「夫のことは好きだけどセックスはしたくない」という気持ちになることはありませんか。疲れていて面倒、家族としてしか見られないといった理由でセックスレスになってしまうと、愛情が薄れ、離婚のリスクも高まります。好きだけど夫としたくない理由や対処法を説明します。

【体験談】夫のことは好きだけどしたくない…

「夫のことは好きなのに、スキンシップやセックスはしたくない」という複雑な感情を抱く妻は珍しくないようです。夫を傷つけたくないのに、夫からの誘いを断らなければならず、罪悪感に悩まされる妻も多いのではないでしょうか。「夫のことは好きだけどしたくない」という気持ちになってしまうときの心理として、次のようなものがあります。
「夫のことは好きなのに、スキンシップやセックスはしたくない」という複雑な感情を抱く妻は珍しくないようです。夫を傷つけたくないのに、夫からの誘いを断らなければならず、罪悪感に悩まされる妻も多いのではないでしょうか。「夫のことは好きだけどしたくない」という気持ちになってしまうときの心理として、次のようなものがあります。
産後・育児による心身の変化
出産後の女性の体は、ホルモンバランスの急激な変化により性欲が著しく低下することが一般的です。特に授乳期間中は性的な関心が自然と薄れてしまうようです。さらに夜泣きや授乳による睡眠不足、体力の消耗も重なり、夫婦生活への意欲を持つ余裕がなくなるのは当然の生理現象といえるでしょう。

産後8ヶ月経っても、夫に触れられることすら嫌でした。赤ちゃんに一日中触れられて、もう誰にも触られたくないという気持ちが強くて。夫のことは愛しているのに、体が受け付けない自分に罪悪感を感じています。
(32歳)
仕事や家事のストレスが与える影響
現代の女性は仕事と家事の両立により、常に高いストレス状態にあります。特に共働き夫婦では、家事分担が不平等だと感じる女性が多く、この不満が蓄積されると夫への愛情表現としての夫婦生活に消極的になってしまいます。疲労とストレスは性欲を大幅に低下させ、リラックスして夫婦の時間を楽しむ心の余裕を奪ってしまうのです。



フルタイムで働いて帰宅後も家事をして、夫はソファでスマホ。そんな毎日でセックスなんて考えられませんでした。「疲れてるから無理」と断ると「冷たいな~」と言われて、さらにストレスが溜まります。夫に自分の思いを伝え、家事を手伝ってくれるようになってから、少しずつ気持ちも変わってきました。
(29歳)
夫婦関係の変化と日常のすれ違い
結婚生活が長くなると、お互いを異性として意識することが少なくなり、家族や生活パートナーとしての関係性が強くなります。日常的なコミュニケーション不足や、お互いの変化に気づかないまま過ごすことで、夫婦間の距離が徐々に広がってしまいます。このような関係の変化が、夫婦生活への興味や意欲の低下につながることが多いのです。



結婚7年目で、夫とは家族としては仲良しですが、女性として見られている実感がありません。夫も私を妻というより、子どもの母親として接している感じで。たまにセックスを求められても、恋人時代のドキドキ感はなく、義務的にこなしている自分がいます。
(36歳)
義務感やプレッシャーによる苦痛
夫婦生活を「妻の義務」として捉えてしまうと、本来愛情表現であるはずの行為が苦痛に変わってしまいます。特に夫から頻繁に求められたり、断ると不機嫌になられたりすると、プレッシャーを感じて余計に嫌悪感が強くなります。このような状況では、心からの愛情を感じることができず、ますます夫婦生活から遠ざかってしまう悪循環に陥りがちです。



夫から「夫婦なんだから当然でしょ」と言われて、それ以来夫婦生活が義務のように感じるようになりました。断ると機嫌が悪くなるので仕方なく応じていますが、正直かなり心身の負担になっています。(34歳)
自分の気持ちを理解してもらえない不安
「夫のことは好きだけどしたくない」という複雑な気持ちを夫に説明しても、理解してもらえない場合、女性は孤独感や不安を抱えがちです。「愛しているなら当然したいはず」という男性の考えと、愛情と性欲が必ずしも直結しない女性の心理には大きなギャップがあります。



『好きだけどしたくない』と正直に話したら、夫に『それは愛してないということだ』と言われてショックでした。そんなことはないのに、自分の気持ちを分かってもらえず、どう説明すればいいのか分からなくなりましたが、夫婦カウンセラーさんに相談することで少し楽になりました。
(31歳)


夫のことは好きだけどしたくないのはなぜ?
夫に愛情を持っているけれど夫婦生活には拒否感を覚えてしまうとき、どのような理由があるのでしょうか。「夫のことは好きだけどしたくない」という気持ちになる理由を5個紹介します。


産後クライシス
出産直後から数年間、夫婦関係が悪化することを産後クライシスと呼びます。夫とのスキンシップが苦痛に感じるのは、産後クライシスでみられる特徴の1つです。妊娠・出産にともなうホルモンバランスの変化により、精神的に不安定になることが原因といわれています。
このため、性欲が起きにくくなったり、夫のちょっとした言動にイライラしたりして「夫は好きだけどしたくない」という気持ちになってしまうことがあります。
ホルモンバランスだけでなく、子ども優先の生活に変化したことによる夫婦のコミュニケーション不足も、産後クライシスで夫婦関係が悪化する要因です。夫の協力が得られず、1人で育児をしなければならない妻は、子どもの世話で手一杯になってしまいます。すると、夫への関心が薄れて「好きだけどしたくない」と思ってしまう傾向があります。


疲労で余裕がない
「夫は好きだけどしたくない」という気持ちになるのは、家事や育児、仕事などで疲れていることも原因の1つだと考えられます。特に子どもが小さいうちは夜泣きなどもあって十分に睡眠が取れないこともあるでしょう。日中も子どもの様子が気がかりで、仮眠をとる暇もなく休めないという妻も多いようです。
こうしたハードな育児に加えて、家事や仕事もしていては、1日が終わるころには疲れ切ってしまいます。そのような状態では、夫婦生活よりも体を休めることを優先させたいと思うのも当然です。
子どもがいる環境ですることに慣れていない
「夫は好きだけど、子どもに気付かれるのが心配だからしたくない」と考える妻もいます。子どもが小さいうちは夫婦の寝室で子どもも一緒に寝るという家庭も多く、夫婦2人きりの時間をとるのは難しくなります。このような場合、子どもを寝かしつけたあとで、夫婦のスキンシップをとるケースがほとんどです。
しかし、物音を立ててせっかく寝た子どもを起こしてしまうのがかわいそうだと思う妻も多いでしょう。また、厚生労働省による児童虐待の定義では、性的行為を見せることも子どもへの虐待になります。
特に、妊娠・出産のため、ほとんど夫婦生活がなかった期間の直後だと、子どもに気を配りながらどのように夫とスキンシップをとればよいか、妻は戸惑ってしまいがちです。すると「子どもに悪影響を与えるリスクを取ってまでする必要はない」と我慢してしまうこともあります。
体の相性が良くない
夫と体の相性が合わず、夫婦生活がうまくいかなくて悩んでいる妻は少なくありません。夫とのセックスが痛い・不快といった不満があっても、夫を傷つけるのではないかと言い出せず「夫は好きだけどしたくない」という状態になってしまいます。
ただし、体の相性の問題は、夫婦で協力して工夫することで解決できる場合もあります。それなのに、妻への思いやりがない夫は、自分の性欲を満たすことしか考えていません。そのような自分勝手な夫との夫婦生活に、妻は嫌気がさしてしまうはずです。
コミュニケーション不足
「夫は好きだけどしたくない」という気持ちになってしまう原因には、日頃のコミュニケーション不足が関わっているのかもしれません。手をつないだりキスをしたりといった習慣がないのに、いきなりセックスで体を触られては妻は困惑してしまいます。
また、愛情はあるけど会話が少ない夫婦も要注意です。「言葉で言われなくても夫の考えが大体分かる」と思い込んでいることがあり、愛情を確かめ合う夫婦生活に消極的になりがちです。さらに、会話の機会が少ないと、夫婦生活に不満があっても、話し合う機会を逃してしまう可能性があります。


夫のことは好きだけどしたくない…離婚されても仕方ない?
「夫は好きだけどしたくない」という気持ちが強く、夫の誘いを断り続けていると、いつか離婚を切り出されるのではないかと不安になるかもしれません。セックスレスを理由に離婚することはできるのでしょうか。また、夫からの誘いを断り続けると、夫婦関係にどのような影響があるのか説明します。


セックスレスは離婚事由として認められる?
基本的に離婚を成立させるには、夫婦の合意が必要です。夫から離婚話を切り出されても、妻が離婚を拒否しているなら、すぐに離婚ということにはならないでしょう。しかし、夫の意志が固く、夫婦の話し合いでは解決できない場合、夫が家庭裁判所に離婚調停を申し立てる可能性もあります。離婚調停とは、裁判所の調停委員を挟んだ話し合いのことです。
調停でも合意が得られなければ、離婚裁判を起こされるかもしれません。もし、夫側に不貞やDVといった離婚の原因を作った責任がなく、民法で定められる離婚事由があれば、夫は訴訟を起こすことができます。裁判所が離婚を認めれば、妻の意思にかかわらず、離婚に応じるしかありません。
民法で定められる離婚事由の1つに「婚姻を継続し難い重大な事由」がありますが、セックスレスにより、夫婦関係が修復不可能な状態にまで悪化していることが立証されてしまうと、離婚が認められることがあります。ただ、セックスレスは立証が難しく、夫婦ごとに事情が異なるため、セックスレスというだけで離婚を認めてもらうのは難しいでしょう。
たとえば、相手が夫婦の子どもを望んでいるのを知った上で、性交渉できないことを知らせず結婚し、結婚後もセックスレスが続いた場合などは、離婚事由に該当すると判断されるかもしれません。また、セックスレスが原因で長期間別居しているなど、他の離婚事由がある場合も離婚が認められる可能性があります。


夫婦関係が悪化する可能性も
夫と結婚生活を続けていきたいのに「したくない」という気持ちで夫の求めを断り続けていると、夫婦関係が悪化してしまう危険性があります。妻の妊娠・出産のために、夫婦生活を我慢してきた夫にとって、産後もずっと妻から拒否されることが続くと、妻の愛情がなくなったとショックを受けるはずです。
また、妻はしたくないだけで夫を嫌いになったわけではなくても、夫の気持ちは妻から離れてしまう恐れもあります。中には別の女性に愛情を求めて浮気をしてしまう夫もいるかもしれません。逆に、夫の求めを断る理由として、妻が浮気を疑われるケースもあり、夫婦関係がさらにこじれてしまいます。


夫のことは好きだけどしたくないときの解決法とは?
夫からのスキンシップを受け入れられない状態が続くと、夫が浮気してしまう恐れがあります。そこで、夫に対して「好きだけどしたくない」という気持ちになってしまったとき、夫婦関係を良好に保つための対処法を説明します。


夫に相談する
どうしても夫婦生活がストレスで耐えられない場合、自分の気持ちを正直に夫に話すことで、夫婦関係の悪化を防げるかもしれません。夫から求められたとき、ただ「したくない」と伝えるだけでなく、ホルモンバランスの影響で精神的に不安定であることや、育児が大変で余裕がないことなど、したくない理由も詳しく伝えましょう。
その際に、夫が大切な家族であることや、決して愛情が薄れたわけではないことも同時に話しておく必要があります。単に拒否されるのではなく、妻に愛されていることが分かれば、夫も納得してくれるはずです。また、妻には無理しないでほしいという気持ちがわいて、しつこく夫婦生活を強要することもなくなるかもしれません。
家事・育児を分担して疲労を減らす
家事や育児で体力を使い果たしてしまい、疲労困憊で夫の求めに応じる余裕がないのなら、家事・育児の分担を夫に求めて、妻の負担を減らす工夫をしてみましょう。夫が仕事で忙しく、家事や育児に参加できないときは、家事代行サービスなどを利用するのも対処法の1つです。
家事や育児の負担が軽減されることで、ストレスが軽減され、不安定だった精神状態も落ち着きを取り戻すかもしれません。
2人きりで過ごす環境を作る
子どもに気付かれるのが心配でしたくない場合は、夫婦2人だけで過ごす環境を作ると、妻の気持ちに変化がみられるかもしれません。可能であれば、実家などに子どもを預けて夫婦2人で旅行するのもよいでしょう。
新婚のような状況で夫と過ごすうちに、妻も夫婦生活の大切さを思い出す可能性があります。すると、家庭でも「子どもがいるから」とあっさり拒否する回数が減り、子どもに気付かれないよう工夫しながら、スキンシップをとることに積極的になれるでしょう。
性に関する会話をする
面と向かってセックスに関する話をすることは、デリケートな話題だけに夫婦であっても戸惑ってしまうかもしれません。しかし、触られて痛い部分や、体臭などの臭いが不快であることなど、夫婦生活において嫌なことは言葉にして伝えないと、夫は理解できないはずです。ときにはセックスについて夫婦で話し合うことも大切です。
何もしないでいると、妻にとって夫婦生活は苦痛なまま改善されることはないでしょう。体の相性など話し合いだけでは解決できない場合、カップル向けのアダルトグッズなどの使用に挑戦することで、夫と妻両方の満足につながることが期待できます。


事前にルールを決めておく
妻の状況は理解できても、いつも断られていては、夫も寂しい気持ちになってしまいます。夫とのスキンシップがある程度は平気になってきたら、夫の要望にも耳を傾ける頃合いかもしれません。その際に夫婦で話し合い、夫婦生活におけるルールを決めておくと「したくない」という気持ちになっても夫婦関係の悪化が避けられる可能性があります。
たとえば、セックスする日を決めておいたり、セックスに応じてもいいときのサインを決めておけば、妻も心の準備ができ、夫もそれ以外の日にしつこく誘ってこなくなるはずです。ただ、義務感が強くなると負担に感じてしまうことがあります。どうしても無理なときのルールを決めておくのも大切なポイントです。


夫婦カウンセリングを受ける
自分の夫に対してどのように伝えたらいいのかわからない、こんなことで自分の不安な気持ちは解消されるのだろかと悩む人もいるでしょう。
リコ活には、夫婦関係の修復を得意としているカウンセラーが在籍しています。リコ活のカウンセラーと一緒に、自分たち夫婦に効果的な解決法を考えませんか。夫婦カウンセリングはお一人でも、ご夫婦二人でも受けることが可能です。


夫のことは好きだけどしたくないときは無理せず夫婦で話し合おう
「夫は好きだけどしたくない」という気持ちになるのは、ホルモンバランスの変化といった生理的なことが理由かもしれません。無理をしてまで夫の求めに応じる必要はないでしょう。その際に、拒否しなければならない理由と夫への愛情を言葉にして丁寧に伝えると、良好な夫婦関係を維持するために夫も協力してくれるはずです。
夫婦で話し合っても夫の理解が得られない場合は、夫婦の問題に詳しいカウンセラーへの相談も検討しましょう。夫婦が抱える悩みを数多く見てきた専門家から、意外な解決策を得られるかもしれません。