【コラム#6】再婚と共同養育の両立、親が代わるのではなく「増える」という視点

更新日: 2025年10月15日

「再婚」後も「共同養育」は両立可能なのでしょうか。一般社団法人りむすび代表、共同養育コンサルタントのしばはし聡子さんに、同居親と別居親、それぞれの立場で異なる注意点についてお話いただきました。再婚相手の選び方から子どもへの伝え方まで、理想と現実のギャップを埋めるヒントをお届けします。

再婚は子どもの気持ちを中心に考える

親の再婚と共同養育の両立は、実は多くの方が悩むポイントです。私自身も離婚と再婚を経験しましたが、「再婚は子どもが巣立つまで待とう」と決めていました。これは必ずしもすべての人に当てはまる考え方ではありませんが、子どもを中心に考えることの大切さを実感しています。

<別居親の場合>共同養育を理解する再婚相手選びを

共同養育をしながら再婚を考える場合、最も重要なのは相手選びです。特に別居親の立場であれば、相手が共同養育に理解を示してくれるかが鍵となります。

初めから完全に理解してもらうのは難しいかもしれませんが、「前の妻や子どもとは一切関わらないでほしい」と考える相手であれば、結婚は慎重に考えた方がいいでしょう。子どもと関係性を保つことは大切な責任だと、相手に伝え理解してもらうことが大切です。

<同居親の場合>再婚相手が「子どもの親」になる必要はない

子どもと同居している親が再婚する場合は、さらなる配慮が必要です。子どもにとっては、離婚で父親(または母親)が不在になることより、他人(再婚相手)と暮らすことの方が大きな変化かもしれません。

ここで大事なのは、新しいパートナーが「子どもの親」になる必要はないということ。子どもにとって実の親はかけがえのない存在であり、新たに一緒に暮らす人は「子どもをさらに支えてくれる人」という位置づけであることを理解しておくことが重要です。

もう一つ重要なのは、子どもの意見を尊重すること。子どもが再婚に強く反対している場合は再婚せず、時間を置いて子どもの成長を待ってから、という選択肢もあります。

親が切り替わるのではなく「増える」という視点

再婚を子どもに伝える際には、「離婚してもお父さんは変わらず『お父さん』だよ。新しく来る人は、パパと呼んでもいいし、〇〇君と呼んでもいい。ただ、あなたのことを大事に思ってくれている人だよ」などと伝えるといいと思います。

親は「切り替え制」や「引き継ぎ制」ではなく、「増えていく制」という考え方で説明すると、子どもも混乱せずに受け入れやすくなります。実の親がいなくなって別の人に代わるのではなく、子どもを大切に思う人が増えるという視点です。

再婚に理想を持ちすぎないこと

再婚家庭では、最初から全てがうまくいくと期待しないことも大切です。子どもと再婚相手が仲良くなるとか、みんなで一緒に食事をするといった理想を持ちすぎず、それぞれの一対一の関係性(自分と子ども、自分とパートナー、パートナーと子ども)が最低限できていれば合格だと考えてスタートすることをお勧めします。

子どもの気持ちも年齢によって大きく変わりますから、焦らずに関係を築いていくことが大切です。

ここで後回しにされがちなのがパートナーへの配慮。血が繋がっていないからこその疎外感を感じ溜め込んでいる可能性もありますので、都度すり合わせをしていくことが重要です。

再婚と共同養育の両立は決して簡単ではありませんが、子どもを中心に考え、それぞれの関係性を大切にすることで、新しい家族の形を作ることができます。子どもにとって大切なのは、実の親との関係が変わらないこと、そして自分を大切に思ってくれる人が増えることを実感できることではないでしょうか。

 

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一般社団法人りむすび:https://www.rimusubi.com/

※この記事は2025年10 月15日に公開しました

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