夫婦間のセックスレスは、多くの夫婦が抱える深刻な問題です。「旦那が抱いてくれない」と悲しい思いをしている妻は少なくありません。しかし、感情的になって問い詰めても逆効果になることがあります。本記事では、旦那が抱いてくれない理由や効果的な対処法、やってはいけないNG行為について、体験談を交えて詳しく解説します。
この記事でわかること
●夫が抱いてくれない時にやってはいけないNG行為
●夫が抱いてくれない8つの理由
●セックスレス解決のための3つの対処法

弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所(東京弁護士会所属)
2009年の事務所開設以来、女性側の離婚・男女問題の解決に注力しています。年間700件以上、累計5000件以上の相談実績があり、多様な離婚のノウハウを蓄積。
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夫が抱いてくれなくて悲しい…
夫婦関係が悪化する原因としても知られる「セックスレス」。日本性科学会の定義によると「特別な事情がないにもかかわらず、性行為やセクシュアルコンタクトが一ヶ月以上ない状態」をセックスレスと呼びます。
セックスレスでも夫婦円満というケースもありますが、誘っているのに相手に拒否され悲しい思いをする妻や夫もいるようです。どうすれば夫は応じてくれるのでしょうか。夫が抱いてくれないときの対処法や、やってはいけないNG行為などを説明します。

夫に誘いを断られています。妊娠をきっかけに夫は誘ってこなくなりましたが、子供が産まれたら前みたいにしようねーと話していましたが、激減し、今じゃ「疲れているからまた今度」と言われてセックスレス状態です。



思いきって自分から誘ってみました。でも「さすがに眠いから無理」と不機嫌そうに言われ、断られました。恥ずかしさを我慢して勇気を振り絞って言ったのに….不機嫌そうに断られたのがすごくショックで、それからは誘えません。
夫が抱いてくれなくて悲しい時にしてはいけないこと
思い切って誘ったのに、夫が抱いてくれないと妻は悲しい気持ちになります。だからといって夫につらく当たっても問題は解決しません。次に紹介するような行動は、夫をますます消極的にしてセックスレスを深刻化させる可能性があります。
夫婦なら当然すべきと怒る
夫婦であればセックスをするのが当然だという思い込みがあると、セックスを拒否する夫が非常識であるように感じます。また、妻から誘ったのに夫が抱いてくれないと悲しい気持ちになり、つい被害者意識をもってしまいがちです。
しかし、夫婦であっても性的な行為をするときはお互いの同意が必要で、強制するものではありません。さらに夫も「あなたはおかしい」と怒って詰め寄ってくる妻とは、セックスをしたいと思えないはずです。妻からの求めに積極的に同意してくれるよう、夫に対して思いやりを持って接することが大切です。
なんで求めてくれないの?と問い詰める
なぜ抱いてくれないのか妻が理由をたずねても「疲れているから」「明日の朝早起きしないといけないから」と答える夫が多いようです。実際にその通りの場合もありますが、妻との喧嘩を避けるため、こういった無難な回答をしているケースもあります。
しかし、常に夫から同じ返答しか得られないと、自分に魅力がないのだろうかと不安で悲しい気持ちになるかもしれません。また、妻は理由を尋ねただけのつもりでも「なんで?」と言われると夫は自分が責められているようで苦痛に感じます。
夫が抱いてくれないからといって、愛情が薄れたわけではないケースもあります。それなのに、夫の気持ちを無視して攻撃的な言葉をぶつけてしまっては、愛情まで失ってしまうかもしれません。
誘うように圧をかける
夜に夫が誘ってくることを期待して、いい雰囲気になるよう仕向けるのも逆効果になる可能性があります。普段と違った派手な下着を身に着けるなど、やけに積極的な妻から無言の圧力を感じて、逆に夫は不快に思ったり、やる気を失ったりする可能性があります。
夫が抱いてくれない理由は?【夫の声】
デリケートな話題だけに、抱いてくれない理由を妻が夫に直接問い詰めても、夫はなかなか本音を言い出せません。そこで、男性からの体験談とともに、夫が抱いてくれない理由としてあるケースを8個紹介します。
仕事で疲れているから
仕事に全力を尽くすタイプの夫は、家に帰ったらすでに疲労困憊で、妻とセックスする体力が残っていないというケースが多いようです。もともと男性は他人と競い合って目的を達成する闘争本能が高いといわれており、仕事や恋愛においてもそのような性質がみられます。
結婚前までは他の男性に取られないよう、好きな女性へ献身的に愛情を注ぎます。しかし、結婚して目標が達成されたと感じたら、闘争本能は仕事など別の方向へ向かうようです。すると家庭はもはや安らぐ場所であり、本能を発揮するところではないと考えてしまいます。



激務で自分が疲れてるからか性欲が全くなくて…妻からの誘いを断ってばかりの日々が続いています。断ると毎回泣かれてしまい、さらに性欲がなくなってしまいます。
次の日を考えると面倒くさいから
翌日に大事な予定が控えており、さっさと休んで次の日のために備えたいという理由で抱いてくれない夫もいます。妻がたまたまそのようなタイミングで誘ってきても、翌日に疲れを残したくないからと断ってしまいます。こういった男性は、妻とのセックスはいつでもできると考えており、面倒くさがってしまいがちです。



自分が管理職になってからは責任が重くなり、精神的に辛い状況が続き、常に激務です。次の日のことを考えると、とてもセックスする気持ちにならないんです。今はセックスよりも心の癒しになってほしいんです。
家族にしか見えなくなったから
夫が抱いてくれない理由として、妻のことを家族としてしか見られなくなったというケースもあります。特に産後や子供が小さいときは「お母さん」という雰囲気が強く、触れてはいけないと感じる男性は多いようです。
さらに、夫にあれこれ世話を焼き過ぎていると、夫自身の母親と姿が重なって見えることもあるようです。「しっかりしなさいよ」「忘れ物ない?」といった言葉を夫につい言ってしまっていないか注意しましょう。



妻のことは大事に思っています。でも、子供が産まれてからは「家族感」が強く出てしまって。それに年齢のせいか、セックスをしたら疲れる、家ですることに抵抗があるなどの気持ちがあって。そんなことなら一人でしたほうが楽だと思うようになってしまいました。
だらしない姿に見慣れて魅力を感じないから
妻の容姿が変わってしまって女性として魅力を感じないため、抱いてくれない夫も少なくありません。結婚して数年たつと、つい気が抜けて、夫の前でもボサボサ頭のまま、ソファに寝転んでいるのが平気になってしまう傾向があります。夜に寝室でそのような妻の寝顔を見ても、夫は抱きたいという気分になれないのかもしれません。



結婚後、専業主婦になった妻の部屋着姿しか見ていません。独身時代はキリッとしたセットアップを着て、女性らしさを感じていましたが、今は部屋着姿の妻を女性としてではなく、家族として見てしまうので、抱きたい気分にはなれないです。
マンネリでつまらないから
妻とのセックスに飽きてしまったという理由で、夫が妻からの誘いを拒否してしまうことがあります。毎回同じパターンだと、新鮮さがなくなり、マンネリ化してつまらないと感じてしまうようです。



妻とは10年ほどお付き合いして結婚したので、結婚後は自分の中で性欲が落ち着いてしまいました。どうしてもお互い同じパターンになるので、新鮮さもなく、つまらなく感じてしまうんですよね。
妻に負担をかけたくないから
夫が抱いてくれないのは、夫が妻に負担をかけないよう気を遣っているからかもしれません。特に小さな子供がいる家庭では、夫が仕事などで留守の間も、妻は一日中育児や家事にかかりきりです。疲れた妻を少しでも寝かせてあげたいからと、妻に遠慮している可能性があります。



1歳と3歳の子供がおり、夜泣きなどすべて妻が対応してくれています。自分もしなければと思っていますが、どうしても目が覚めなくて….性欲はありますが、妻の疲れた姿を見て誘う気にはなれないですね。
自分に自信がないから
体調や年齢の影響で、精力的に自信が持てなくなったことから、妻を抱いてくれない夫もいます。また、ED(勃起不全)が疑われる場合、夫は妻を誘おうとしません。このような理由は男性にとってデリケートな問題ですから、妻の不満を一方的に不満をぶつけず、夫の気持ちに寄り添うことが大切です。



自分は経営者ですが、会社経営によるストレスや過労が原因で鬱・EDになってしまいました。妻への申し訳ない気持ちはあるんですが、どうしてもできないです。
元々性欲が少ないから
夫が抱いてくれないのは、そもそも夫の性欲が少ないのが理由かもしれません。義務感や好奇心から何度かセックスをしてみたものの、特に楽しいと感じなかったというケースもあります。こういった夫は夫婦生活がなくても問題ないと考えており、なぜ妻が悲しいと感じているのか、いまいち理解できません。



性欲そのものは全くないわけではないですが、結婚前からセックスに対しての欲がなく、セックスより睡眠を優先してしまいます。妻も働いていて私よりも朝が早く、妻のことを気遣ってしまって誘えないときもあります。
夫が抱いてくれなくて悲しいときは夫婦カウンセリングを受けよう
セックスレスの悩みを一人で抱え込んでいても、問題の根本的な解決には至りません。夫婦カウンセリングは、お互いの気持ちを理解し合い、関係を修復するための有効な手段です。
夫婦カウンセリングでは、専門のカウンセラーが中立的な立場で夫婦間のコミュニケーションをサポートします。セックスレスの原因となっている夫婦関係の問題を客観的に分析し、お互いが納得できる解決策を見つけることができます。
多くの夫婦は、セックスレスについて直接話し合うことに抵抗を感じがちです。しかし、カウンセラーの助けを借りることで、普段は言えない本音を安心して伝えることができます。旦那さんが仕事のストレスを抱えている場合や、妻側が産後の体調変化で悩んでいる場合など、それぞれの状況に応じたアドバイスを受けることが可能です。
もし夫婦カウンセリングを受けることに抵抗がある場合は、まずは一人でカウンセラーに相談してみることをおすすめします。自分の気持ちを整理し、どのように旦那さんにアプローチすべきかアドバイスを受けることで、問題解決への第一歩を踏み出すことができます。




夫が抱いてくれない時の対処法【体験談】
夫が抱いてくれないと、女性として終わったような悲しい気持ちになってしまいます。ネガティブな気持ちから脱出し、夫を振り向かせるのに役立つ可能性のある対処法を3個紹介します。


自分磨きをする
夫婦ともに年齢を重ねると、白髪や顔のしわが増えるなど、容姿が変化するのは仕方のないことです。しかし、女性らしさを忘れず、愛情をもって夫に接することで、夫にとって魅力的な存在でい続けられるかもしれません。
家の中でも軽くメイクをしたり、おしゃれな部屋着を選んだりして、最低限の身だしなみくらいは整えるようにしましょう。また、乱暴な言葉遣いを控え、夫への感謝を伝える習慣をつけるなど、外見だけでなく内面の自分磨きも必要です。



産後から在宅ワークの仕事を始めましたが、通勤で動かず人とも会わないので、表情筋を使わない顔はたるみ、体重も増える一方でした。朝から晩まで化粧もせず同じ格好でいる妻を夫はどう思っているのだろうと、ふと不安になりました。
それからは外に出ない生活でもきちんと身なりを整え、美容院にも頻繁に通うように意識しました。そうすると、自分のモチベーションも上がり、夫も前よりよく話かけてくれるようになりました。



今まで家にいるときは部屋着の妻しか見たことなかったのに、独身の頃のようにきちんとメイクしたり、服にも気を遣いだしたりしたときは、うれしかったですね。きちんと身なりを整えている妻の姿はやっぱり女性らしくて綺麗なので。
仕事や趣味に没頭する
妻から誘ったのに夫が抱いてくれないことが続くと、悲しい気持ちを引きずって、普段から気分が沈みがちになるかもしれません。そのようなときは、仕事に没頭したり夢中になれる趣味を見つけたりすると、悲しい気持ちもまぎれます。
また、妻が仕事などで帰宅が遅くなり、夫と過ごす時間が減ると、夫は妻が恋しいと思うようになる可能性があります。さらに「いつでも抱けるから」と夫婦生活を面倒くさがっていた夫も、考えを変えるかもしれません。



勇気を振り絞って誘って、断られたら悲しくて….こんなことで悲しい気持ちを引きずるのは馬鹿みたいだなと思い始めて。忙しくしていれば、何も考えなくて済むと思い、今までしたかった韓国語の勉強をし始めました!



今まで、過労で妻からの誘いを断り続けていました。いつか仕事の激務が落ち着いたらと思っていたら、妻が趣味に没頭し始めて。休日は趣味がきっかけでできた友人たちと外出することも増え、このままでは妻に必要とされなくなるかもと焦った時期がありましたね。
推しを見つける
夫が振り向いてくれずに悲しいなら、アイドルや歌手など、夢中になって応援したいと思える「推し」を作りましょう。芸能人とはいえ、妻が自分以外の人に入れ込んでいるのを見た夫は、妻の気持ちが離れるのではと焦るかもしれません。すると妻の愛情を取り戻すために、夫婦生活にも積極的になるはずです。
ただし「推し」は芸能人やアニメのキャラクターなど、簡単には会えない人物にしておきましょう。夫の気を引きたいからと、身近な男性と浮気をしてしまうと、不貞行為として夫側から離婚を求められても拒否できない立場となってしまいます。



付き合ってから結婚してずっと仲良く過ごしてきましたが、子供を産んでから求められなくなり、セックスレスになりました。私がひょんなことから最近、某韓国アイドルグループにハマり、今まで私が何をしてても興味を示さなかった夫が私に興味を示してきました….!



アイドルなんて媚び売って気持ち悪いと言っていたくらい、興味のなかった妻が急に、某有名韓国アイドルグループにハマり。
まぁすぐに飽きるだろうと思っていたんですが、今までスマホの待ち受けは私との2ショットだったのに、推しの写真に変わっていました。待ち受けが変わったときは、焦りを感じました。
セックスレスで離婚が成立する?条件は?
この先ずっとセックスレスの状態が続くなら、夫と離婚したいと思うことがあるかもしれません。セックスレスを理由に離婚はできるのか、離婚できる条件を説明します。次のような状況に1つでも当てはまるものがあれば、離婚できる可能性が高いといえます。
・夫婦ともに離婚に同意している
・夫の浮気やDVなどの証拠がある
・妊活に非協力的など考慮すべき事情がある
夫婦ともに離婚に同意していれば、セックスレスに限らずどのような理由でも離婚が可能です。夫の同意が得られないときは、裁判所に離婚調停を申し立て、調停委員を間に入れた話し合いをすることになります。それでも解決しなければ、離婚請求をして裁判で離婚が認められたら、夫の同意がなくても離婚できます。
その際、自分に離婚の原因がなく、婚姻関係が破綻していると認められる「離婚事由」がなければ、訴訟が起こせません。セックスレスという理由で離婚訴訟を起こすこともできますが、それだけで裁判所に認められるかどうかは個別の事情で判断されることになり、一概には言えません。
ただし、セックスレス以外に夫の浮気や妻へのDVといった、婚姻の継続が難しいと判断される理由があれば離婚が認められる可能性は高くなります。また、セックスレスに加えて、妊娠・出産を前提に結婚したのに、夫が妊活に非協力的といった事情も、離婚の理由として認められることがあります。


【Q&A】セックスレス夫婦関係のよくある質問
Q1. セックスレスはどのくらいの期間続くと深刻な問題になりますか?
日本性科学会の定義では1ヶ月以上性的接触がない状態をセックスレスとしていますが、夫婦によって感じ方は異なります。重要なのは期間よりも、お互いがその状況にどう感じているかです。 一方が苦痛に感じているなら、早めに対処することが大切です。


Q2. 妊娠・出産後のセックスレスは一時的なものですか?
妊娠・出産を機にセックスレスになる夫婦は多く、これは自然な現象です。しかし、放置すると長期化するリスクがあるため、お互いの気持ちを理解し合うことが重要です。 体調の回復を待ちながら、スキンシップから段階的に関係を再構築していくことをお勧めします。
Q3. 夫婦でセックスの頻度について話し合うべきですか?
デリケートな話題ですが、お互いの価値観や希望を理解するためには話し合いが必要です。 攻撃的にならず、お互いの気持ちを尊重しながら話し合うことで、より良い関係を築けます。タイミングを見計らって、リラックスした雰囲気で話し合いましょう。


Q4. セックスレスが原因で浮気をしてしまいそうです。どうすればいいですか?
セックスレスによる欲求不満は理解できますが、浮気は夫婦関係をさらに悪化させ、離婚事由にもなりうる危険な行為です。 まずは配偶者との関係改善に努め、それでも解決しない場合は夫婦カウンセリングを受けることをお勧めします。一人で抱え込まず、専門家に相談しましょう。


Q5. 更年期がセックスレスの原因になることはありますか?
更年期による身体の変化は、男女ともにセックスレスの原因となりえます。ホルモンバランスの変化により性欲が減退したり、身体的な不調が起こることがあります。 医師に相談して適切な治療を受けることで改善する可能性があるため、恥ずかしがらずに専門医を受診することが大切です。
夫が抱いてくれないからと厳しく問い詰めるのはNG
妻から誘っても夫が抱いてくれないとき、夫側にも疲れていたり自信がなかったりと、さまざまな事情があります。妻がみじめで悲しい気持ちになるのも当然ですが、夫を厳しく問い詰めると、セックスレスの状態が長引く可能性があります。まずは、妻が夫の気持ちを受け止め、夫にとって魅力的でいられるよう自分磨きに取り組んでみましょう。