
離婚は人生の大きな決断であり、子どもがいる場合はなおさら慎重な検討が必要です。ですが、実際には離婚したことで悩みやストレスから解放され、幸せを感じる方も多くいるようです。
本記事では、過去に行った独自調査の内容をふまえて離婚後に「本当にこれで良かったのか」と不安を感じる方が抱きがちな悩みや、実際に離婚を経験した人々の体験談をご紹介します。

「離婚してよかった」人の割合は?
リコ活が独自に行った調査によると、離婚経験者の実に70.3%が「離婚後の幸福度が高い」と感じていることがわかりました。
1,005人の離婚経験者を対象とした本調査では、「離婚前よりも現在の方が幸福度が高い」と回答した人が54.0%と半数以上を占め、「離婚前よりも離婚直後の方が高い」と答えた人も16.3%いました。これらを合わせると、約7割の人が離婚を経て何らかの形で幸福度が向上したと感じています。
一方、「離婚前よりも現在の方が低い」(9.2%)と「離婚前よりも離婚直後の方が低い」(4.1%)を合わせても13.3%にとどまり、「変わらない」と回答した人は16.4%でした。
このデータは、離婚という決断が多くの場合、長期的に見て幸福度の向上につながることを示しています。特に、離婚直後よりも時間が経過してからの方が幸福度が高まる傾向があり、新しい生活への適応や心理的な回復に時間がかかることを示唆しています。
離婚を検討している方にとって、この結果は「離婚してよかった」と感じる人が多数派であるという希望の持てる情報といえるでしょう。もちろん、個々の状況は異なるため、十分な準備と検討が必要ですが、多くの方が離婚後に新たな幸せを見つけていることは注目すべき点です。

【体験談】離婚してよかった理由15選
離婚後、よかったと思ったことについて尋ねたところ、以下の回答が得られました。
「離婚してよかった」という言葉の背景には個人ごとに異なる境遇が存在します。実際に離婚を経験した方々は、どのようなメリットを感じているのでしょうか。体験談をご紹介します。
1. 毎日のストレスから解放された

離婚前は帰宅時間が近づくと胃が痛くなっていました。離婚後の今では自分の城に帰るという安心感があります。ストレスがなくなって体調も良くなり、子どもたちにもイライラすることが減りました。離婚を決断できて本当によかったです。(40代女性)
2. モラハラから脱出して自分を取り戻せた



元夫からの日常的な否定や皮肉で、自分が何をしても無価値に感じていました。離婚後、少しずつ自分の判断に自信が持てるようになりました。精神的な解放感は想像以上でした。離婚は人生をリセットするチャンスだったと思います。(50代女性)
3. 子どもの笑顔が増えた



夫婦喧嘩を日常的に目の当たりにしていた子どもが、離婚後明るくなりました。「ママ、最近怒らなくなったね」と言われた時は涙が出ました。子どもの気持ちを優先した決断は間違っていなかったと確信しています。相手は親権を要求してきましたが、裁判で争って無事に親権を得られて本当によかったです。(30代女性)
4. 仕事に対する意欲が高まった



養育費だけでは厳しいため、離婚を機に資格を取得し、正社員として再就職しました。以前は家事と育児で精一杯でしたが、今は仕事のやりがいを感じ、収入面でも安定してきました。金銭的な不安はまだありますが、自立できたことが誇りです。(30代女性)
5. 生活費の管理が自分でできるようになった



結婚中は夫が家計を握り、毎月決まった生活費しかもらえませんでした。長年専業主婦でしたが、離婚後はパートで働き、自分で家計を管理するようになりました。少しずつですが貯金ができるようになっています。財産分与と慰謝料も受け取れたので、この歳になって自立の第一歩を踏み出せたと感じています。(50代女性)
6. 夜ぐっすり眠れるようになった



結婚後、仕事のストレスに加え、妻のモラハラで精神的に疲弊し不眠が続いていましたが、離婚して一人暮らしを始めてからは毎晩ぐっすり眠れるようになりました。カウンセリングに通いながらですが、睡眠の質が上がったことで生活の質も向上しています。(30代男性)
7. 義両親との付き合いからの解放



義父母の期待に応えるのに疲れていました。特に夫と義両親の子育て方針の違いで、いつも板挟みになっていたんです。離婚後は私の実家の近くに引っ越し、両親のサポートを受けながらのびのび子育てできるようになり、精神的にも経済的にも助かっています。(30代女性)
8. 自分の自由な時間を取り戻した



離婚して最も良かったのは、自分の時間を自分のためだけに使えるようになったことです。趣味や資格取得の勉強をする余裕ができ、自分らしさを取り戻せました。今は起業に向けて奮闘しています。離婚して我慢することが少なくなったのは大きいです。(40代男性)
9. 子どもとの関係が深まった



離婚前は仕事と夫婦関係に悩み、子どもと向き合う余裕がありませんでした。離婚後は、子どもとじっくり向き合う時間が増えました。母子家庭の苦労はありますが、親子の絆が深まったことは何ものにも代えがたい宝物です。(30代女性)
10. 決断力と自立心が身についた



離婚届の提出から慰謝料交渉、新居探し、子どもの転校手続きなど、すべて自分でこなしました。大変でしたが、自分の力で乗り越えられたことで自信がつきました。社会人になってから一番成長した時期かもしれません。(40代女性)
11. 新しいパートナーと出会えた



離婚から3年後、子どもを連れて再婚しました。今の夫は子どもといい距離感で接してくれて助かります。最初は不安でしたが、今は前の結婚では考えられなかった安心感のある家庭を築けています。一度の失敗で諦めなくてよかったです。(30代女性)
12. 元夫との関係が改善した



離婚直後は面会交流でもギクシャクしていましたが、時間が経つにつれてお互いに冷静になれました。今では子どもの行事で顔を合わせても普通に会話ができ、子どもも安心しています。親権と養育費の取り決めをきちんとしておいて本当によかったです。(40代女性)
13. 生活スタイルが一変した



結婚中は妻の実家に頻繁に行かねばならず、自分の時間が持てませんでした。離婚後は自分のペースで生活でき、家事の大変さはありますが、精神的な自由を手に入れた実感があります。(40代男性)
14. DVから子どもを守れた



夫の暴力が子どもに向かい始めた時、迷わず離婚を決意しました。シェルターの助けも借りながら新しい生活を始めました。子どもが安心して眠れる環境を作れたことが、何より「離婚してよかった」と思える理由です。専門家への相談が支えになりました。」(30代女性)
15. 自分の幸せを自分で選べるようになった



離婚は人生最大の決断でしたが、その後の自由は想像以上でした。50代からの再出発に不安もありましたが、仕事も趣味も自分のペースで楽しめています。子どもも独立し、今は自分の幸せだけを考えられる贅沢な時間があります。(50代男性)






離婚後、つらかったことは?
離婚後の生活は解放感やストレス軽減などのメリットがある一方で、新たな困難も伴います。1,005人の離婚経験者を対象にしたリコ活独自の調査では、離婚後に辛かったことについて以下のような結果が出ています。
家計が苦しくなった(24.7%)
約4人に1人が経済的な困難を挙げています。特に専業主婦だった女性や、養育費の支払いが滞っているケースでは生活の立て直しに苦労するケースが多いようです。突然の出費や子どもの教育費など、一人で家計を支えることの難しさを実感する方が少なくありません。
子どもとの時間が減った(18.6%)
仕事と家事を一人でこなすようになると、子どもと過ごす時間が減ってしまうことに悩む親が多くいます。特に親権を持たなかった親は、限られた面会時間の中で子どもとの関係を維持していくことに苦労します。子どもの成長を日々見守れないことへの寂しさを感じる声も聞かれます。
家事などの負担が大きくなった(16.0%)
これまで分担していた家事や育児をすべて一人で担うことになり、その負担の大きさに戸惑う方も多いです。仕事と家事の両立は時間的にも体力的にも厳しく、特に子どもが小さい場合は睡眠時間を削ってこなさざるを得ないケースもあります。
仕事の時間が増えた(13.5%)
経済的自立のために働く時間を増やさざるを得ないケースが多く見られます。フルタイムへの転換や副業の開始など、収入を増やすための努力が必要になる一方で、それによるワークライフバランスの崩れに悩む方も少なくありません。
子どもの様子に変化があった(10.2%)
親の離婚によって子どもの行動や表情に変化が見られたというケースもあります。登校拒否や成績低下、情緒不安定になるなど、子どもが離婚のストレスを抱える場合もあり、その対応に苦慮する親の姿が見られます。
特にない(34.1%)
興味深いことに、3人に1人以上が「特に辛いことはなかった」と回答しています。これは離婚前の関係性がすでに悪化していたケースや、十分な準備をして離婚に臨んだケースに多く見られる傾向です。
離婚後の困難は人それぞれですが、時間の経過とともに解決していくことが多いようです。調査によれば、54.0%の人が「離婚前よりも現在の方が幸福度が高い」と回答しており、最初の困難を乗り越えた先には新たな幸せが待っていることがわかります。辛い時期を乗り越えるためには、行政の支援サービスや離婚経験者のコミュニティの活用、場合によっては専門家へのカウンセリングなども検討すると良いでしょう。
離婚して最も変わったことは?
離婚によって生活は大きく変化します。実際に1,005人の離婚経験者を対象にしたリコ活独自の調査では、最も変わったことについて「生活スタイル」が38.2%と最も多く、次いで「精神面」(20.5%)、「家計」(14.5%)という結果が出ています。
生活スタイルの変化 (38.2%)
これまでパートナーに合わせていた生活リズムが一変します。自分のペースで物事を決められる自由を得る一方、特に子どもがいる場合は、すべての家事や育児を一人で担うことになります。初めのうちは新しい生活習慣の確立に苦労しますが、徐々に自分と子どもに合ったリズムを見つけることで、むしろ以前より心地よい生活を構築できた方も多くいます。
精神面の変化 (20.5%)
夫婦間の緊張やモラハラ、DVなどのストレス要因から解放されることで、精神的な安定を取り戻す方が少なくありません。調査では「ストレスが軽減された」(50.5%)という回答が最も多く見られました。離婚後は自分の気持ちに素直に生きることができ、精神的な健康を取り戻せることが大きなメリットです。
家計の変化 (14.5%)
経済面での変化も大きな要素です。パートナーの収入がなくなる一方で、自分の裁量で家計を管理できるようになります。養育費や慰謝料、財産分与など法的な問題をきちんと解決しておくことが重要です。経済的自立に向けてキャリアアップを図るなど、前向きな取り組みを始める方も増えています。
仕事・働き方の変化 (10.9%)
離婚を機に働き方を見直す方も多くいます。専業主婦から正社員へ、パートからフルタイムへなど、経済的自立のために就労形態を変える方や、新たに資格取得にチャレンジする方も。子育てとの両立は大変ですが、キャリアに真剣に向き合うことで充実した人生となる可能性が高まります。
家庭環境の変化 (8.0%)
離婚後は家庭内の雰囲気が一変するでしょう。争いごとがなくなり、静かで落ち着いた環境を取り戻せることは、子どもにとっても大きなメリットです。一方で、親一人で家庭を支える責任は重大です。子どもとの信頼関係を築くため、コミュニケーションを大切にし、共に新しい家庭のルールを作っていくことが重要になります。
子どもと過ごす時間の変化 (4.8%)
親権や面会交流の取り決めによって、子どもと過ごす時間の質と量が変化します。親権を持つ場合は子どもとの時間が増え、より深い関係を築けることもあります。反対に、仕事の忙しさから子どもと関われる時間が減ることを懸念する声もあります。子どもの幸せを最優先に考え、時間の使い方や関わり方を工夫することが大切です。
子どもは親の離婚をどう思っている?
離婚を考える上で、多くの親が最も心配するのが子どもへの影響です。「子どものために我慢すべきか」と悩む方は少なくありません。
子どもの反応は様々です。親の不仲やDV、モラハラなどの緊張した家庭環境から解放されて安心する子どももいれば、一時的に混乱や不安を感じる子どももいます。年齢や性格、離婚前の家庭環境、親の対応によって子どもの受け止め方は大きく異なります。
子どもが離婚を健全に受け止めるために重要なポイント
- 年齢に応じた適切な説明を行う
- 「あなたのせいではない」と明確に伝える
- 親同士の対立を子どもの前で見せない
- 日常生活の変化を最小限にする
- 両親ともに子どもとの関係を維持する
多くの離婚経験者は「最初は子どもが戸惑っていたが、時間とともに落ち着いた家庭環境の方が子どもにとって良い」と実感しています。無理に我慢した不幸な結婚生活よりも、親が精神的に安定し、子どもに向き合える環境を作ることが、結果的に子どもの幸せにつながるケースも少なくありません。
約7割の子どもが「親が離婚してよかった」と回答
親の離婚を経験した人のうち、「両親が離婚して良かった」と感じている人は合計68.6%に上ります。内訳は「とてもそう思う」が23.9%、「ある程度はそう思う」が44.7%です。一方、「あまりそう思わない」が24.4%、「まったくそう思わない」が7.0%となっています。
これは、約7割の子どもが親の離婚を長期的には肯定的に捉えていることを示しています。両親の不仲や緊張関係から解放されたことが、結果的に子どもにとって良い影響をもたらしたケースが多いと考えられるでしょう。詳しくはこちらの記事をご覧ください。


【体験談】親の離婚を経験した子どもが大人になった今、伝えたいこと
リコ活では、これまで子どもの時に親の離婚を経験した方への取材を行ってきました。子どもの立場で親と離別して感じたこと、そして大人になった今だからこそ伝えたいことをぜひお読みください。












後悔のない離婚をするためにできること
勢いに任せた離婚は、後になって多くの後悔を生み出すリスクが高いため、離婚後に無理や不満を抱えないよう、事前にしっかりと準備をしておくことが重要です。自分と子どもの将来を見据え、あらゆるケースを想定しておくとより安心でしょう。
離婚後の生活をシミュレーションする
離婚後の住む場所、収入源、子どもの学校や保育園など、具体的な生活プランをイメージしておくことが大切です。
どれくらいのお金が必要になるかを試算したり、頼れる制度や親族のサポートを確認したりすると、離婚後の見通しがより明確になります。こうした準備を怠ると、いざ離婚が成立した後で思わぬ困難に直面し、後悔に繋がりやすくなるため注意が必要です。
夫婦カウンセリングを受ける
離婚を考えている段階でも、夫婦カウンセリングを受けるメリットは大きいです。コミュニケーション不全やパートナーの性格傾向など、第三者の立場から客観的に分析してもらえます。
離婚すべきか迷っている段階でも、自分だけでは気付けなかった要因が見える場合もあるため、修復の可能性や離婚した方がよい相手なのかということや、離婚の適切なタイミングなどのアドバイスがもらえます。カウンセリングの結果として離婚・修復のどちらを選んでも納得感が得られ、その後の不安や後悔が軽減されるケースがあります。


弁護士に相談する
離婚を考え始めたら、早めの弁護士への相談がおすすめです。法律の専門家である弁護士は、感情に流されず客観的な立場から最適なアドバイスを提供してくれます。特にモラハラやDVがある場合、財産分与や養育費について揉めそうな場合、子どもの親権や面会交流で合意が難しい場合、調停や裁判になりそうな場合は弁護士相談が不可欠です。
初回無料相談を実施している法律事務所も多いため、将来を見据えた判断をするためにも、専門家のアドバイスを受けることが後悔のない離婚への第一歩です。


「離婚してよかった」と思えるために、幸せへ向けた再出発を
離婚は人生の大きなターニングポイントです。離婚という大きな決断を前にして不安を感じるのは当然のことですが、調査結果が示す通り、実に70%以上の離婚経験者が「離婚してよかった」と感じています。
離婚後の困難を乗り越えた先には、ストレスから解放された新しい人生が待っているかもしれません。離婚を考える際は、感情に流されず、子どもの気持ちや経済面を含め、様々な角度から検討することが大切です。
そして弁護士やカウンセラーなどの専門家に相談することで、後悔のない離婚へとつながる可能性が高まります。あなたが納得して選んだ道が、新たな幸せを見つける始まりとなることを願っています。