきているようなので、それに対し「助けを求めていいんだ」「相談してもいいんだ」と行動に移す人が増えてきたのではないでしょうか。
大野:男性だと「女性の心理が知りたいから」と女性カウンセラーに相談する方も多いです。
――みなさんは女性ですが、どのようなスタンスでカウンセリングに臨まれているのですか。
高草木:女性の相談者から「私の味方になって旦那に言ってやってください」というスタンスでご相談に来られる方もいるのですが、私としてはそれはできない。
すみよし:それはどちらかといえば弁護士、代理人の進め方だよね。
高草木:たまにそういう方がいらっしゃるので、必ず最初に「私はどちらかの味方ではなく、立場的にはお二人の間の通訳として、かみ砕いたりわかりやすくして双方に伝える夫婦カウンセリングスタイルです」と伝えています。
修復か、離婚か。その見極めは?
――相談者自身が「どうしたいかわからない」といった場合には、修復か離婚かどのように見極めるのでしょう。
大野:修復した方がよいケースは、話し合いで何とかなるケースだと思います。価値観の不一致や、お互いの勘違い、受け取り方の違いであれば修復できるのではないかと思うんです。
私自身の経験談なのですが、女性関係、ギャンブルや暴力が理由なら、我慢せず、相手が変わることも期待せず離婚して自分の幸せを掴んだ方がよいのではないかと思ってしまいます。
すみよし:モラハラの場合は、「自分が悪いから相手が怒るのだ」と思わされてしまうので、まずはそこに気付いてもらうことと、離れた方がいいのでは? というお話をすることが多いです。
高草木:私たちは言語を持っているのだから、それを使えばよいだけの話であって暴力は一発アウトです。
暴力も長年のモラハラもアウトではあるのですが、先ほど(大野)まり子さんが言ったように、話し合いはしたのかと。腹を割った話し合いを重ねたうえで離婚というのなら仕方ありませんが、そこまで話し合いをしたことがないのなら、まだ離婚のレベルではないでしょう? まだいくらでも話し合えるんです。
渡辺:理想は穏やかな話し合いができる夫婦になることじゃないですか。感情的になって泣いたり怒ったりすると相手には本当の思いは伝わらないのではないかと思います。
みなさんの話と重複しますが、身体的に傷つけられたり、相手が重度のギャンブルやアルコール依存症の場合は難しいですよね。我慢や無理は長続きしないので、頑張りすぎる必要はないと思います。
大野:浮気の1回や2回は仕方ないこともあるかもしれませんが、不特定多数と繰り返す人は依存に近いですよね。
選択肢を提示するのが夫婦カウンセラーの仕事
――この4名の間では、修復と離婚に対する共通認識が見えたのですが、他のカウンセラーさんに相談することで、相談者の選択が変わることもあるのでしょうか?
すみよし:「他のカウンセラーにはこう言われました」と何名かに相談している方もいらっしゃるようです。きっとこの4人の中でもそれぞれ違うと思うので、自分に合う人に相談すればいいと思いますけどね。
高草木:カウンセラーによっては自身の経験をもとに感情移入しすぎる余り「こうした方がいい」と決めつけてしまう方もいるようです。
でも私たちのスタンスというのは、私たちが相談者の選択を決めるわけではないということ。話をよく聞いて「こういう方法もありますよ」と提案して、ご本人に考えてもらうんですよね。
大野:私たちは後悔してほしくないからこそ、ご自分で決めてほしいんですよ。私たちが決めてしまって後から「こんなはずではなかった……」と思われても責任が取れるわけではありませんから。
夫婦カウンセラーはいろいろな案を出す人ではあるけれど、もちろん強制はしませんし、最終的に決めるのはあなたです、とお伝えします。
すみよし:いろいろなケースを知っているので、似たようなケースの場合に「こうした人がいた」「別の方法をとった人もいた」とお伝えする。そのうえで、どれかを選んでもいいし、全く別でもいいし、とにかくやれることは全部やりましょう、という思いです。
高草木:選択肢を並べて、「私(僕)はこういう方向がいい」と決まったら、それに向けて全力でお手伝いをします。
渡辺:カウンセラーの良さはたくさんの事例を知っていることですからね。たくさんの事例を見ているので傾向がわかる。一般論でいうとこうした方がいいかな……という傾向はお伝えしても押し付けたりはしません。
大野:正直、何が正解かというのはご本人が決めることです。たとえば、「離婚してすごく幸せだ」と決めるのも「頑張って再構築して幸せだ」と決めるのもご本人なのです。
とにかく、私たちはご本人を真ん中にして常に寄り添う伴走を心がけている4人です。
【座談会④】幸せになれる人の特徴は?夫婦カウンセラーが明かすカウンセリングのメリット
大野 まり子:https://ricokatsu.com/counselors/64a1cfcc6b3c230012feeac4
高草木 陽光:https://ricokatsu.com/counselors/649965739390720012691e9a
すみよし ひさこ:https://ricokatsu.com/counselors/64799b144d2f360012519a86
渡辺 里佳:https://ricokatsu.com/counselors/64708e3905412900121544f7
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この記事は2024年4月23日に公開しました。
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