

「セックスレスの原因がわからない」



「パートナーがなぜ応じてくれないのか、気持ちを知りたい」
このように悩む方は多いかもしれません。
セックスレスになる背景には、仕事や家事・育児による疲れ、夫婦間のすれ違い、性欲や体調の変化など、さまざまな理由が考えられます。また、夫または妻のどちらか一方だけではなく、いくつかの事情が重なっている場合もあります。
この記事では、セックスレスの原因について、夫・妻それぞれに考えられる理由や夫婦に共通する原因を整理し、原因に応じた対処法について解説します。
この記事でわかること
●セックスレスの原因と、夫・妻それぞれに見られる具体的な理由
●夫婦に共通して考えられるセックスレスの原因
●原因を整理する方法と、状況に応じた対処法
上野 敬子
不妊治療を経た離婚、国際離婚と二度の離婚を経験。現在は子連れ再婚で4人の子を持ち、多様な家族形態への深い理解がある。
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特に国際カップル特有の文化の違いや子育て方針の相違など、デリケートな問題に強みを持つ。自身の経験を活かし、相談者が一人で抱え込みがちな問題に具体的な解決策を提示する。


セックスレスの原因は一つとは限らない


セックスレスになる理由は夫婦によって異なり、「夫が拒否しているから夫に原因がある」「妻が応じないから妻に原因がある」と単純に判断できるとは限りません。
大切なのは、どちらか一方に原因を求めるのではなく、セックスレスになった時期や、その前後の夫婦関係、生活の変化などを振り返ることです。そうすることで、今の状況につながったきっかけが見えてくることもあるでしょう。
また、夫婦がお互いに抱えている不満や希望に気づいていない場合もあります。自分では特に問題がないと思っていても、相手は違った受け止め方をしているケースもあるため、一方的に原因を決めつけないことも大切です。
次からは、夫・妻それぞれに考えられる主な原因を見ていきます。
夫に考えられるセックスレスの主な原因


セックスレスになる背景には、夫側の心身の状態や、妻との関係が影響していることがあります。
夫に考えられる主な原因は、次のとおりです。
- 仕事や家庭での負担によるストレスや疲労
- 妻を異性として意識しにくくなっている
- 性欲の低下やEDなど身体面に変化がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。


仕事や家庭での負担によるストレスや疲労
仕事や家庭のことで忙しい日々が続くと、ストレスや疲れがたまり、セックスまで気持ちが向かなくなることがあります。
特に、長時間労働が続いていたり、仕事や家計などにプレッシャーを感じていたりすると、心身に余裕がなくなりやすくなります。精神的な疲労が重なることで、性行為そのものを負担に感じてしまうこともあるでしょう。
本人に妻を避けるつもりがなくても、疲れてすぐに眠ってしまったり、二人でゆっくり過ごす時間を取れなかったりする状態が続けば、自然とセックスの機会も減っていきます。
妻を異性として意識しにくくなっている
結婚生活が長くなるにつれて、妻を異性というよりも家族として意識するようになり、セックスへの関心が薄れることがあります。
特に、子どもが生まれたり、仕事や家事・育児を中心とした生活になったりすると、夫婦二人で過ごしていた頃とは関係性も変わっていきます。毎日の生活が同じような流れになり、夫婦関係にマンネリを感じることもあるでしょう。
妻への愛情がなくなったわけではなくても、家族としての存在が大きくなることで、異性として意識する機会が減り、セックスレスにつながる場合があります。
性欲の低下やEDなど身体面に変化がある
性欲や体調の変化など、身体面の問題がセックスレスにつながるケースもあります。
たとえば、加齢や体調、生活習慣などによって性欲に変化が生じたり、勃起不全(ED)によって性交渉に不安を感じたりすることがあります。
EDなどの悩みがあっても、妻に伝えにくく、一人で抱えてしまう人もいるでしょう。その結果、誘われること自体を避けたり、セックスの機会を作らなくなったりする場合があります。
身体面で気になる症状が続いている場合は、本人の気持ちだけの問題と決めつけず、必要に応じて医療機関への相談を検討することも大切です。
妻に考えられるセックスレスの主な原因


妻側の心身の状態や、夫婦関係の変化がセックスレスにつながることもあります。
妻に考えられる主な原因は、次のとおりです。
- 家事や育児による疲れや負担
- 夫への不満や気持ちのすれ違い
- 性欲の低下や自分の体への不安
それぞれ詳しく見ていきましょう。
家事や育児による疲れや負担
家事や育児に追われ、心身に余裕がなくなることも、セックスレスにつながる原因の一つです。
特に、家事や育児の負担がどちらか一方に偏っている場合は、毎日の疲れがたまり、夜は少しでも休みたいと感じることもあるでしょう。子どもが小さい時期は、夜泣きや授乳などによって十分な睡眠を取れないケースもあります。
夫への愛情があっても、疲労が続いているとセックスまで気持ちが向かないことがあります。セックスレスになった時期と出産や育児が重なっている場合は、生活環境や負担の変化も振り返ってみることが大切です。
夫への不満や気持ちのすれ違いがある
夫婦生活の中で不満が積み重なると、相手との身体的な触れ合いに気持ちが向かなくなることがあります。
たとえば、家事や育児の分担、仕事への理解、普段の言葉や態度などをめぐって不満を抱えていても、それをうまく伝えられないまま過ごしているケースもあります。
こうした気持ちのすれ違いが続くと、夫に対する心理的な距離が広がり、セックスを求められても応じたいと思えなくなることがあります。
単に性欲が低下しているのではなく、日常生活の中で抱えている不満がセックスレスにつながっている可能性も考えてみましょう。
性欲の低下や自分の体への不安がある
性欲の変化や、自分の体に対する不安がセックスレスにつながることもあります。
年齢や体調などによって性欲が変化するほか、出産や加齢による体型の変化を気にして、夫に体を見られることに抵抗を感じる人もいます。
また、性交時に痛みや違和感がある場合は、セックスそのものを避けたくなることもあるでしょう。
本人がこうした悩みを夫に伝えていなければ、夫からは「なぜ拒まれているのかわからない」と感じることもあります。身体面で気になる症状がある場合は、無理をせず、必要に応じて医療機関への相談を検討するとよいでしょう。






夫婦どちらにも考えられるセックスレスの原因


生活リズムやコミュニケーション、セックスに対する考え方の違いなど、夫婦を取り巻くさまざまな状況がセックスレスにつながることもあります。
夫婦どちらにも考えられる主な原因は、次のとおりです。
- セックスに対する希望や頻度が合わない
- 生活リズムが合わず二人の時間を作れない
- 会話やスキンシップが減っている
- 誘って断られた経験から誘いにくくなっている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
セックスに対する希望や頻度が合わない
セックスをしたい頻度やタイミングは人によって異なります。そのため、夫婦で希望に差があると、どちらかが我慢したり負担を感じたりすることがあります。
たとえば、一方はもっとセックスをしたいと思っていても、もう一方は今の頻度で十分だと感じているケースもあるでしょう。こうした違いについて話す機会がないままだと、お互いに「求めても応じてもらえない」「誘われることが負担」と感じるようになることがあります。
どちらかの考え方が間違っているということではなく、セックスに対する希望の違いがセックスレスにつながっている場合もあります。
生活リズムが合わず二人の時間を作れない
仕事や家事、育児などによって生活リズムが合わなくなり、夫婦二人で過ごす時間を確保しにくくなることもあります。
帰宅時間や就寝時間が違ったり、子どもと一緒に寝るようになったりすると、以前より二人きりになる機会が減ることもあるでしょう。
セックスを避けているわけではなくても、こうした生活が続くうちに性交渉の機会が減り、そのままセックスレスになるケースもあります。
会話やスキンシップが減っている
日常の会話やスキンシップが減ることも、セックスレスにつながる原因の一つです。
夫婦で話す機会が少なくなると、お互いの気持ちや考えを知る時間も減っていきます。仕事や家事・育児に追われ、必要な連絡だけで一日が終わってしまうこともあるでしょう。
また、手をつなぐ、抱きしめるといった日常的なスキンシップが減れば、身体的な距離も生まれやすくなります。こうした状態が続くうちに、セックスに誘うこと自体に抵抗を感じるようになるケースもあります。
誘って断られた経験から誘いにくくなっている
セックスに誘って断られた経験が続き、自分から誘わなくなることもあります。
断った側には「今日は疲れている」「体調がよくない」といった理由があったとしても、断られた側は「自分を求めていないのではないか」と感じることもあるでしょう。
何度か同じ経験が続くと、「また断られるかもしれない」と考え、誘うことそのものを避けるようになる場合があります。お互いに誘わない状態が続いた結果、セックスレスが長引くケースもあります。
セックスレスの原因がわからないときに確認したいこと


セックスレスになっている理由がはっきりしない場合は、現在の状況だけを見るのではなく、これまでの夫婦関係や生活の変化を振り返ってみましょう。
原因を考えるときは、次のような点を確認してみると整理しやすくなります。
- セックスレスになった時期や生活の変化を振り返る
- 相手が今の状況をどう感じているのか確認する
- 身体面で気になる症状がないか確認する
セックスレスになった時期や生活の変化を振り返る
まずは、いつ頃からセックスの回数が減ったのかを振り返ってみましょう。
妊娠や出産、転職、引っ越し、子どもとの生活の変化など、セックスレスになった時期と重なる出来事が見つかることもあります。
はっきりしたきっかけが思い当たらない場合でも、以前と比べて二人で過ごす時間が減っていないか、会話やスキンシップに変化がなかったかを確認すると、原因を考える手がかりになります。
相手が今の状況をどう感じているのか確認する
セックスを断られる状態が続くと、「相手に原因がある」と考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、自分では気づいていない不満を相手が抱えていたり、セックスに対する考え方に違いがあったりする場合もあります。原因を知りたいときは、一方的に理由を決めつけず、今の状況をどう感じているのか、お互いに話せる範囲で確認してみましょう。
身体面で気になる症状がないか確認する
EDや性交時の痛み、体調の変化などがある場合は、身体面の問題がセックスレスにつながっている可能性もあります。
本人が症状に気づいていても、パートナーには伝えにくく、話題にできないまま距離を置いてしまうケースもあるでしょう。
気になる症状が続いている場合は、無理に夫婦だけで原因を探そうとせず、必要に応じて医療機関へ相談することも選択肢の一つです。
セックスレスの原因に合わせて対応を考える


セックスレスを改善したい場合は、まず原因を整理し、それに合った方法を考えることが大切です。
夫婦間のすれ違いが影響しているのか、仕事や家事・育児による疲れが大きいのか、身体面に不安があるのかによって、必要な対応も変わります。
ここでは、セックスレスの原因に合わせて考えたい対処法を紹介します。
| 原因・状況 | 考えられる対応 |
|---|---|
| 夫婦間の不満やすれ違い | お互いの気持ちを話し合う |
| 会話やスキンシップの減少 | 日常的なスキンシップを増やす |
| 二人で過ごす時間の減少 | 夫婦二人の時間をつくる |
| 仕事や家事・育児による疲れ | ストレスや日々の負担を減らす |
| 夫婦だけでは解決が難しい・身体面に不安がある | 状況に応じて専門家や医療機関へ相談する |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
お互いの気持ちを話し合う
夫婦間の不満や気持ちのすれ違いがセックスレスにつながっている場合は、まずお互いがどのように感じているのかを話す機会をつくってみましょう。
その際、「どうしてしてくれないの?」と相手を責めるのではなく、「最近二人の時間が減って寂しく感じている」など、自分の気持ちを伝えることがポイントです。
また、セックスをしたい頻度やスキンシップに対する考え方が夫婦で異なることもあります。自分の希望だけを伝えるのではなく、相手が今の関係をどう感じているのかにも耳を傾けてみましょう。
日常的なスキンシップを増やす
会話や身体的な触れ合いが減っている場合は、日常のスキンシップから少しずつ増やしていく方法もあります。
手をつなぐ、肩に触れる、抱きしめるなど、セックスを前提としない触れ合いであれば、お互いに構えず取り入れやすいでしょう。
いきなり性交渉の回数を増やそうとすると、相手にプレッシャーを与えることもあります。まずは自然に触れ合える関係をつくることから始めてみるのも一つの方法です。
夫婦二人で過ごす時間をつくる
仕事や家事・育児などによって二人の時間が減っている場合は、夫婦だけで過ごせる時間を意識してつくることも大切です。
特別なデートを計画する必要はなく、一緒に食事をする、散歩をする、映画を観るなど、無理なく楽しめることから始めてもよいでしょう。
普段は必要な連絡だけで会話が終わっている夫婦でも、二人でゆっくり過ごす時間ができれば、相手の気持ちや近況を知るきっかけになります。
ストレスや日々の負担を減らす
仕事や家事・育児によるストレスや疲れが原因になっている場合は、お互いの負担を減らす方法を考えてみましょう。
たとえば、家事や育児の分担を見直したり、一人で休める時間を確保したりすることで、心身の余裕につながることがあります。普段から「ありがとう」と感謝を伝えることも、夫婦がお互いの負担を理解するきっかけになるでしょう。
必要に応じて専門家や医療機関へ相談する
夫婦だけで話し合っても解決の糸口が見つからない場合は、夫婦カウンセラーなど第三者へ相談する方法もあります。
第三者が間に入ることで、それぞれの気持ちを整理しやすくなり、相手には直接伝えにくかったことを話せる場合もあるでしょう。
また、EDや性交時の痛みなど、身体面で気になる症状があるときは、夫婦関係だけの問題と考えず、医療機関への相談も検討してください。
セックスレスにはさまざまな原因があるため、一つの方法だけで解決しようとせず、今の夫婦の状況に合った対応を考えていきましょう。





セックスレスはとても大きな問題の一つです。それがどこから来ているのか、まずは原因を探る必要があります。
専門家に話をすれば原因が分かり、精神的なところからきているのか、身体的あるいは環境的なものなのか専門的な知見からのアドバイスが得られます。
お二人が笑顔で仲良く過ごせるよう、幸せなセックスはとても重要です。
他人にはなかなか相談しづらい問題なので、専門家に頼ることが、解決への近道だと思います。


【Q&A】セックスレスに関するよくある質問
セックスレスについてよくある質問を紹介します。
- どのくらいの期間続くとセックスレスとされますか?
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日本性科学会では、特殊な事情がないにもかかわらず、カップルが合意した性交やセクシャル・コンタクトがいずれも1か月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合を「セックスレス・カップル」と定義しています。
ただし、セックスに求める頻度やスキンシップに対する考え方は夫婦によって異なります。期間だけで判断するのではなく、どちらかが今の状態に悩んでいるか、夫婦間にすれ違いが生じていないかにも目を向けることが大切です。
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妊娠・出産後や育児中、更年期など、心身や生活環境が大きく変わる時期には、セックスレスにつながる要因が重なることがあります。
たとえば、出産後は育児による疲れや睡眠不足などによって、夫婦二人の時間を確保しにくくなることもあるでしょう。また、更年期には女性ホルモンの変化だけでなく、加齢による身体の変化や心理的・社会的な要因などが複合的に影響することがあります。
「特定の年代になればセックスレスになる」というものではないため、年齢だけではなく、その時期の体調や生活環境、夫婦関係なども含めて原因を考えてみましょう。
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相手が話し合いに応じてくれない場合は、無理に理由を聞き出そうとせず、まずは伝え方や話すタイミングを変えてみましょう。
「どうしてしてくれないの?」と責めるような言い方をすると、相手がさらに話しにくくなることもあります。今の状態を自分がどう感じているのかを伝え、相手の気持ちも聞きたいという姿勢で話すことが大切です。
夫婦だけでは話し合うことが難しい場合は、夫婦カウンセラーなど第三者への相談も選択肢になります。
- 身体的な原因が考えられる場合はどうしたらよいですか?
-
EDや性交時の痛みなど、身体面の症状がセックスレスに関係していると考えられる場合は、無理に解決しようとせず、医療機関への相談を検討しましょう。
たとえばEDには、加齢だけでなく、生活習慣病や心理的な要因、服用している薬の影響など、さまざまな原因が考えられます。
サプリメントや薬を自己判断で使用するのではなく、気になる症状が続いている場合は、原因を確認したうえで適切な対応を考えることが大切です。
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まとめ|セックスレスの原因を整理して今後の関係を考えましょう


ここまで、セックスレスの原因について、夫・妻それぞれに考えられる理由や、夫婦に共通する原因、状況に応じた対処法を解説しました。
本記事のポイントは、次のとおりです。
- セックスレスは一つの原因だけで起こるとは限らない
- 仕事や家事・育児による疲れ、性欲や体調の変化などが影響することがある
- 夫婦間の不満や生活リズム、セックスに対する考え方の違いが関係する場合もある
- 原因がわからないときは、セックスレスになった時期や生活の変化を振り返る
- 原因に合わせて、話し合いや負担の見直し、専門家への相談などを考える
セックスレスは、原因が一つに絞れないことも多く、すぐに解決策が見つからない場合もあります。まずは夫婦の生活や関係の変化を振り返り、何が影響しているのかを整理することから始めてみましょう。
相手を責めるのではなく、お互いが無理なく向き合える方法を探していくことが、今後の夫婦関係を考えるきっかけになります。

